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相模原事件の再発防止はできるのか

2016年07月31日(日)

相模原事件に関してさまざまな報道がされている。
今朝は、たまたまNKHの日曜討論を観ていた。
映画フェイクの監督、森達也さんもコメントしていた。
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精神科医や犯罪心理学など各分野の専門家がそれぞれの立場から
さまざまな意見を述べていた。

再発防止については、歯切れのいい意見は聞かれなかった。
それもそうだろう。この事件の再発防止は、簡単なことではない。

措置入院期間や解除時期だけの問題でもない。
ナチスやホロコーストという言葉にも違和感がある。

特に、優生思想という言葉を発する人とは言葉が通じないのだなあ、と思う。
優生思想やナチスという言葉を使う人の心の底が透けて見える気がする。

終末期医療に関わる私もよくそんな言葉でそんな人たちに一方的に攻撃されるのだが、
攻撃している人自身が、目の前に居る人を深く傷つけていることは無視しているからだ。


よく人権派を名乗る専門家や学者やジャーナリストが来ると、難儀な人やなあと逃げる。
自分が常に正しいと思っている点では、今回の犯人と大きくは変わらないと思うからだ。

今回の報道で思い出す人がいる。

故・岡本茂樹先生(私と同じ年だが、1年前に旅立たれた)の3冊の著書だ。

・「反省させると犯罪者になります」
・「凶悪犯ほど更生します」
・「よい子に育てると犯罪者になります」

岡本先生は、寄り添うことが大切だと言っていた。
熊本刑務所に足しげく通われて、ロールレタリングなどもしていた。

精神病院や刑務所に入っても、ただ閉じ込めて反省文を書かされるだけで
本気で犯罪者の心に寄り添ってくれる人はまずいないという。

岡本先生は研究も兼ねてかボランテイアで更生に関わっておられたが、
本当に更生できない犯罪者はそう多くはない、と言われていた。

今回のような事件の再発防止には、医療、警察、行政、市民の連携しかない。
現状では、連携はほとんど無いと言っていいが、早急に連携を模索すべきでは。

私はこうした連携も、地域包括ケアの多職種連携の一環であると思う。
決して特別なことではなく、日本ではこうした解決法しかないのではないか。

私自身も今、同様な立場(殺人予告)に置かれているので正直とても複雑な心境だ。
殺人予告犯がもし釈放されたなら、なにか武器を持ち歩くことも真面目に考えている。


だからこうした問題を、「優生思想」で片づけようとする人には閉口する。
悪意を感じる。

メデイアは、この問題を時間と手間をかけてじっくり掘り下げて欲しい。
それは多くの人に我がこととして考えてもらわないと解決しないからだ。

その際にヒントになるのが、岡本先生の本ではないか。




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この記事へのコメント

こんばんは、おつかれさまでございます。
全責任を背負う立場に立たされたときは
時として身の安全が通常に非ずとなりうる
時があります。
がんばってください。

Posted by 尾崎 友宏 at 2016年08月01日 01:57 | 返信

今回の事件では、「措置入院」に焦点が当てられて、国会衆院議長あての襲撃殺人予告に対する警視庁の対応が、
不問に付されている。不思議でならない。
メールやツイッターでの「予告」では、明らかなイタズラで襲撃対象があいまいな内容であっても、即逮捕となる。
直近では、小池候補への例がある。
襲撃対象が官邸や議員宿舎、警視庁なら、ただの「ご一報」で終わったのだろうか。
マスメディアでは、この件につきアンタッチャブルなのだそうだ。
内閣では、「措置入院」の強化、延長などの検討に入ったという。
今回の事件は、「やらせ」なのか。まさか。
くわえて、「精神病院はやりたい放題」なのか、「精神病院は予防拘禁所」なのか。
あれかこれかの、乱暴な議論もある。
世界では、いかように論評されているのか。
殺人容疑者の動機に限らず、昨今の日本社会の深層変容も、見えづらくなっている。
「優生思想」も好きか嫌いかではなく、禁断の遺伝子操作に手を染める「科学者」もいて、油断ならない。

Posted by 匿名でごめん at 2016年08月01日 02:45 | 返信

まだまだ、よくわかりませんけれど、卑劣な犯人と思いましたけれど、小学校の先生のお父さんと美大出身のお母さんと聞くと、インテリですよね。
一人息子だし、期待されたけれど、大学を出たのに、教師になれなかった。
現実に付き合っているお友達では無く、パソコンの中で、秘密結社みたいな現実とはかけ離れた不条理の世界に入って行ってしまったのでしょうか?
私自身もひとりっ子で落ちこぼれなんで、他人ごとでは無いなあと思いました。
早く学歴社会では無い、なんと言って良いのか地に足のついた生活が身についた人生を、送れたら良かったのに、何処でどう間違ったのか。
パソコンで垣間見た悪魔的な世界を、大麻を服用する事で現実と、取り違えてしまったのか。
県立の障害者施設も、最近建物は県立でも中で働く人達は民間のアルバイトみたいな薄給で労働時間の長い大変な重労働に代わってしまったのでそうです(AERA)。
神戸のA少年もそうでしたけど、精神的に未熟な子供がSF小説を読んでその世界になり切ってしまったり、オカルトの殺人映画を一人で観てお酒を飲んで寝ると、オカルト映画の殺人が、物凄い気持ちの良いことの様に錯覚するらしいです。
この犯人も精神的に幼い状態でパソコンで見た「優勢思想」とか殺人が正当化される思想が入りこんで
おまけに大麻で夢を見て現実と幻が、一緒になったのではないでしょうか?
ASsasinとは「暗殺者」のことですけれど、これは大麻ハシシからきている単語なんだそうです。
オウム真理教でも、なにか麻薬を飲ませて殺人を言い含めて阪本弁護士や重要な役の方達を暗殺させましたね。
マルコポーロの「東方見聞録」にも「山の老人」というマフィアのボスみたいなのが実際いまして、酒池肉林というか大麻を飲ませて、「今の総理大臣を暗殺して来い」と命令すると、屈強な若者が憑かれたように総理大臣を暗殺すると言うことがあったそうです。
A少年、オウム真理教、マフィア、暗殺する事に躊躇しない人格が大麻ででも、できるんですね。
怖い話です。
市井のお年寄りや町のおっちゃんに聞いて稼ぎが無くても真面目に働くしかないと思います。
今は世界的に、大不況で、若者の働き口が無くて困った状況ですね。
こんなことしか分かりません。

Posted by 匿名 at 2016年08月01日 08:24 | 返信

この事件について思うことを書き込むのは、とても恐ろしく、背筋が緊張します。
何故、森達也さんが番組に登場したのかも疑問に思い、ググりましたら、オーム事件に興味し、
取材・ドキュメンタリー映画を輩出し、世界の方々が注目した経歴をお持ちのようでした。
現代、怖い思想を持つ人が、今なお世の中のあちらこちらに居るのだとしたら、恐ろしいことです。
こんな世相を造りだしているのは、荒々しい政治が誘因しているのでは?と政治家は胸に手を
当てて頂けないものでしょうか。確実に『荒廃』しているのですね、今の日本国。

Posted by もも at 2016年08月01日 11:08 | 返信

殺人予告犯がもし釈放されたなら、なにか武器を持ち歩く・・・のも必要かもしれませんが、武器で逆に相手を傷つけてしまうこともあり得るので・・・また、武器の携帯って、犯罪に該当する場合もある。催涙スプレー程度ならOKとか。

ネットで セコム GPS でググると次のようなサイトがありました。ご参考までに。
http://www.855756.com/women/

女性が不審者に後をつけられているような場合に通報すると、セコム職員が駆けつけてくれると同時に家族にも連絡してくれるらしい。
外出時に危険を感じたらすぐ連絡すると何とかなるのではないでしょうか。
費用もそれほど高くはないみたいです。

Posted by 匿名 at 2016年08月02日 03:13 | 返信

>もし殺人予告犯が釈放されたなら、とあるので犯人が特定され逮捕された、という現状なのですか?
裁判の判決に「被告は原告の半径○○キロ以内に近づいてはいけない!」と審判が下るのは、聞いた事
がありますが、時間が掛りそうですね。
犯人の主張と背後関係を、早急に詳らかにしてもらいたいものです。
最近のNews内、山東昭子議員が相模原事件に触れて、記者会見の場で「殺人予告をした者にはGPSを
埋め込むなどの措置を..」と異例の言及をしたとありました。相模原事件を引き合いにしたとしても
長尾先生への脅迫事件も、心配なさったのではありませんか?
得体の知れない恐怖心が、最も身体に悪いと思います。どうか万全の対策で、周囲の方にも協力を
仰いで下さい。言論の自由を脅かす、悪を廃絶しなければなりません。

Posted by もも at 2016年08月02日 08:30 | 返信

済みません、もう一度読み直してからコメントすべきとは思いますけれど、購入した週刊誌を探している間に、忘れてしまってはいけないので、うる憶えのままコメント致します。
少し前に週刊現代か週刊ポストか何かに、長尾先生が、「尊厳死あるいは平穏死」について一生懸命に書いていらっしゃいました。その欄では無く、隣の欄に「安楽死」について解説してあったので、あれ..。と思いましたが、忘れてしまいました。
今後は「尊厳死或いは平穏死」と「安楽死」と違うという事に力点を置きたいと思います。
相模原事件の犯人も凶悪ですけど、自民党の中には「年寄りがいつまでも生きている」とかチョロチョロ生きている値打ちの無い人はいなくなって欲しいと言う本音が出てくることがあります。そういう安楽死思想とはより一層一線を画していかないと、こちらまで安楽死グループと一緒にされてしまうような気がします。
でもこの記憶が曖昧ですので、もう一度週刊誌を読んでみます。

Posted by 匿名 at 2016年08月03日 08:09 | 返信

すみません、今頃になって調べました。7月12日の長尾先生のブログで週刊ポストの7月22~29号の「死ぬ勇気」「死ぬ覚悟」の特集で「平穏死尊厳死」と「安楽死」の違いが曖昧なままで、はっきり区別できていないように、私は感じました。
卑劣な脅迫状の目的もこんなところで誤解されているのではないでしょうか。
習慣ポストが意図的に、ごちゃまぜに書いたのではないと思いますけれど。

Posted by 匿名 at 2016年08月03日 08:20 | 返信

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