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第9回日本在宅薬学会で講演

2016年07月19日(火)

第9回日本在宅薬学会が大阪国際会議場で開催されており、
昨日はランチョンセミナーで「在宅緩和ケアと薬剤師」で講演。
たくさんの薬剤師さんたちに熱心に聞いて頂いた。
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この学会には、これまで4回くらい呼ばれている。
2回に1回くらいの頻度か。

でも、今日がおそらく最後になるのだろう・・・


いつもかなりきつい話をしてきた記憶があるが、歳をとったせいか
今日は、できるだけ普通に穏やかな話をした。

それでも終了後、10人くらいの人が寄ってきてくれて誉めてくれたので
暑い中、ここまで来た甲斐があったと思った。

薬剤師さんになるには6年かかる。
そこまで苦労して得るライセンスなので、もっと熱くなって欲しいなと、正直思う。

私が認める、泥臭い在宅スタッフは、訪問看護師、ケアマネまでで、
薬剤師さんは最近やっと仲間であるという気持ちになってきた職種。


でもこれからは、自分は多くの薬剤師さんから嫌われる存在になるだろう。

なぜなら、これからの人生において
・多剤投与
・減薬
・隠された副作用
・薬の論文捏造
・薬をできるだけ使わない医療、 などが自分にとって大切なテーマになるから。

これを喜ぶ薬剤師さんや製薬会社は、まずいない。
医療界も医学会からもいちばん嫌われる仕事である。

そんな想いを抱きながら、真面目な薬剤師さんで溢れる学会場を後にした。



この3日間は、
・日本呼吸療法療法医学会(名古屋)
・日本在宅医学会(東京)
・日本在宅薬学会(大阪)、を徘徊していた。

専門医の資格は今後、自動的に捨てていくつもりだし、
「医学会」とはどんな世界か全部分かったような年ごろになったので、もういい。


昨日、自治医大の永井良三学長が、デイオバン事件を振り返って
「日本の臨床研究はまだ明治10~15年の段階」と発言している。

難しい理屈はともかく、永井先生のこの言葉はとても深く重いと思う。
私もまったく同感であり、いろんな医学会に絶望している一人である。

昭和でも大正でもない、明治10年レベル、である。
日本の臨床研究は、実はそんなレベルなのだ。


浜六郎さんが発行する「薬のチェック」という会報誌を読んでいる。
愕然とするというか、めまいがする。

一般の人も、浜さんのHPくらいはのぞいて欲しい。→こちら
浜先生は、「トンデモ」ではない。

「デイオバン事件」は日本の臨床研究の氷山の一角。
闇は深い。

デイオバン事件の総括無くして、日本の医療に将来は無い。
認知症医療も同じ。

その意味では、週刊現代の一連の薬の特集は劇薬で副作用も大きいが
今の日本に、いちばん必要なクスリなのだろう。

今日、私が言いたかったのは、薬剤師さんは、こうした「不都合な真実」を
正視する勇気があるかあるか無いのかを、大真面目に聞いてみたかった。

しかしそんな勇気も無く、言えなかった。
この辺が自分の弱くてズルくてイヤなところである。











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この記事へのコメント

言いにくいことを言いにくい人に言いにくい時に言うことが本当の勇気なんでしょうね。そんな人になりたいですね。

Posted by 匿名 at 2016年07月19日 09:34 | 返信

イソップ童話:ネズミの相談 のようでもありますね。
例え話なだけですけれど、「猫の首に鈴」とか「火中の栗」のような心境だったのでしょうか。
学問として薬を学び、後から病気が着いて来る..というような構図を想像しますと、薬剤師さんは
真面目に業務遂行しているだけであって、薬に関する問題点=薬剤師さんが悪い、という公式は
当てはまりません。薬剤師さんが個人を発揮できる社会では無いことが問題なのであって、その
図式と多剤投与の問題等を同時に思うと、長尾先生のような苦悩が生じてしまうのかも知れません。

多剤投与を制し、減薬を推し進めるのは、医師が "薬嫌い" になって頂くしかありません。
薬の位置付けを低くして、「医師が医療を施す」という当たり前が通用する(力関係にある)社会に
回帰して頂きたいと、古き良き時代を知る一市民は思います。

Posted by もも at 2016年07月19日 09:14 | 返信

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