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人工呼吸器装着中のALS患者さんとのメール交換

2016年08月31日(水)

私は神経難病の在宅患者さんもたくさん診ている。
なかでも人工呼吸器装着中のALSなどの患者さんが数人おられ学ぶことが多い。
なかにはレッツチャトという意思伝達装置を使える人もいてメール交換もできる。


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人工呼吸器を装着したALS患者さんとの意思疎通は目チカラくらいになる。
しかし細かなことはよく分からない。

まばたきができる人は、まぶたの開閉で、イエス・ノーを表現できるが
細かな意思疎通はでいない。

レッツチャットという意思伝達装置があるがこれに習熟するには根気がいる。
「巻子の言霊」の巻子さんもこれを用いて、たくさんの言葉を紡がれた。

あるALS患者さんは、レッツチャットを用いて作成した文章をメールもできる。
その患者さんとのメール交換は、感動するし、格別な感慨がある。

凄いことが現実に起きている。
ALSの人は詩人である。

先日その人の自宅でケア会議があった。
20人も入るとその部屋は満員になった。

1時間たっぷり、さまざな意見交換が行われた。
・ヘルパーによる気管内吸引のこと
・呼吸器の設定、気管カニューレの選択
・カフアシストの回数
・呼吸器リハビリ
・栄養剤の半固形化と栄養評価などなど、話題はつきない。

いつも一番困るのは、吸引や胃ろうの注入のこと。
ヘルパーさんに規則を破ってもらいその責任は私が取る形でしかできない。

つまりいつも私はいつでも医者をやめるつもりでALSの在宅患者さんを引きうけている。
しかしそんな実態を知らない役所の人は「法令順守」だけで現実を見ようともしない。

メデイアもALSの在宅療養の諸問題など関心がない。
ヘルパーによる吸引問題はかなり普遍性の高いテーマなのだが、それが分からない。

そんな中、ALS当事者からの、”ありがとうメール”には思いげけず勇気づけられる。
不思議な気分になり、「今日も頑張ろう!」と思う。

呼吸器装着ALS患者さんの在宅には、我々が学ぶべきすべての要素がある。
患者さんでもあり、先生でもあるのだ。

本当はこうしたことを報じて欲しいし、意味不明な規制の緩和を強く望む。

NHKさんにもお願いしたが、地味すぎて興味が無いようだ。
呼吸器外しとか胃ろう外しには興味があるし、ヤラセもやるが。

本来はこの問題の報道は全国のALS患者さんの福音になるのだが・・・


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この記事へのコメント

パソコンやスマートフォンが便利な日常です。殊に、入院したり、日常生活にも障害があったり
する方には生活道具であり、オアシスであり、その有効活用といったら枚挙にいとまがありません。
有能なお助け機器だと思います。お医者さんとメール交換できるなんて、幸せですね。
患者さんにとっては、生き甲斐になっていることでしょう。
こちらの事案ですが、結果的には、団体を離れることになった障がい者です。
身体状況が下降線になると、あれよあれよという間に落ちていく様子を初めて見ました。
途中経過には、こまめな観察と支援が必要とされますが、その時に聞いて驚いたのは、主治医が
携帯番号を交換して下さったそうです。おそらくは医師からの申し出でしょうし、本人のそれまでの
信頼関係の賜物だとは思いますが、それだけ心配な状態の彼だったとも言えます。
そこまでして下さる医師の存在には驚きました。その時の当事者にとっては、正に "命づな" で
あったろうと思います。親身になって下さる、いい先生ですね。命の恩人かも知れません。

Posted by もも at 2016年08月31日 06:36 | 返信

障害のある方との出会いは、今始まった訳ではありません。
小学校一年生の時に、普通学級に入学した、出生時の脳性マヒを患った同級生が居ました。
学年を問わず誰かしらから、休み時間の校庭で周囲から、からかわれたり、していました。
時に、隣の席になった機会に男児の世話を焼いた記憶もあります。
普通学級に入学させた親御さんの勇気を湛えたいと思います。

Posted by もも at 2016年08月31日 09:22 | 返信

鍼灸業をしていますと、時々ALSの患者さんが、来院されます。
「体調管理の為には鍼灸は、悪くないですけど、ALS自体は鍼灸では治りません」とハッキリ申し上げなければいけないのがつらいです。何とか、遺伝子治療とかIPS細胞の研究から、治療方法が分かれば良いのになあと日々願っています。

Posted by 匿名 at 2016年09月01日 05:03 | 返信

こんにちは。
ALSの方にとっても自分の気持ちを(特に感謝の気持ち)伝えられるのは
うれしい事でしょうね。

それにしても20人のケア会議のお話を聞いて1人の方を20人で支える在宅療養は
本当に素晴らしいなと思いました。

確かに耳で聞くありがとうという言葉もうれしいですが、一生懸命ALSの方が打たれたありがとうの文字は
元気をたくさんもらえそうです。

Posted by 匿名 at 2016年09月01日 01:59 | 返信

人工呼吸機

歩さん
11つき3日
札幌

講演
です。
近く

彼女の 講演会
持たれ
こと
祈って
います。
おぎようこ
おこらんど
墨あそび詩あそび土あそび

Posted by おこ at 2016年09月03日 07:26 | 返信

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