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食べないから点滴をするのか、点滴をするから食べられないのか
2016年10月06日(木)
食べないから点滴をするのか、点滴をするから食べられないのか。
実は、どちらもあるし、どちらの場合なのか知らないと不幸になる。
大きな病院を徘徊しながら眺めてみれば、素人でも分かるのでは。
実は、どちらもあるし、どちらの場合なのか知らないと不幸になる。
大きな病院を徘徊しながら眺めてみれば、素人でも分かるのでは。
あるがん拠点病院に、何人かの末期がんの人をお見舞いに行った。
すべての人が持続点滴をされていた。
在宅ではゼロなので、持続点滴率は、100%対0%と真逆である。
そもそも持続点滴は
・末梢から、と
・中心静脈から、に分けられる。
高カロリー輸液は後者からしかできない。IVHポートともいう。
さて、なぜ持続点滴をすることになったのかというと口から食べられないからだ。
しかし点滴をしすぎると、そのせいで食べられなくなることはあまり知られていない。
胃がんの末期でガリガリの人に高カロリー輸液をすると、
日々がんは成長して、あっと言う間に亡くなる。
胃がんにエサをあげることと同じ。
胃がんはブドウ糖依存性の癌だ。
それに腸閉塞と腹水はどんどん悪くなる。
だから「食べる」とは反対方向に行きがち。
そのがん拠点病院にはそんな患者さんが沢山横たわっていた。
ああ、この点滴を少なくすれば食べられるようになり、苦痛も少ないのに、と思う。
余命が3ケ月以上期待できるそうであれば、高カロリーを輸液をしてもいいと思う。
しかし余命1~2ケ月ならば、絶対にやめたほうがいい。
最初は食べないから点滴をし受けているつもりでも、ある時点からは
点滴をするから食べられないに移行することも、是非とも知って欲しい。
家に帰って点滴をゼロにした途端に沢山食べられるようになる人がたくさんいる。
「今までなんだったの?」と」と聞かれたら、ニコって笑い「平穏死10の条件」をあげる。
これは死ぬ本ではなく、生きるための知恵を書いた本だ。
がんでも認知症でも、管だらけにならずに最期まで食べるためのマニュアル本だ。
だから自分の体についている点滴がなんのためなのか。
自分の尊厳に役だっているのか、尊厳を奪っているのか、自分自身でも考えて欲しい。
日本国は点滴好きだ。
私も点滴好きなほう。
しかし「その点滴、本当に必要ですか必要ですか」と考えて欲しい。
そして点滴をしないほうが食べられることが多いことを知って欲しい。
本人も主治医もよく分からなくなっている人が多い。
食べないから点滴をするのか、点滴をするから食べられないのか・・・
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この記事へのコメント
わが
日本
は、
点滴ずき。
なるほど
大病院
ほど
点滴
患者さん
が、
いっぱい
いらっしゃる。
おぎようこ
おこらんど
墨あそび出版あそび土あそび
Posted by おこ at 2016年10月06日 09:16 | 返信
この季節…
みなさん 体調を崩されます
昨日 96歳のおばちゃまの緊急訪問に行きました
呼吸状態が悪く 肺の音も悪く…肺炎でしょうか(診断しては いけませんが…)
ご家族に説明させていただきました
救急車を呼ぶ…ということは 救命すること
病院に行く…ということは 治療をすること
ご家族は…
いつか 命が亡くなるということを考えていません
だから
なんとかしたい…なんとかしてあげたい…と思うんですよね
たくさんの点滴…
それ 間違ってますよ〜なんて 言っちゃたら
在専門医でないと 点滴をしないなんて 見捨てるのか!…と怒鳴られてしまいます
見守る勇気…
欲しいですね
Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2016年10月06日 07:20 | 返信
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