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抗がん剤を自己中止したら・・・

2016年07月12日(火)

ある在宅患者さんのお宅を訪問すると元気が無かった。
点滴の抗がん剤→放射線→また経口抗がん剤となった
ところで、抗がん剤を自己中止したら主治医が口をきいてくれなくなった、と。
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抗がん剤をやる条件は全身状態がいいこと。
自力で歩けてご飯を食べられる体力があること。

しかしその患者さんは、室内移動でも息切れがして
どんどん痩せ細ってきている。

それでもがん診療拠点病院に言われるまま、タクシーで通院していた。
そして今度は、昔からある経口抗がん剤を服用することを指示された。

どうしたらいいのか相談されたので、「やめるという選択肢もある」ことと
それを決めるのは主治医との話し合いであるという説明をした。

しかし主治医に抗がん剤を自分の意思で中止したことを正直に伝えたら
怒ってしまい、一切口をきいてくれなくなったというのだ。

子供っぽい態度だと思う。
なぜ患者さんがそんな気持ちになったのかくらいは聞いてあげたらいいのに。

まあ、そんな医師だがら縁を切る決心がついた、と笑って話された。
家族は不安そうに見ていたが。

主治医は、死ぬまで抗がん剤を飲ませることが、最高の医療であると信じているのだろう。
しかし、そんなはずはない。

必ず、”yめどき”が存在する。
拙書「抗がん剤10のやめどき」をプレゼントして、その決断は誤りではないと励ました。

こんなことはよくある。
もう慣れたが、患者さんがあまりもかわいそうだ。

「抗がん剤のやめどき」だけでも、大きなテーマであると改めて思った。





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この記事へのコメント

やめどき、
ほんとに思いつまされますね。

Posted by 尾崎 友宏 at 2016年07月12日 02:29 | 返信

独居 95歳の男性 大腸がん 人工肛門造設術後、閉鎖術施行 肝転移
尼崎市内の大病院で新薬の抗がん剤治療をしています。
副作用は味覚障害や皮膚湿疹や水疱など。
高い新薬の治験になってるので本人負担は無いが、医師は何を考えているのか?
何を食べても美味しくないが、医師のために頑張りますと本人言いますが、高い医療費は誰の負担なのか?
ある程度の年齢を越えたら寿命と割り切れないのか、考えさせられる訪問ナースです

Posted by クタクタ訪問ナース at 2016年07月12日 07:50 | 返信

薬に頼っているのはむしろ医師であって、
というより、薬を飲ませるしか能のない(脳のない、と書くべきか)医師ばかり。
特に、抗がん剤と抗認知症薬、睡眠薬、抗不安薬などの精神薬、を、患者に飲ませたい医師ばかり。
こういう、薬を飲ませたがる医者って、データが欲しいのではないかしら。
その薬を服用(点滴)して、患者がどう変化したのか、をレポートにして、その薬剤の製薬会社に売ってるのではないかしら?
そういう医者にとって、患者は、モルモットなんです。だから、患者が、薬、やめます、って言うと、怒る。

長尾先生、ほんとに、たいへんなお仕事をなさっています。
刺されないように、おとなしいゴールデンではなくシェパードを連れて往診したほうが良いです。

Posted by 匿名 at 2016年07月13日 01:03 | 返信

がん診療拠点病院の場合、患者のデータを取ることが必須なのではないでしょうか。

特に腫瘍内科では、メスを持って手術をしたり、IT技術を取り入れた放射線治療ではなく、抗がん剤を標準といわれる量まで入れて、エビデンスデータを取ることが最も大切なのではないでしょうか。

そのような医師からすれば、長尾先生のように患者の立場に立って、きちんと向かい合い、話し合い、その人その人に、都度、治療をすることは、エビデンスデータが出せないこととなります。

そこには、邪魔されたという苛立ちと、医師として信頼をされているのはどちらなのか、を知らされる悔しさもあるのではないでしょうか。

医療を受けるのは患者であり、たとえ保険治療だとしても、何割かを支払うのは患者です。 お客様は患者側であり、その家族です。

勘違いをしている、いくつかの、がん診療拠点病院には、近づかないことも選択肢だと思います。

Posted by よしみ at 2016年07月13日 12:54 | 返信

そう言えば、戦争直後のアメリカの原爆の治療は、「治療」では無くて「経過観察」でしかなかったのです。
動物実験のように。

Posted by 匿名 at 2016年07月13日 07:27 | 返信

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