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神戸フォーラム2016まであと1ケ月
2016年08月22日(月)
大会長を拝命している「黒田裕子記念神戸フォーラム2016」まで1ケ月となった。
事前予約で満席になる可能性があるので、参加希望者は早めに申し込み下さい。
会場隣のホテルで開催される懇親会も定員が100名なので早めに申し込みを!
事前予約で満席になる可能性があるので、参加希望者は早めに申し込み下さい。
会場隣のホテルで開催される懇親会も定員が100名なので早めに申し込みを!
神戸フォーラム2016は、9月24(土)~25日(日)に
神戸のポートアイランドで開催される。
盛りだくさんの内容なので、どこに参加するか迷うだろう。
人気講座は既に満席なので早めに申し込んで欲しい。→こちら
初日の講演第一弾は、「嫌われる勇気」の著者岸見一郎先生。
そしてがんになった元ちゃん先生こと西村元一先生も講演される。
西村先生は、先日佐々木先生が主催される在宅医療カレッジで講演された。
その時の佐々木先生のフェースブックから以下、勝手に転載させていただく。
もちろん神戸では、また違う話をされるだろう。
ちなみに、元ちゃん先生と私は同じ年。
元ちゃん先生に神戸まで会いに来て!
会場は神戸空港から10分です。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
■1■
在宅医療カレッジが始まったころ、参加したいと申し込みをしたこともあるが、その後、病気の治療が始まり、参加できなかった。
いま、自分がこの場で話すことになったことをすこし不思議な気がします。
本日の内容
●Prologue & Monologue
●患者となって見えたこと、考えたこと
まずは私のヒストリーから。
1983 医師になる (金沢大学医学部第二外科)
学位:大腸がんの基礎的研究
(指導教官:山口明夫先生)
1992 スタッフとして大学病院に戻る
ここで3人の教授に仕えた。
進行大腸癌の治療(特に手術治療)
腹腔鏡手術の導入、デバイスの研究
抗がん剤治療の基礎的研究
標準的大腸癌化学療法の導入 (2005年~)
外来化学療法の推進
チーム医療の推進
クリニカルパスの普及
外科周術期管理
感染対策
NST(栄養サポートチーム)
ストーマ・褥瘡
2008 金沢赤十字病院勤務
ずっと大学病院で診療(研究・臨床・教育)を中心にやってきたが、一般病院ではそうはいかない。
経営のことも考えなければならないし、多職種や地域との関わりも出てくる。そのような中で金沢マギーに取り組むきっかけができた。また医師会にも関わるチャンスをいただき、在宅医療などにも関与することになった。
大腸がんの治療に関わっていると、自分が大腸癌になったら恥ずかしいな、というのがあり、大腸癌の便潜血の健診は毎年受けていた。数年に一度は大腸内視鏡検査を受けていた。
ただ胃がん検診は
6年間受けていなかった!
・いつでも受けられる
・忙しい
・症状がない
・自分は大丈夫?
医師が関わりやすい罠。
突然の下血、軽いショック症状(H27.3.26)
白衣よりも顔が白いと看護師に指摘され、胃の内視鏡検査を受けた。
胃癌が見つかった。
動脈性の出血も見つかり、CTも受けた。
進行胃癌、他臓器浸潤。
基本的に根治できない胃癌。
治療しなければ予後半年という状況だった。
まずは大学病院で抗癌剤を2コース。
局所的には効果があったが、リンパ節転移の増悪が認められた。
ここでセカンドラインの抗がん剤治療を受けるか、手術をするかの選択を迫られた。
今後、がんの進行で食事が通過しなくなるリスクも考え、手術を選択した。
手術では腹膜播種(予後がかなり悪い)はなかった。
食道の一部切除、胃と脾臓の全摘出、肝臓の転移を4か所、膵臓を半分、横隔膜の一部切除、リンパ節の切除など、術前診断できた病変はすべて切除した。
これに意義があるかどうかは難しい面があるが、できれば(がんを)減量したいという考えもあった。
術後1日目、ICUでほとんどベッド上で動けない。
外も見ることができない状況。
6月23日手術
その後食道空腸吻合縫合不全、膵液瘻、回腸瘻・・・
8月10日経口摂取開始
8月20日赤十字病院転院
腫瘍マーカーCEAは、3月26日の発見時には25だった。その後、抗癌剤や免疫療法(γδT細胞)などをやったが、腫瘍マーカーは上昇を続け、3か月で倍になった。術前41.9まで上昇した腫瘍マーカーは2.5まで下がったが、2か月で腫瘍マーカーは再び上昇に転じた。
8月に実施したPETでは肝臓内やリンパ節に再発が認められた。
かなり進行が速いことがわかる。
その後、FOLFOX療法という化学療法を実施。
(分子標的薬が使いにくい癌であった)
定位放射線治療も併用した。
免疫療法は(がんの標本を得ることができたので)樹状細胞療法を開始した。
12月のPETでは転移の縮小を認めた。
一部肝臓に認められた部位に対しては、放射線を追加で照射した。
腫瘍マーカーは、上がって治療して下がって・・・を繰り返している。
現在までの治療 H28.8.3現在
抗がん剤治療▶1st line DCS 4/6~、5/8~ (2コース)
手術 6月23日(ICU滞在 術後14日間)
抗がん剤治療▶2nd line FOLFOX 18コース(最終 OX 11/16)
定位放射線治療(Novalis)浅ノ川Hp
8/31~11/18、12/28~2/9、3/23~5/9、6/28~8/1(125回)
免疫療法▶γδT細胞療法 3+6回、樹状細胞療法 3回
9月29日が誕生日!
がんが発見されてちょうど半年!
プラスアルファの人生。どう生きるか。
人間は何かを残したい生き物。
残された人生の中で、何かを目標にして何かを成し遂げたい。
目標がなければ気がめいる。
残りの人生の自分の目標は2つ。
①自分の体験を生かしてほしい。
このような場を通じて、自分の体験を伝えていきたいと考え、エキスパートナースに連載を開始した。
地元の新聞でも連載をさせてもらっている。
今年の4月からは月に1回の連載が毎日新聞でも始まった。こちらはWEBでも見ることができる。
②金沢マギーの実現
新たながん患者支援の形である金沢マギーを実現したい。
■実際に、進行胃がんの治療をうけてみて
●治療に時間がかかる(治療期間+結果が出るまで)
放射線治療など、結果がわかるまで非常に時間がかかり、それはとてもストレスだった。
●手術、抗がん剤治療は楽ではない
●100%もとの身体に戻るわけではない
効果があると患者さんに説明すると、患者さんは100%元に戻ると期待しているが、そうではないのだ、ということはきちんと伝えていかなければならない。
ごく早期のがんで内視鏡で取れるようなら別だが、ある程度の治療を受けると、治療を受ける前と全く同じ状況になるわけではない。
●お金がかかる
個室利用、保険外診療を受けたいと思えば、保険には入っておく必要がある。保険に入っていて本当に助かった。
どうせがんで見つかるならば、早期がんで・・・
後悔!が今の本音。
■患者となって・・・
抗癌剤の副作用で髪の毛が薄くなることがわかっていたので、髪を短くした。脱毛の処理がけっこう大変だった。
乳癌の患者さんで、主婦をしながら、などだとこれは大変だろう。
爪も変形してしまい、普通の爪切りで切ろうとすると、爪が割れてしまって、大変だった。
免疫力が低下して、帯状疱疹も起こった。
抗癌剤(オキサリプラチン)の副作用を実際に試してみたりした。
とてもたくさんのクスリを飲んでいた。高齢者や食道通過障害のある患者さんには非常につらいだろうと思った。
■有害事象
味覚障害・・・ワンパターンではない
DCS抗癌剤療法:甘さの閾値の低下・・・甘いもの(特に人工甘味料)は受け付けない。柑橘系など自然な甘さのものは◎。
特に困ったのは口腔内崩壊錠。この甘さは非常につらかった。口の中にひっついてしまったりするとひどい思いをする。
味覚障害がない方には、水がなくても飲めるよい薬かもしれないが、味覚障害のあるがん患者には苦痛を伴う薬。
オキノームなどの細粒が非常に曲者。水に溶けやすく、溶かして飲めるというメリットもあるが、非常に飛散しやすく、パックの中にも残りやすい。どうしても何パーセントかはロスしてしまう。
FOLFOX抗癌剤療法:全体的に低下 ・・・状況に合わせて経口摂取。頭の感覚と実際の味覚が完全に解離してしまう。これは衝撃的な体験。 (美味しかったものが突然無味に!)
キャラメル・黒糖、酸っぱいものはOKだった。
水やお茶でさえもまずく感じることがある!
辰巳芳子さんの玄米スープ、炒り玄米を梅干しと昆布で煮出したもの。これは飲めた。1日に1リットルくらい飲んだことも。
しかし、これだけでは大変。
知人にお願いして、炒り玄米というものを作ってもらった。
神経障害・・・DCS+FOLFOXにより早期出現
オキサリプラチンの副作用。
1コース目、G1しびれ持続
2コース目、G1しびれ持続、G1-2脱力感?右足跛行(右腓骨神経麻痺)による歩行障害
自分でも専門家なので神経障害が出ることはわかっていたが、こんなにすぐに出るとは思わなかった。
4コース終了後、左橈骨神経麻痺が出現した。左手を上げることができない状態(ドロップハンド)。これが右手に出たらどうしよう、という強い不安で2~3日は眠れなかった。
それ以降、オキサリプラチンは抜いている。
普通は神経障害までは出ないと言われている量でも、通常、出やすいと言われている量の3分の1くらいで副作用が出た。
しかし、治療効果を考えると、副作用があるからといって、使わないという選択もしにくい。後輩の主治医と相談しながら、治療をしてきた。
自分が主治医として患者を診ていたときは、副作用が出た薬を簡単に抜いていたが、いざ、自分が患者になったとき、副作用があるからと薬を抜くことができなかった。抜いても大丈夫だと簡単に言っていたけど、自分ごとと考えると、大丈夫だとは言い切れない。
他人ごととして考えていたと思う。
自分ごととしてもう一度捉えなおしたとき、これまでと同じことを患者さんに言えるか、いわれると悩ましい。
■術後ダンピング症状
●早期ダンピング
・胃が無くなり食べたものの調節ができないことが原因で起こる。
主症状は、冷や汗、動悸、めまい、顔面紅潮、全身倦怠感、脱力感、全身熱感などの全身症状と、 腹痛、下痢、悪心、嘔吐などの腹部症状。
●後期ダンピング
・食べたものがすぐに腸管にいくため炭水化物の吸収が一気に起こり高血糖になるためインスリンが過剰分泌され、その後低血糖になってしまうことで起こる。食後2~3時間たって頭痛や倦怠感、発
汗、めまい、呼吸の乱れなどが現れるもので、 多くは早期ダンピング症候群に引き続いて起こる。
教科書では、この2つのダンピングが区別できるように書いてあるけど、そんなことはない。食後2~4時間は腹部の張りから冷や汗、傾眠が連続的に起こり動けなくなる
縫合不全後の癒着のためか食後1~2時間程度上腹部の張りと痛みが強いため、ダンピング症状に加えて持続する。同じ食事内容でも輸液時(血糖を上げる)の時の方が若干症状軽度な感じ。食前に少し食べるなど、食事を意識した甘い間食が有効。
■現在の状況
食事は少し食べられるようにはなってきている。
点滴で使っていた薬(ステロイド)は、内服に切り替えている。栄養が足りない分は、夜間にCVポートから中心静脈栄養をしている。
術後の痛みにオピオイド(フェントス2㎎+オキノーム)を使用。栄養状態改善(筋肉を増やす)を期待して、男性ホルモン剤を使用。横隔膜を切り抜いているので、腸内容物が逆流するため、ヘッドアップして寝ている。
■2■
■患者となって
●告知を受けた日から生活が一変する(本人・家族)
●まず人生に終わり(限り)があることを再確認し、 それに向けて何をすべきかで頭がいっぱいになる。この段階では“がん”≠即“死”ではなく、あくまでも“終わり”という感覚。
・「いつかやればいい」のが、「いつか」がなくなる。
・やらないとけいないこと、やらなければいけないことを判断
・物事に優先順位をつける。
・誰にどこまで伝えるか?
・状況にもよるが、すぐに「死」まで考える余裕(もしくは実感)はない。
■人生に終わり(限り)があると再認識した
●人生に終わりがあることを再認識できたからこそ、今、何をすべきかを考えることができる。
●ただしおそらくできること、できる時間には限りがある。
●残りの人生に目標を持つこと、そして可能であればそのことを家族や仲間と共有することが、自分の足跡を残すことになる。
●目標を達成するために少しでも良い体調を維持しようと考え、それがおそらく治療の意欲につながる。
■がんになったことをきっかけとして
●人生は永遠ではなく、終わりがある(限りがある)と認識し、今何をすべきか、もしくは今からどう生きるかを考えるきっかけになる。
●人生の目標を見失っている人が多々いる中で、目標を持たざるを得なくなることは決して悪いことではない!
これはCANCER GIFTかもしれない。
■患者となって
●告知を受けた日から生活が一変する(本人・家族)
●まず人生に終わり(限り)があることを再確認し、それに向けて何をすべきかで頭がいっぱいになる。この段階では“がん”≠即「死」ではなく、あくまでも「終わり」という感覚。
●治療の選択はやり直しがきかない。治療によって身体は大きな影響を受けるし、一度治療をすると、元通りの身体に戻ることはない。
●ちょっとしたことでも Bad news(worse,worst) になる。例えば、2回目の抗癌剤治療が白血球が少なくて1週間のびた。1週間のびるということを聞いただけですごく落ち込んでしまう。その時の状況や治療効果次第で、その受け止め方が180度変わることもある。
早期胃癌であるということを良いニュースとして伝えたつもりでも、がんになったことでショックを受けて自殺をしてしまったというケースもある。患者さんによっても受け止め方が違う。
・元気なうちに外出してきたら・・
・思ったよりも元気ね
・1年もってよかったね
・・・・
■3■
●何気ない一言が非常に気になる。
・元気なうちに外出してきたら・・・
・思ったよりも元気やね
・1年もって良かったね!
・思い残すことないように・・・
●神頼みでも何でもあり
人は一人では生きていけない、誰かがそばにいてくれるからこそ生きていける
●医療者と患者では同じ時間を共有したとしても体感している時間の経過・思いは異なる。何もできなくなって初めて何かすることがある、何かができることは素晴らしいと実感できる。
●患者の気持ちは日々(1日の中でも)変化する
●患者に土日など休みはない
●病棟スタッフと患者・家族とのコミニケーション不足
・電子カルテの弊害
・リスク管理などが忙しすぎる?
・在院日数の短縮
・患者や家族から声をかけてもらいたくないオーラと出していないか?
・スタッフのコミニケーション能力の差
医療(看護)はどのように変わるのか?
検温という作業が、患者さんのデータを取る、ということだけだと、機械だけでもいいのかもしれない。でも、患者さんに触るということができなくなる。
人間にしかできないことは何なのか?ということを考えながら仕事をすべきだと思う。
コミュニケーションを大事にすることが大切だと思う。
●自分の全体を把握しているのは誰?
・主治医?
・プライマリ看護師?
・電子カルテ?
チーム医療の弊害か、電子カルテ上の「連携」だと各職種が「傍観者」になってしまう。。やはりface to faceの全体が見えている「協働」関係を作ってほしい。
■そしてもうひとつ、患者・家族不在の医療に近づいていないか?
■医療は誰のためか、目的は?
for (only ) one? / for one of them?
どちらを行っているのか明確にすべき。
目の前の患者さんがどのような人生を送ってきたのか?その上で何のために治療を受けているのか?そして患者の想いをしっかりと理解したうえで医療を進めるべき!
ーーーーーーーーーーー
がんを抱えると、いろいろな「フリ」をします。本人も、家族をはじめとする親しい人もそうです。仕事場では来年という時間のあるのが当然のようなフリ。お互いどうしでは、悲しんでなどいないフリ。自分自身に対しても、怖がってなどいないフリ。病院では意志決定をすぐできて、迷わず治療に進んでいけるフリ。
「フリ」が自分をかたちづくり強くしていく面もあります。でもそればかりでは疲れるし、ときに力が出なくなります。
ーーーーーーーーーーー
がんになったからといってすぐにもともとの行動や性格などが変わるわけではない。変化がないように見える。
しかし、いろいろなイベント(検査やその結果、症状の発現、増悪・・そしておそらく死)が近づくにつれて様々な行動や気持ちの変化などが「付加されていく」。根本では、自分の気持ちをわかってもらいたいと思いつつも、「がん」になったものにしかわからないと思っている。
我慢している。我慢させられている。
■医療者のアプローチへのメッセージ
患者は普段の性格などに加えて段々と態度と気持ちがアンバランスになっていく。経過とともに、感情の起伏は最初より激しく、言っていることと行動の不一致も多くなる。
自分の気持ちをわかってもらいたいと思いつつも無理だと思っている。単にわかっているようなフリはしてほしくない。
わからないならわからないと言ってほしい。
寄り添い、単にそばにいてくれるだけでもうれしい。
■家族などとの会話や態度
最初は自分のやりたいことや思いが強いが、時間とともに、自分がいなくなった後への想いが多くなってきる。
本当の終末期になったら何を考えるのか。自分でもまだ経験していないので想像はできない。しかし、このまぜこちゃの想いが会話や態度に出てくるということを知っておいてほしい。
■医療者も実は
「知っているフリ」「わかっているフリ」
をせざるをえない!
■現在の医療は・・・
〔いろいろな「フリ」をしている患者〕
×
〔知っている「フリ」をしている医療者〕
≒
「ずれ」や「ギャップ」のある医療
■現代の医療の大きな問題点
医療者が患者・家族に求めることと、患者・家族が医療者に求めることが違う。
お互いにフリをしている。
そして、医師は多くの患者のうちの一人と考えていても、患者から見ると医師は一人しかいない。
■ずれ・ギャップを減らすために
①チーム医療の推進
1:多ではなく、多:多対応を実現することで、単なる一方向性の医療の提供のみならず、双方向性のコミュニケーションや問題解決が可能になる。
チーム医療がうまくいくと、患者は自分のことを思っていてくれるスタッフが多くいるという思いが闘病・療養意欲につながる。
スタッフは、患者さんの戦いに直接かかわっているという実感がスタッフの力になる。
WINWINの関係!
②お互いにフリをしていることに気づき、理解する。
▶信頼関係を気づくことが重要!
医療者は、病気のみを診るのではなく、患者・家族の生活・人となりを知る!
患者・家族は“お任せ”ではなく、色々なことを学び、医療に関心を持ち、ある程度自立していくことが必要。
そして、医療者と患者・家族が対話や会話のできる機会や場所が必要!(コミュニケーション)
■がん治療全体を通じて
・どうせがんになるなら早期で
・治療には時間とお金がかかる
・100%もとに戻ることはない
・ヒトは1人で生きていけない。ヒトの支えが重要
・「がん」≠即「死」ではないが、人生の終わりを再認識する
・がん患者は態度と気持ちがアンバランス
・医療者と患者・家族とのコミニケーションの場が必須
■4■
■残りの自分の人生の目標
・自分の体験を生かしてほしい!
・新たながん患者支援の形である「金沢マギー」の実現
→がん患者は見た目では病院ではがん患者だとわかるが、生活の場では、がん患者かどうかわからない。自分も周りの家族とかもどう接していいかわからない
→病院の外(生活の場)では不自由さ!不安感!がいっぱい!
⇒何らかのサポートが必要!院外の相談支援センター?医療者などとのコミュニケーションの場?
■なぜそのような施設が必要なのか?
⇒がん相談支援センターだけでは不十分なのか?
・病院のがん相談支援センターやがんサロンの運用は、医療者目線であり、どうしても利用者としては一方的なものに受け取ってしまう。
・病院内だと患者・医療者の関係が必ず付いて回る。
・病院の中という空間の問題。
・医療以外の話題や中立的なことが話題にできない。会話の自由度が少ない。
・いろいろなピア(体験者)の患者につながりにくい
■マギーズ Maggie's
people with cancer need places like these
乳がんが再発したマギー・ケズウィック・ジェンクスさん(造園業)の「自分を取り戻す居場所が欲しい」との思い
・病人ではなく、一人の人間に戻れる小さな家庭的な居場所
・「死の恐怖の中で生きる喜びを再発見できる」場がほしい
その意思を継いだご主人(建築評論家)などの手でがんを経験した人・家族・友人が、 とまどい孤独なときに自分の力を取り戻す 病院でも家でもない 居場所づくりが始まる。
■金沢にマギーズのコンセプトを持つ場所を!
がんを患っても、その人らしく生きることができる場と、がんに関わるすべての人たちの出会いの場を、生活の中(院外)に実現する。
本物のマギーズセンターを見て、これを金沢に作ることはできないと実感した。しかし、金沢にマギーズのコンセプトを持つ場所を作りたい。
金沢に新しく立派な建物をひとつ建てるのではなく、地域、地域に(歩いて行けるところに)Maggie’sのコンセプトを持つような場所を作ろう!
Maggie’s Kanazawa ではなく自分たちで作ることが可能な“金沢マギー”を目標にしよう!
単なる夢物語⇒実現に!
対話・会話を少しでも弾ませるために
⇒金沢らしさのある人・空間・文化(食・・・)にこだわりを!
■こだわり(Policy)=人(スタッフ)
専門家集団(医療・生活など様々な分野のプロ!)
医師、看護師(含、がん専門看護師)、歯科医、大学教員(リハビリ学)、薬剤師、保健師、栄養士、建築家、ピアサポーター(患者・家族のプロ)、主婦、臨床宗教師、医療コーディネーター・・・
・病院でないので全員が医療者のプロである必要がない
・いろいろな分野のプロ、専門家が集うことが重要
・だれでも何かのプロであり、役割がある!
(当然、患者さん・家族にも・・・)
■金沢マギー
こだわり:知識+空間+文化(食)
知識ー各種相談/がんに関する学び
食ー生活の知恵/役割の再発見
空間ー仲間の存在/安心感・やすらぎ
病人ではなく、その人らしくいることができる「場」を金沢の町に作りたい。がんと向き合うことは、命井と向き合い、その向こうにある自分を見つけることだと思う。
金沢マギーの運営にぜひご賛同を!
■Take home message
Da cosa nasce cosa. (物事は思わぬ展開をするものだ)
そのためには、日頃からやりたいこと考えたり、夢を持つことが重要!
【がんとむきあう会】
e-mail: info@gmk.or.jp
http://gmk.or.jp/
https://www.facebook.com/gmk20
〒920-0864 金沢市高岡町12-13
がんとむきあう会事務局(食事の教室くでん内)
TEL:076-221-1923(櫻井)
FAX:076-242-0647
【寄付金の振込先】
金沢マギーの活動にご賛同される方々のご寄付をお願いしております。常設の「場」を作り、運営する資金とさせていただきます。
1.ゆうちょ銀行 口座名:ゲンチャンキキン
(ゆうちょ銀行から)記号13190 番号20445121
(他の金融機関から)店番318 番号2044512
2.北陸銀行 口座名:ゲンチャンキキン
金沢駅前支店(普通)6028993
※振り込み後、メールまたはFAXにて①お名前②ご住所③ご寄付金額④お振込み日をお知らせください。
神戸のポートアイランドで開催される。
盛りだくさんの内容なので、どこに参加するか迷うだろう。
人気講座は既に満席なので早めに申し込んで欲しい。→こちら
初日の講演第一弾は、「嫌われる勇気」の著者岸見一郎先生。
そしてがんになった元ちゃん先生こと西村元一先生も講演される。
西村先生は、先日佐々木先生が主催される在宅医療カレッジで講演された。
その時の佐々木先生のフェースブックから以下、勝手に転載させていただく。
もちろん神戸では、また違う話をされるだろう。
ちなみに、元ちゃん先生と私は同じ年。
元ちゃん先生に神戸まで会いに来て!
会場は神戸空港から10分です。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
■1■
在宅医療カレッジが始まったころ、参加したいと申し込みをしたこともあるが、その後、病気の治療が始まり、参加できなかった。
いま、自分がこの場で話すことになったことをすこし不思議な気がします。
本日の内容
●Prologue & Monologue
●患者となって見えたこと、考えたこと
まずは私のヒストリーから。
1983 医師になる (金沢大学医学部第二外科)
学位:大腸がんの基礎的研究
(指導教官:山口明夫先生)
1992 スタッフとして大学病院に戻る
ここで3人の教授に仕えた。
進行大腸癌の治療(特に手術治療)
腹腔鏡手術の導入、デバイスの研究
抗がん剤治療の基礎的研究
標準的大腸癌化学療法の導入 (2005年~)
外来化学療法の推進
チーム医療の推進
クリニカルパスの普及
外科周術期管理
感染対策
NST(栄養サポートチーム)
ストーマ・褥瘡
2008 金沢赤十字病院勤務
ずっと大学病院で診療(研究・臨床・教育)を中心にやってきたが、一般病院ではそうはいかない。
経営のことも考えなければならないし、多職種や地域との関わりも出てくる。そのような中で金沢マギーに取り組むきっかけができた。また医師会にも関わるチャンスをいただき、在宅医療などにも関与することになった。
大腸がんの治療に関わっていると、自分が大腸癌になったら恥ずかしいな、というのがあり、大腸癌の便潜血の健診は毎年受けていた。数年に一度は大腸内視鏡検査を受けていた。
ただ胃がん検診は
6年間受けていなかった!
・いつでも受けられる
・忙しい
・症状がない
・自分は大丈夫?
医師が関わりやすい罠。
突然の下血、軽いショック症状(H27.3.26)
白衣よりも顔が白いと看護師に指摘され、胃の内視鏡検査を受けた。
胃癌が見つかった。
動脈性の出血も見つかり、CTも受けた。
進行胃癌、他臓器浸潤。
基本的に根治できない胃癌。
治療しなければ予後半年という状況だった。
まずは大学病院で抗癌剤を2コース。
局所的には効果があったが、リンパ節転移の増悪が認められた。
ここでセカンドラインの抗がん剤治療を受けるか、手術をするかの選択を迫られた。
今後、がんの進行で食事が通過しなくなるリスクも考え、手術を選択した。
手術では腹膜播種(予後がかなり悪い)はなかった。
食道の一部切除、胃と脾臓の全摘出、肝臓の転移を4か所、膵臓を半分、横隔膜の一部切除、リンパ節の切除など、術前診断できた病変はすべて切除した。
これに意義があるかどうかは難しい面があるが、できれば(がんを)減量したいという考えもあった。
術後1日目、ICUでほとんどベッド上で動けない。
外も見ることができない状況。
6月23日手術
その後食道空腸吻合縫合不全、膵液瘻、回腸瘻・・・
8月10日経口摂取開始
8月20日赤十字病院転院
腫瘍マーカーCEAは、3月26日の発見時には25だった。その後、抗癌剤や免疫療法(γδT細胞)などをやったが、腫瘍マーカーは上昇を続け、3か月で倍になった。術前41.9まで上昇した腫瘍マーカーは2.5まで下がったが、2か月で腫瘍マーカーは再び上昇に転じた。
8月に実施したPETでは肝臓内やリンパ節に再発が認められた。
かなり進行が速いことがわかる。
その後、FOLFOX療法という化学療法を実施。
(分子標的薬が使いにくい癌であった)
定位放射線治療も併用した。
免疫療法は(がんの標本を得ることができたので)樹状細胞療法を開始した。
12月のPETでは転移の縮小を認めた。
一部肝臓に認められた部位に対しては、放射線を追加で照射した。
腫瘍マーカーは、上がって治療して下がって・・・を繰り返している。
現在までの治療 H28.8.3現在
抗がん剤治療▶1st line DCS 4/6~、5/8~ (2コース)
手術 6月23日(ICU滞在 術後14日間)
抗がん剤治療▶2nd line FOLFOX 18コース(最終 OX 11/16)
定位放射線治療(Novalis)浅ノ川Hp
8/31~11/18、12/28~2/9、3/23~5/9、6/28~8/1(125回)
免疫療法▶γδT細胞療法 3+6回、樹状細胞療法 3回
9月29日が誕生日!
がんが発見されてちょうど半年!
プラスアルファの人生。どう生きるか。
人間は何かを残したい生き物。
残された人生の中で、何かを目標にして何かを成し遂げたい。
目標がなければ気がめいる。
残りの人生の自分の目標は2つ。
①自分の体験を生かしてほしい。
このような場を通じて、自分の体験を伝えていきたいと考え、エキスパートナースに連載を開始した。
地元の新聞でも連載をさせてもらっている。
今年の4月からは月に1回の連載が毎日新聞でも始まった。こちらはWEBでも見ることができる。
②金沢マギーの実現
新たながん患者支援の形である金沢マギーを実現したい。
■実際に、進行胃がんの治療をうけてみて
●治療に時間がかかる(治療期間+結果が出るまで)
放射線治療など、結果がわかるまで非常に時間がかかり、それはとてもストレスだった。
●手術、抗がん剤治療は楽ではない
●100%もとの身体に戻るわけではない
効果があると患者さんに説明すると、患者さんは100%元に戻ると期待しているが、そうではないのだ、ということはきちんと伝えていかなければならない。
ごく早期のがんで内視鏡で取れるようなら別だが、ある程度の治療を受けると、治療を受ける前と全く同じ状況になるわけではない。
●お金がかかる
個室利用、保険外診療を受けたいと思えば、保険には入っておく必要がある。保険に入っていて本当に助かった。
どうせがんで見つかるならば、早期がんで・・・
後悔!が今の本音。
■患者となって・・・
抗癌剤の副作用で髪の毛が薄くなることがわかっていたので、髪を短くした。脱毛の処理がけっこう大変だった。
乳癌の患者さんで、主婦をしながら、などだとこれは大変だろう。
爪も変形してしまい、普通の爪切りで切ろうとすると、爪が割れてしまって、大変だった。
免疫力が低下して、帯状疱疹も起こった。
抗癌剤(オキサリプラチン)の副作用を実際に試してみたりした。
とてもたくさんのクスリを飲んでいた。高齢者や食道通過障害のある患者さんには非常につらいだろうと思った。
■有害事象
味覚障害・・・ワンパターンではない
DCS抗癌剤療法:甘さの閾値の低下・・・甘いもの(特に人工甘味料)は受け付けない。柑橘系など自然な甘さのものは◎。
特に困ったのは口腔内崩壊錠。この甘さは非常につらかった。口の中にひっついてしまったりするとひどい思いをする。
味覚障害がない方には、水がなくても飲めるよい薬かもしれないが、味覚障害のあるがん患者には苦痛を伴う薬。
オキノームなどの細粒が非常に曲者。水に溶けやすく、溶かして飲めるというメリットもあるが、非常に飛散しやすく、パックの中にも残りやすい。どうしても何パーセントかはロスしてしまう。
FOLFOX抗癌剤療法:全体的に低下 ・・・状況に合わせて経口摂取。頭の感覚と実際の味覚が完全に解離してしまう。これは衝撃的な体験。 (美味しかったものが突然無味に!)
キャラメル・黒糖、酸っぱいものはOKだった。
水やお茶でさえもまずく感じることがある!
辰巳芳子さんの玄米スープ、炒り玄米を梅干しと昆布で煮出したもの。これは飲めた。1日に1リットルくらい飲んだことも。
しかし、これだけでは大変。
知人にお願いして、炒り玄米というものを作ってもらった。
神経障害・・・DCS+FOLFOXにより早期出現
オキサリプラチンの副作用。
1コース目、G1しびれ持続
2コース目、G1しびれ持続、G1-2脱力感?右足跛行(右腓骨神経麻痺)による歩行障害
自分でも専門家なので神経障害が出ることはわかっていたが、こんなにすぐに出るとは思わなかった。
4コース終了後、左橈骨神経麻痺が出現した。左手を上げることができない状態(ドロップハンド)。これが右手に出たらどうしよう、という強い不安で2~3日は眠れなかった。
それ以降、オキサリプラチンは抜いている。
普通は神経障害までは出ないと言われている量でも、通常、出やすいと言われている量の3分の1くらいで副作用が出た。
しかし、治療効果を考えると、副作用があるからといって、使わないという選択もしにくい。後輩の主治医と相談しながら、治療をしてきた。
自分が主治医として患者を診ていたときは、副作用が出た薬を簡単に抜いていたが、いざ、自分が患者になったとき、副作用があるからと薬を抜くことができなかった。抜いても大丈夫だと簡単に言っていたけど、自分ごとと考えると、大丈夫だとは言い切れない。
他人ごととして考えていたと思う。
自分ごととしてもう一度捉えなおしたとき、これまでと同じことを患者さんに言えるか、いわれると悩ましい。
■術後ダンピング症状
●早期ダンピング
・胃が無くなり食べたものの調節ができないことが原因で起こる。
主症状は、冷や汗、動悸、めまい、顔面紅潮、全身倦怠感、脱力感、全身熱感などの全身症状と、 腹痛、下痢、悪心、嘔吐などの腹部症状。
●後期ダンピング
・食べたものがすぐに腸管にいくため炭水化物の吸収が一気に起こり高血糖になるためインスリンが過剰分泌され、その後低血糖になってしまうことで起こる。食後2~3時間たって頭痛や倦怠感、発
汗、めまい、呼吸の乱れなどが現れるもので、 多くは早期ダンピング症候群に引き続いて起こる。
教科書では、この2つのダンピングが区別できるように書いてあるけど、そんなことはない。食後2~4時間は腹部の張りから冷や汗、傾眠が連続的に起こり動けなくなる
縫合不全後の癒着のためか食後1~2時間程度上腹部の張りと痛みが強いため、ダンピング症状に加えて持続する。同じ食事内容でも輸液時(血糖を上げる)の時の方が若干症状軽度な感じ。食前に少し食べるなど、食事を意識した甘い間食が有効。
■現在の状況
食事は少し食べられるようにはなってきている。
点滴で使っていた薬(ステロイド)は、内服に切り替えている。栄養が足りない分は、夜間にCVポートから中心静脈栄養をしている。
術後の痛みにオピオイド(フェントス2㎎+オキノーム)を使用。栄養状態改善(筋肉を増やす)を期待して、男性ホルモン剤を使用。横隔膜を切り抜いているので、腸内容物が逆流するため、ヘッドアップして寝ている。
■2■
■患者となって
●告知を受けた日から生活が一変する(本人・家族)
●まず人生に終わり(限り)があることを再確認し、 それに向けて何をすべきかで頭がいっぱいになる。この段階では“がん”≠即“死”ではなく、あくまでも“終わり”という感覚。
・「いつかやればいい」のが、「いつか」がなくなる。
・やらないとけいないこと、やらなければいけないことを判断
・物事に優先順位をつける。
・誰にどこまで伝えるか?
・状況にもよるが、すぐに「死」まで考える余裕(もしくは実感)はない。
■人生に終わり(限り)があると再認識した
●人生に終わりがあることを再認識できたからこそ、今、何をすべきかを考えることができる。
●ただしおそらくできること、できる時間には限りがある。
●残りの人生に目標を持つこと、そして可能であればそのことを家族や仲間と共有することが、自分の足跡を残すことになる。
●目標を達成するために少しでも良い体調を維持しようと考え、それがおそらく治療の意欲につながる。
■がんになったことをきっかけとして
●人生は永遠ではなく、終わりがある(限りがある)と認識し、今何をすべきか、もしくは今からどう生きるかを考えるきっかけになる。
●人生の目標を見失っている人が多々いる中で、目標を持たざるを得なくなることは決して悪いことではない!
これはCANCER GIFTかもしれない。
■患者となって
●告知を受けた日から生活が一変する(本人・家族)
●まず人生に終わり(限り)があることを再確認し、それに向けて何をすべきかで頭がいっぱいになる。この段階では“がん”≠即「死」ではなく、あくまでも「終わり」という感覚。
●治療の選択はやり直しがきかない。治療によって身体は大きな影響を受けるし、一度治療をすると、元通りの身体に戻ることはない。
●ちょっとしたことでも Bad news(worse,worst) になる。例えば、2回目の抗癌剤治療が白血球が少なくて1週間のびた。1週間のびるということを聞いただけですごく落ち込んでしまう。その時の状況や治療効果次第で、その受け止め方が180度変わることもある。
早期胃癌であるということを良いニュースとして伝えたつもりでも、がんになったことでショックを受けて自殺をしてしまったというケースもある。患者さんによっても受け止め方が違う。
・元気なうちに外出してきたら・・
・思ったよりも元気ね
・1年もってよかったね
・・・・
■3■
●何気ない一言が非常に気になる。
・元気なうちに外出してきたら・・・
・思ったよりも元気やね
・1年もって良かったね!
・思い残すことないように・・・
●神頼みでも何でもあり
人は一人では生きていけない、誰かがそばにいてくれるからこそ生きていける
●医療者と患者では同じ時間を共有したとしても体感している時間の経過・思いは異なる。何もできなくなって初めて何かすることがある、何かができることは素晴らしいと実感できる。
●患者の気持ちは日々(1日の中でも)変化する
●患者に土日など休みはない
●病棟スタッフと患者・家族とのコミニケーション不足
・電子カルテの弊害
・リスク管理などが忙しすぎる?
・在院日数の短縮
・患者や家族から声をかけてもらいたくないオーラと出していないか?
・スタッフのコミニケーション能力の差
医療(看護)はどのように変わるのか?
検温という作業が、患者さんのデータを取る、ということだけだと、機械だけでもいいのかもしれない。でも、患者さんに触るということができなくなる。
人間にしかできないことは何なのか?ということを考えながら仕事をすべきだと思う。
コミュニケーションを大事にすることが大切だと思う。
●自分の全体を把握しているのは誰?
・主治医?
・プライマリ看護師?
・電子カルテ?
チーム医療の弊害か、電子カルテ上の「連携」だと各職種が「傍観者」になってしまう。。やはりface to faceの全体が見えている「協働」関係を作ってほしい。
■そしてもうひとつ、患者・家族不在の医療に近づいていないか?
■医療は誰のためか、目的は?
for (only ) one? / for one of them?
どちらを行っているのか明確にすべき。
目の前の患者さんがどのような人生を送ってきたのか?その上で何のために治療を受けているのか?そして患者の想いをしっかりと理解したうえで医療を進めるべき!
ーーーーーーーーーーー
がんを抱えると、いろいろな「フリ」をします。本人も、家族をはじめとする親しい人もそうです。仕事場では来年という時間のあるのが当然のようなフリ。お互いどうしでは、悲しんでなどいないフリ。自分自身に対しても、怖がってなどいないフリ。病院では意志決定をすぐできて、迷わず治療に進んでいけるフリ。
「フリ」が自分をかたちづくり強くしていく面もあります。でもそればかりでは疲れるし、ときに力が出なくなります。
ーーーーーーーーーーー
がんになったからといってすぐにもともとの行動や性格などが変わるわけではない。変化がないように見える。
しかし、いろいろなイベント(検査やその結果、症状の発現、増悪・・そしておそらく死)が近づくにつれて様々な行動や気持ちの変化などが「付加されていく」。根本では、自分の気持ちをわかってもらいたいと思いつつも、「がん」になったものにしかわからないと思っている。
我慢している。我慢させられている。
■医療者のアプローチへのメッセージ
患者は普段の性格などに加えて段々と態度と気持ちがアンバランスになっていく。経過とともに、感情の起伏は最初より激しく、言っていることと行動の不一致も多くなる。
自分の気持ちをわかってもらいたいと思いつつも無理だと思っている。単にわかっているようなフリはしてほしくない。
わからないならわからないと言ってほしい。
寄り添い、単にそばにいてくれるだけでもうれしい。
■家族などとの会話や態度
最初は自分のやりたいことや思いが強いが、時間とともに、自分がいなくなった後への想いが多くなってきる。
本当の終末期になったら何を考えるのか。自分でもまだ経験していないので想像はできない。しかし、このまぜこちゃの想いが会話や態度に出てくるということを知っておいてほしい。
■医療者も実は
「知っているフリ」「わかっているフリ」
をせざるをえない!
■現在の医療は・・・
〔いろいろな「フリ」をしている患者〕
×
〔知っている「フリ」をしている医療者〕
≒
「ずれ」や「ギャップ」のある医療
■現代の医療の大きな問題点
医療者が患者・家族に求めることと、患者・家族が医療者に求めることが違う。
お互いにフリをしている。
そして、医師は多くの患者のうちの一人と考えていても、患者から見ると医師は一人しかいない。
■ずれ・ギャップを減らすために
①チーム医療の推進
1:多ではなく、多:多対応を実現することで、単なる一方向性の医療の提供のみならず、双方向性のコミュニケーションや問題解決が可能になる。
チーム医療がうまくいくと、患者は自分のことを思っていてくれるスタッフが多くいるという思いが闘病・療養意欲につながる。
スタッフは、患者さんの戦いに直接かかわっているという実感がスタッフの力になる。
WINWINの関係!
②お互いにフリをしていることに気づき、理解する。
▶信頼関係を気づくことが重要!
医療者は、病気のみを診るのではなく、患者・家族の生活・人となりを知る!
患者・家族は“お任せ”ではなく、色々なことを学び、医療に関心を持ち、ある程度自立していくことが必要。
そして、医療者と患者・家族が対話や会話のできる機会や場所が必要!(コミュニケーション)
■がん治療全体を通じて
・どうせがんになるなら早期で
・治療には時間とお金がかかる
・100%もとに戻ることはない
・ヒトは1人で生きていけない。ヒトの支えが重要
・「がん」≠即「死」ではないが、人生の終わりを再認識する
・がん患者は態度と気持ちがアンバランス
・医療者と患者・家族とのコミニケーションの場が必須
■4■
■残りの自分の人生の目標
・自分の体験を生かしてほしい!
・新たながん患者支援の形である「金沢マギー」の実現
→がん患者は見た目では病院ではがん患者だとわかるが、生活の場では、がん患者かどうかわからない。自分も周りの家族とかもどう接していいかわからない
→病院の外(生活の場)では不自由さ!不安感!がいっぱい!
⇒何らかのサポートが必要!院外の相談支援センター?医療者などとのコミュニケーションの場?
■なぜそのような施設が必要なのか?
⇒がん相談支援センターだけでは不十分なのか?
・病院のがん相談支援センターやがんサロンの運用は、医療者目線であり、どうしても利用者としては一方的なものに受け取ってしまう。
・病院内だと患者・医療者の関係が必ず付いて回る。
・病院の中という空間の問題。
・医療以外の話題や中立的なことが話題にできない。会話の自由度が少ない。
・いろいろなピア(体験者)の患者につながりにくい
■マギーズ Maggie's
people with cancer need places like these
乳がんが再発したマギー・ケズウィック・ジェンクスさん(造園業)の「自分を取り戻す居場所が欲しい」との思い
・病人ではなく、一人の人間に戻れる小さな家庭的な居場所
・「死の恐怖の中で生きる喜びを再発見できる」場がほしい
その意思を継いだご主人(建築評論家)などの手でがんを経験した人・家族・友人が、 とまどい孤独なときに自分の力を取り戻す 病院でも家でもない 居場所づくりが始まる。
■金沢にマギーズのコンセプトを持つ場所を!
がんを患っても、その人らしく生きることができる場と、がんに関わるすべての人たちの出会いの場を、生活の中(院外)に実現する。
本物のマギーズセンターを見て、これを金沢に作ることはできないと実感した。しかし、金沢にマギーズのコンセプトを持つ場所を作りたい。
金沢に新しく立派な建物をひとつ建てるのではなく、地域、地域に(歩いて行けるところに)Maggie’sのコンセプトを持つような場所を作ろう!
Maggie’s Kanazawa ではなく自分たちで作ることが可能な“金沢マギー”を目標にしよう!
単なる夢物語⇒実現に!
対話・会話を少しでも弾ませるために
⇒金沢らしさのある人・空間・文化(食・・・)にこだわりを!
■こだわり(Policy)=人(スタッフ)
専門家集団(医療・生活など様々な分野のプロ!)
医師、看護師(含、がん専門看護師)、歯科医、大学教員(リハビリ学)、薬剤師、保健師、栄養士、建築家、ピアサポーター(患者・家族のプロ)、主婦、臨床宗教師、医療コーディネーター・・・
・病院でないので全員が医療者のプロである必要がない
・いろいろな分野のプロ、専門家が集うことが重要
・だれでも何かのプロであり、役割がある!
(当然、患者さん・家族にも・・・)
■金沢マギー
こだわり:知識+空間+文化(食)
知識ー各種相談/がんに関する学び
食ー生活の知恵/役割の再発見
空間ー仲間の存在/安心感・やすらぎ
病人ではなく、その人らしくいることができる「場」を金沢の町に作りたい。がんと向き合うことは、命井と向き合い、その向こうにある自分を見つけることだと思う。
金沢マギーの運営にぜひご賛同を!
■Take home message
Da cosa nasce cosa. (物事は思わぬ展開をするものだ)
そのためには、日頃からやりたいこと考えたり、夢を持つことが重要!
【がんとむきあう会】
e-mail: info@gmk.or.jp
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がんとむきあう会事務局(食事の教室くでん内)
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この記事へのコメント
こんばんは。
以前、マギーズ東京のメンバーでがんサバイバーでもある
看護師の高田さんのお話を聞かせて頂いた事がありますが、
元ちゃん先生のお話を読ませて頂いてその時の事を思い出しました。
患者さんや家族の中には同じように辛い体験をされた医療従事者の方に
お話を聞いてもらいたいと思われる方々もたくさんおられるでしょうね。
Posted by 匿名 at 2016年08月23日 12:25 | 返信
嫌われる勇気
作者 来訪 に
そそられますが、
残念
近いのに
行けません。
おぎようこ
おこらんど
墨あそび詩あそび土あそび
Posted by おこ at 2016年08月24日 05:02 | 返信
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