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親の願いと子供の想いは真反対

2016年08月18日(木)

産経新聞・親の介護シリーズ第8回(最終回)には「最期の場所と医療・
親の願いと子供の想いは真反対」と題して書いた。→こちら
これは多くの現場の医療者が感じている本音なのだ。
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産経新聞・親の介護シリーズ第8回(最終回) 最期の場所と医療
                    親の願いと子供の想いは真反対
 
 親の介護シリーズ最終回では本音を書いてみます。日々、外来診療や在宅医療の現場で高齢者医療に従事していて一番感じることは、療養の場所や終末期の医療に関する本人の希望と子供の希望があまりにもかけ離れていることです。現在、80~90代の人は戦争体験があるためかそれなりに死生観を持っておられます。たとえ認知症が高度になっても自分の医療に関する希望は上手に聞けばしっかり伝えられることが多い。いまどきの高齢者は普段から終活講座などでよく勉強されていて、延命治療ではなく自然な最期を希望しています。しかし戦争体験が無く平和でそれなりに豊かな時代を生きてきた私のような50~60代の子供世代は死をあまり見たことがありません。死を直視せず怖がり最期まで病院信仰が強い。その結果、親の願いとは真反対の結果になることが実に多いのです。

 住み慣れた自宅で最期まで生活したいと親が願っても、子供は施設に入れるほうが親孝行であると信じています。最期まで自分の口から食べたいと願っていても、子供は胃ろうや高カロリー点滴こそが親孝行であると信じています。相反する想いの両者の間に立つ医療者はいったいどちらに従えばいいのか?欧米では本人意思の尊重しかありま得せんが、日本では子供の意向に盲従するしかできません。それはあの世に行った本人は大いに満足した終末期医療であっても、残された子供が不満を感じたら訴訟をおこす可能性があるからです。だから医療の介護も家族の意向には逆らえません。その結果、気が付いたら過剰医療、過剰介護となりがちです。よくマスコミが「医者は金儲けのために延命治療をする」と叩きますがちょっと違います。あとで子供に「餓死させた」と文句を言われないために、本人が望んでもいない人工栄養を行わざるを得ないケースが多々あるのです。

 大切なことは、まず本人がリビングウイル(LW)を書いておくこと。一番簡単で安くLWを表明する方法は一般財団法人・日本尊厳死協会に入会するとです、たった2000円でLWを作成できます。そして子供に理解をしてもらいサインをもらって下さい。ベストセラーになった「平穏死・10の条件」(ブックマン社)を書いたのは4年前、ロンドンオリンピックの時でした。あれから4年。少しだけ世の中の空気が変わりましたが、病院の廊下を歩くと相変わらず管だらけになった高齢者だらけなのが日本です。いくら口頭で希望を伝えても文書の形でLWを表明しておかないと「平穏死」が叶いにくいのが日本の終末期事情。しかしLW表明は“10の条件”のひとつにすぎません。一方、アジアにおけるLW事情は、2000年の台湾に次いで今年2月には韓国でも法的担保がなされました。しかし日本では残念ながらLWの法的担保に関する議論は12年間停滞したままです。

 介護されることは決して恥ずかしいことではありません。長く生きれば家族や介護保険のお世話になることは自然なこと。しかし健康寿命を延ばして要介護期間をできるだけ短くすることもできます。具体的には毎日少しでも「歩行」をしてください。昨年来ベストセラーになった「病気の9割は歩くだけで治る」や近著「認知症は歩くだけでよくなる」(山と渓谷社)をご参照ください。でも、まだ暑い夏なので引き続き熱中症にはご注意を!
 
 
キーワード  一般財団法人・日本尊厳死協会
人生の最終段階における延命治療を拒否する旨を書いたリビングウイルの普及・啓発・管理を行う団体。憲法第13条に定められた幸福追求権を考える人権団体。創立から40年の歴史があり約12万人の会員を擁する。問い合わせ先 03-3818-6563。

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この記事へのコメント

おつかれさまでございます。
いろいろな思い思惑があるのですね、

Posted by 尾崎 友宏 at 2016年08月18日 12:26 | 返信

子供は施設に入れるほうが親孝行であると信じています & 子供は胃ろうや高カロリー点滴こそが親孝行であると信じています・・・

またもや長尾節炸裂!!! わざとの極論かな?

すっげぇ金持ちで、一時金一千万超の介護施設に自分で入居してくれる「子孝行」なステキな親もいるらしいけど、よそのヒトにはとてもいい人で子供にはわがまま放題自分勝手な親もいる。そういう親に限って、子供は親の所有物だと思ってる。
とてもじゃないけど一緒に暮らせない。こっちの精神がヤラレルから。

施設に入れるなんてひどいわ!!!って、野次馬さんからいつも非難されてますよ。だれも親孝行だなんて思ってませんよ。自宅で一人で生活できればいいと思います。でもできないでしょ? 
長尾エリアじゃないと、高齢要介護者の独居は有り得ないのです。
高齢要介護者独居を引き受けるケアマネも介護事業所もありません。

・・・だいたいからして、日本尊厳死協会って、バカにする医者、何人か見てきました。5年ほど前、特養の理事長も、ソンナモノ・・クククって、笑ってましたよ。それだけ、普及してないってことです。コケにされてるのが現実って言ったほうがいいかもしれない。
(私も私の両親も会員ですけどね。あしからず。)・・・

ヨーするに、同居して子供がベッタリくっついて面倒看ろってことですか? 
ベッタリじゃないと納得しない親が多いんですよ。
毒親って、いっぱいいるんです。

長年、家族として老人と暮らしたことが無い人にはわからないと思います。
私はじいさんと二人のばあさんと自分の両親、「家族としての老人」の計算高くキタナイ人間性を嫌っていうほど見てきました。

胃婁やIVHについては、みなさん、知らないのです。
フツウの人たちは、この時代、ようやくつかんだ定職にしがみついて、自分のポジションを守るためにサービス残業も笑顔でこなし、電車の中では英会話の隙間学習、仲間外れにならないためにマメにメールに返信して、とてもじゃないけど老人医療までお勉強するヒマ、ないのですよ。胃婁ってなあに? 状態。

認知症って、なあに?
かつての私も、そうでした。

Posted by 匿名 at 2016年08月18日 01:55 | 返信

子供が親を施設に入れたがるのは、在宅で死なれると、家と土地を売却する時、家の価値が「死人が出た家」として下がるからではないでしょうか。

Posted by 匿名 at 2016年08月18日 04:58 | 返信

死に方を考えることは生き方を考えること。今日も一生懸命生きましょう。前

Posted by 社会福祉士河本健二 at 2016年08月18日 06:49 | 返信

在宅介護している子供でも、真面目な人と、いい加減な人がいる。施設に親を入れている人でも、真面目な人もいるし、いい加減な人もいると思います。
長尾先生は、在宅医会の会長なんで、その時その時、思いついた事を言ってるんだとおもいます。
komachiさんが読んでどう思うかなんて考えてないのでは?
長尾先生も、何らかの原因で、お疲れなんじゃないでしょうか?
kamachiさんも、別のテーマの時でも、コメントを書いて下さいよ。
例えば、週刊誌が、長尾先生の言って無い事を、あたかも言ってるように書いた事なんか、訴えるべきか、訴えても仕方がないのかとか何か、良い知恵があれば教えて下さい。

Posted by 匿名 at 2016年08月19日 03:52 | 返信

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