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どこに行っても「週刊現代」の話題

2016年07月05日(火)

毎週、何回かいろんな会合や勉強会があるが、そこでの医師の話題は
週刊現代という週刊誌の薬特集に関するクレームばかりである。
多くの患者さん週刊誌やそのコピーを握りしめて入って来られる。
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「先生、この薬は危険なん、知らんやろ!」と怒鳴られる。

クレストールやミカムロやジャヌビアなどの実名が並んでいる。
当院でもそれを飲んでいる人が多いので、説明に時間がかかる。

なかには
「偉い先生が危険やって言ってるんや!」と怒鳴る人もいる。

「偉い人はあんまり週刊誌なんかに載らんやろ」と言うと
「いや、偉い先生方がそう言っているんやから、あんたも勉強せー」と返ってくる。

仕方がないので
「私も毎週、どこかに登場しているやけど・・・」と言うと、キョトンとされる。

「嘘やろ!」
「ホンマや。毎週出てるで。私はまともなことしか言っていないと思うけどな!」


医師たちは
「週刊現代はけしからん。あんなに医者叩きをして裁判にならないのか」と怒っている。

医者全員は新聞広告の見出ししか読んでいないようで、一応、私も毎回出ていることを
知っている医者は皆無だったので、私もわざわざ余計なことは言わなかった。

今、週刊現代のは書店で奪い合いになっているらしい。
駅の売店ではどもも売り切れていると、オバちゃんが教えてくれる。

「友達の持ってるやつをコピーしてもらったんよ」と意気込んで入ってくる人もいる。
これを読んで「やめたい」と希望した人には「じゃあ、やめときまひょ」とやめている。


多くの人は薬の実名にのみ反応して、記事はあまりちゃんと読んでいないようだ。
私は、「どんな薬にも必ず副作用はある。書いてある薬だけは多いわけでない」と説明。


そんなこんなで、週刊現代騒動が、今も続いている。
当院だけではなく、おそらく日本中の外来が大混乱であろう。

以下、買い逃した人のために。
私もあちこちに登場しているが。


7月2日号 糖尿病の薬 → こちら

7月9日号 薬と手術第一部  → こちら

7月9日号  第二部  → こちら

7月16日号 第一部  → こちら

7月16日号 第二部 → こちら

以上をまとめて読みたい人へのサイト → こちら



もちろん正しい意見もあるが、明らかに間違った意見もある。
たとえば、「腹腔鏡手術は開腹手術より危険」という内容など。

「誰かちゃんと見たらいいのに」と思うが、そこは週刊誌なのでどうにもならない。
私は電話で聞かれたことを、お話しするだけ。

やりすぎ、だと思う。
もったいないな、と思う。


おかしいのは、「週刊文春」が「週刊現代」を叩いていること。→こちら

「がんは放置!」で煽って煽ってきた週刊誌が、今度は他紙が、
「無駄ながん手術」と書くと、「そんなことはない!」と反論しているのだ。

「誰がどの口で言うのか!」と大笑いだが、そこは週刊誌の世界。
売れてなんぼの世界なので、読む側もそこをちゃんと差し引いて読んだほうがいい。

ところで、来週もまた出る、らしい。
私は、どんなメデイアにおいても医師としてちゃんとしたことをお伝えしたい。


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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

医療が喰い物にされている現象が現れている、と国民誰もが気が付かなければいけない
と思います。受診後の過剰投薬もそうですし、VS病院という構図だけでなく、話題として
煽る気持ちをもたらす題材を探しては論争を巻き起こす手段、これが雑誌や書籍の売れ行き、
または視聴率稼ぎなどに影響し、経済効果にもなり得るなんて、踊らされているのだと
気が付かなくてはいけません。

Posted by もも at 2016年07月06日 02:21 | 返信

クレストールはコレステロール低下の薬、
ミカムロは血圧下げる薬、
ジャヌビアは糖尿病の薬、
ネットでざっと検索しました。
コレステロールは善玉悪玉ともに無理して薬で下げなくても大丈夫みたいな情報もあります。分厚いトンカツ食べた翌日に測るとコレステロール値は必ず高く出るって話も。
血圧は、いつ測っても常に危険域の180越えてる人って、いるのかしら? いつも常に危険域の人は、一時的に薬で下げる必要あるかも、と思いますが長期的に服用の必要性は無いように思います。まあ、日常生活を改善できない・したくない、から、薬で下げるという選択をするなら、副作用覚悟ですね。
糖尿病は薬以外の改善方法が、すでに「長尾本」に出ていますね。

売れてなんぼ、の世界にしても、一般人が現在の医療や薬剤情報に興味を持って、医者や医療関係者に質問を投げかけるのは良いことだと思います。

そして、それらの質問ににどのように対応できるか、そこが、信頼できる真の医療者であるか否かの、最初の分かれ道です。

本来、それらの疑問や質問は、医師が診察した時点で、薬を処方した時点で、すでに解決されているはずです。
現在の医療は、医者がFAKE混じりの専門知識なるものをふりかざして、患者に指示命令する作業に成り下がっています。それゆえの疑問質問、「疑惑」であり「不信」であります。

ネット・マスコミ嫌いの専門家の皆さま、お医者様、看護師様、薬剤師様、あなた方ご自身が信じている「専門知識」に、どの程度の「真実」があるのでしょうか?

Posted by 匿名 at 2016年07月06日 03:44 | 返信

ももさんへの(若干の)反論
私は、マスコミが医療を題材に売らんかなキャッチフレーズを作るのはむしろ歓迎します。それによって、医療信仰医者崇拝の一般人が「え?」と思い始める、ことが必要だと思います。
日本ではまだ、多くの一般人はネット難民あるいはネットを使えても多岐にわたって情報を得て分析し何が本当に近いのかを知るスキルがありません。彼らは、自分が接する医療者を信頼するしか、選択肢が無いのです。医療ではなく、医療資本主義に基づいた一方的な服薬命令に従うことしか、できのです。
このような一般人が、大衆雑誌やお茶の間テレビから情報を聞きかじって、自ら疑問を持ち医療者に質問をし始めることは大いに歓迎すべきです。
それによって迷惑顔をする医者は、医者ではなく製薬会社所属の処方箋ライターであることを自らが認めているのです。
まことの医者であれば、患者からの質問に時間を割いて、ではこの薬をやめた場合、代替薬があるのか、あるいはどのように日常生活を改善して症状を緩和するか、など、ひとりひとりの患者と向かい合って話し合うハズです。話に時間がかかって待合室が満室になって苦情が出ても、それが本来の医療だから、そうすべきです。
現在の多くの患者は、捏造データ混じりの薬情報を、信頼できると信じ込まされているだけです。なぜ? 情報難民だからです。たとえ誇張した情報であったとしても、医療に対する疑問を投げかける記事は、大いに必要です。

Posted by αβ at 2016年07月06日 04:23 | 返信

 最近の週刊現代は、病院で処方された薬の批判(悪口)が多い。根拠があるのか?中には名称が挙っているが、何故、良くないのか説明しいないものもある。これでは、話にならない。それなら、その薬の名前は出すべきではない。週刊誌の売り上げを伸ばすためとしか考えられない。自制すべきである。

Posted by 近藤明 at 2016年08月30日 10:18 | 返信

薬剤師です。
週刊誌の記事を〝読んで〟飲みたくないと相談される患者さんがおられますが、読んではいないですね。
今日来られた患者さんが、ジャヌビアをオングリザに変えてもらっていました。
よく理由を聞くと「私の飲んでいる薬の名前が週刊誌に出ていたから」だそうです。記事を読んでいるわけではなく、薬の名前を見ただけです。大見出しくらいは見ているようですが。
個人的には、オングリザは先日あるエビデンスがでたばかりなので、ジャヌビアで続けていればいいのになと思いながら、同系統の薬なので同様に続けて下さいと説明しました。

ディオバンのときも同様のことが多くありました。アレはテレビでも報道されたもので「私の飲んでいる薬がテレビに映ってびっくりした。慌てて変えてもらった。」という方が複数おられました。変わっていたのはディオバンのAGでしたが。

結局のところ、一般の方々は、大見出しと薬の名前が自分の飲んでいるものかどうかくらいしか興味はないんですよね。

Posted by うめひで at 2018年09月12日 12:28 | 返信

うめひでさんへ
「一般の方々」の大半は、「自分は『薬を飲まなければいけないカラダなのだ』という洗脳状態」にあります。
ゆえに、「食生活および日常生活を改善する」ことによって「薬を減らす」「薬をやめる」「西洋薬ではなく漢方薬を選ぶ」選択肢があることに気がつかない。というよりも、これらの選択肢を提示することが、医師や薬剤師の本来の仕事なのです。
どうか、本当の意味で「良心的な薬剤師さん」になってください。医師に意見するのも、本当の意味での「心ある薬剤師さん」の仕事です。

Posted by 匿名 at 2018年09月13日 02:40 | 返信

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