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「反省させると犯罪者になります」

2016年07月10日(日)

今日、この演題で2時間の講演をした。
対象は約200人の保護司や教職関係者。
とても熱心に聞いて頂いた。
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保護司という職業は犯罪者の社会復帰後のボランテイア職。
明るく安全な社会にするために志の高い人がなられている。

そんな人たちから頼まれると、つい受けてしまい、あとで少し後悔する。
でも、最近はこんな毛色の変わった講演もしている。

今回、ちょうど1年前にこの世を去った私と同じ歳であった
立命館大学教授であった岡本茂樹さんの著書を講演のタイトルとした。

保護司さんたちはこのタイトルにかなり驚かれたようだ。
たった1人しかこの著書を知らなかったことが私には意外だった。

岡本先生は今日の会場のすぐ近くに住み、最期まで生活された。
そんなご縁もあり、一切迷わず、スーっとこのタイトルが出てきた。


岡本先生は3冊の名著を残されている。

1 「反省させると犯罪者になります」

2 「凶悪犯罪者こそ更生します」

3 「いい子に育てると犯罪者になります」(いずれも新潮社)


「検診を受けると病人になります」とか
「健康に気をつけると病気になります」という本はあるのだが、
犯罪心理学や更生法のなかでは、こうした反語調はかなり衝撃的だろう。

・後悔と反省の違い
・ロールレタリング
・酒井法子の反省文

そう、反省はさせてはいけない。
自然にするもの。

そして
・刑務所と介護施設
・移動という尊厳
・高齢者は在宅死で孫に死を見せる話、などであっという間に2時間が経過。

天国の岡本先生に捧げるつもりで話をした。




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この記事へのコメント

変わった題名ですね。
一度読んでみます。

Posted by フジコC at 2016年07月10日 02:37 | 返信

「反省させると犯罪者になります」題名を聞いたことがありましたが、読んではいないです。
なので印象とイメージからですが、
>「後悔と反省の違い」:そう、反省はさせてはいけない。 自然にするもの。
という行りを読み、なんとなく分かる気がしました。〇〇司 側の意図が加わってしまうのだと
思います。「保護という名の上から目線」という意味ではないでしょうか。
「私は貴方を保護(管理)してあげているのだョ。」という内心が、相手には伝わるのです。
......
[支援とは何か:障碍者福祉従事者等による障碍者虐待からの考察]という研究発表の一部が
抜粋された文章が教材になったことがあります。(捨てられずに手元にありました。)
まとめに [支援とは何か]
①支援によって「力の関係」が生じることを認識する。
②支援と責任・管理の三位一体が崩れると、障碍者をコントロールしょうとする力を
生じさせる可能性があることを理解する。
③障碍者を主体とした支援を展開すること、つまり「支援者が障碍者を支援」するのではなく
「障碍者が〇〇することを支援する」
......
特に③にある、○○することを支援、本人の主体性・自発性が大事であると
その意味が保護司さんの仰るそれと、同じではないかと連想しました。

Posted by もも at 2016年07月10日 10:53 | 返信

先生、この本読みました!!出たとき衝撃的でした。でも、納得のいくことばかりでした。
著者の岡本茂樹さんは亡くなられたのですか。。。。存じませんでした。
保護司の方が1名しかご存知なかったとのこと、こちらも驚きました。そうなんですね。
先生のアンテナはいつも高いのですね。これからも色々な情報を教えてください。
ありがとうございました。

Posted by ゆま at 2016年07月10日 11:37 | 返信

「悪いやつほど出世する」というタイトルの本を本屋で見つけて考えたこと。悪い政治家ほど○○する。悪い医者ほど○○する。悪い介護施設ほど○○する。○○の中には、何が入るかな?

Posted by 社会福祉士河本健二 at 2016年07月10日 08:02 | 返信

追記:
>①支援によって「力の関係」が生じることを認識する。
この部分が介護であれ、福祉であれ、何かしらの軋轢を生じる箇所であると思います。
介護される側にも承認欲求がありますが、働き手側の方が、もっと大きな承認欲求を抱えている
のではないでしょうか。かつての社会経験と現在から、そのような印象を強く受けています。
会社組織でも役所でも、日本社会はピラミッド型で成されていますが、有能な管理職であれば
その形態であっても、部下に大いに力を発揮してもらうことを喜びとし、和を持って成される
楽しい職場を実現してくれるでしょうけれども、"永久就職" が死語となり、勤め上げるという
感覚が希少となった現代の弊害かも知れません。
働き手が抱えた承認欲求の方が、強烈にエグイ何かしらを発すると思いますし、誤った方向へと
引っ張る程の "風潮" のような、社会悪的なものとなってしまう現代だと思います。

Posted by もも at 2016年07月11日 12:45 | 返信

補足:
マズローの五段階欲求説:心理学的ピラミッド(逆さ羅列:満たされるべき順番)
心理学者のアブラハム・マズローは人間の基本的な欲求を下から、

生理的欲求 (physiological need) 、
安全の欲求 (safety need) 、
所属と愛の欲求 (social need/love and belonging) 、
承認の欲求 (esteem) 、
自己実現の欲求 (self actualization)
..の5段階に分類しました。

Posted by もも at 2016年07月11日 12:56 | 返信

補足②
数年前のことです。小さなデイサービス事業所を立ち上げた知人が言うには、事業が軌道に
乗った時期だったと思いますが、介護事業所経営者資格を取得するための講義を受ける、と
聞いたことがあります。どこからか受講を義務付ける指示があったように記憶しています。
大学教授が教える内容は、「介護」ではなくて、労務管理を始め、働き手の掌握術(まとめ方)
など "働く人" を預かる責任・預かり方が講義内容であったと思います。
大企業の中にあっては、当たり前に教育係があり、どの段階のリーダーであれ、学びがあってから
始める管理職ですが、介護業界は人材の出入りが激しいのも理由の一つでしょうか、経験中の
小さな福祉のNPOも同様でした。管理職が真の"管理"を知らない場合が多いのではないでしょうか。
"働く"ということは、単に労働力と個人の時間を提供している状態では無い、という至極当然な
事柄が忘れられていると思いました。
承認欲求であったり、所属する満足感、やり甲斐、楽しさを、働き手が実感できなければ、
優しい心を人に提供できる余裕が生まれてこないのでは、ないでしょうか。
たとえ3Kの辛さがあったとしても、職場環境に "和" があり、満足感を得ることができれば
大いなる力が発揮されるのではないでしょうか。始まりは、誰もが心の奥に優しさがあって入職した
介護界・福祉界だと信じたいと思います。

Posted by もも at 2016年07月11日 10:05 | 返信

早いこと2年になりますね。岡本先生の講義は、心が洗われる内容ばかりでした。沢山の示唆に富む経験や御言葉を表出していただきました。
論考を深めて行きたいと思います。

Posted by 奄美の杜人 at 2017年06月25日 05:00 | 返信

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