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関原建夫氏の「がん6回、人生全快」

2016年10月08日(土)

関原建夫氏の「がん6回、人生全快」(復刻版)を拝読した。
あらためて凄い人生であると感動するとともに、がん医療の
あり方に一石を投じる貴重な一冊であることを確信した。
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関原建夫氏とは、拙書「長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか?」
の出版記念講演会に特別ゲストとしてお招きして、お話を頂いたご縁もある。

39歳で大腸がんを発症してその後、6回のがん手術を経て70歳を迎えている。
その間、仕事もバリバリこなして定年後も日本対がん協会の仕事をされている。

言うまでも無いが一律に「癌を放置せよ」という暴論は「無視」のひとこと。
がん患者さん自身は発する言葉は、医療者の言葉より重いことを悟った。

ステージⅣを完全克服された方は、関原さんに限らす沢山おられる。
なにも大腸がんだけでなく、胃がんなどその他のがんでもおられる。

医療の発達でがん医療の常識が変わりつつある。
しかし限界もあるし、抗がん剤の”やめどき”もある。

その夜、一緒に食事をしながらなぜ関原さんがこんな経過なのか考えていた。
ちょっと変な言い方だが、関原さんは「運がいい」人であるとしか言いようが無かった。


さて、同じ会場(八重洲ブックセンター)で、昨夜、西村元一先生の出版記念講演会があった。
このブログで知り急遽参加して頂いた人も10人くらいはおられたようで、感謝申し上げたい。

昨夜の西村先生のお話は、神戸フォーラム2016に勝るとも劣らないいい講演であった。
私も質疑応答コーナーから一緒に登壇したが、いろんな質問に一緒に応えて楽しかった。

西村先生は、2週間前とは違って脱毛が目立ち、少ししんどそうだった。
初めて使う抗がん剤の副作用のせいであると言われていた。

聴講された方は、おそらく全員「来て良かった」と思われたのではないか。
終了後のサイン会にも行列ができていたし、沢山のマスコミ取材もあった。

実は「余命半年、僕はこうして乗り越えた」には、私との対談も収録されている。
そういえば出版の提案も私がしたことを、西村先生の話を聞いて思い出した。

いずれにせよ、「放置療法」という極論に惑わされないで欲しい。

実は私の中学時代の友人が、近藤誠氏の極論にハマってしまい
がんが発見されるも放置をし続けて、命に関わる事態に陥っている。

家族から何度となく相談を受けたり、訪問したり、説得を続けている。
まだ助かる可能性がある、完治する可能性があるがんを放置するのは勿体ない。


私のところには、時々こうした相談が持ち込まれて、相当なエネルギーを要する。
患者さんの命を大切にすることが使命なので、いくら時間がかかっても丁寧に対応する。

もちろん何百円の世界で、「放置!」の一言だけで何万円も取る医師とは別世界にいる。
私は、極論の犠牲者を一人でも減らすことができれば、それも医者の仕事であると思う。

そんな想いで、八重洲ブックセンターの舞台に2回めの登壇であった。

まだ、極論の犠牲者が後をたたない。
マスコミもまだ極論をもてはやしたているが、勉強をしていない記者ばかりだ。

関原氏や西村氏のがん闘病記こそ、勉強になるのではないか。
是非、お二人の本を多くの人に読んで欲しい。





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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

関原建夫氏の「がん6回、人生全快」 ・・・・・・ を読んで


昨日〔10/7【金】〕の西村元一医師の新刊:
“ 余命半年、僕はこうして乗り越えた! ”
出版記念講演会 ・・・・・、やはり素晴らしい内容
だったみたいですね。このご講演が名古屋辺り
での開催であれば、飛んで行ったのに、東京は
ちょっと遠すぎました。 残念です。 

西村先生の指摘・提言は真心に溢れていて、この
先どうなって行くかは予断を許さないが、私は
このように考え、この方法〔治療法〕を選択した。 
これが良い結果に結びついて、 “ガンサバイバー”
の一人になれれば嬉しい。 それを目指して、
日々真剣に生きています。 ということが、全編
に溢れていて、生き方として、またがん患者の在
り方として、とてもとても参考となり、また敬意
を表したくなり、感銘を受けています。

本ブログで、長尾先生は、西村先生のご著書と並行
して、 “関原建夫氏の 「がん6回、人生全快」” も
推薦されて居られますが ・・・・・、

先日〔9/24【土】〕開催された “黒田裕子さん記念
『神戸フォーラム2016』” 時にも会場で質問さ
せて戴きましたが、 「がん6回、人生全快」の方は、
壮絶ながんとの闘病を、見事に勝ち切った記録であり、
凄い人生もあるもの!! と感銘は受けるのですが、
その闘病の選択や経過から、私たちが参考と出来るこ
とは殆ど何もないのでは ? と感じています。

現在がんを発症している人が、関原さんのように
がんについて学び、関原さんのように判断し、そして
実行すれば関原さんのように “がんサバイバー” に
なれるものなのでしょうか ???

もし、関原さんのように学び・決断し・実行 したら、
確実に “がんサバイバー” となれるものならば、その
ようにアドバイスをし、そのような治療や対応を取る
ように仕向けない医師〔医療界〕には大きな問題がある!
と言わざるを得ません。

「がん6回、人生全快」では、書評のところで関原氏
の主治医の先生がいみじくも 『 関原さんは、宝くじに
4回連続して高額当選を果たしたような稀有の例(幸運
な事例) 』と書かれています。 

であるならば、私たちは 「がん6回、人生全快」 から
何を学べば良いのでしょうか ???

一方において、西村元一先生の発言は戸惑い・手探り
ながら、患者・主治医・看護師・栄養士・家族・関係
者・支援者さんたちと、現状を正しく認識し、あらゆ
る可能性について考え、そして果断に選択(決断)し
て行くことの重要性を余すところなく私たちに伝えて
くれています。

日々真剣に生きてはいるが、深刻に生きる必要はない!
という西村先生の魂の叫び、この真剣で、懸命な生き
るための闘いの向こう側に “がんサバイバー” となる
僥倖があれば嬉しい! と言われる西村先生の見事な
姿勢に、他人ごととは思えず思わず幸運を心から祈って
いる自分が居ます。

西村先生の “余命半年、僕はこうして乗り越えた!”
は、2度読み返してその都度いろいろなことを教えて
貰いました。 これからも、何回か読み返すことにな
る名著と私は思っています。

西村先生の新刊本: “余命半年、僕はこうして乗り越え
た!” ・・・・・・、友人たちにも薦めたいと思っています。

西村元一先生: もう一回、神戸は無理としても、大阪・
梅田〔関西圏〕で、 “余命半年、僕はこうして乗り越え
た!” の “出版記念講演会” を開催して戴けないで
しょうか? 是非々々、よろしくお願いいたします。

Posted by 小林 文夫 at 2016年10月09日 12:09 | 返信

長尾先生がコーディネートなさっている御一面が、垣間見えます。
関原健夫さん「がん六回 人生全快」は、やはり八重洲での御講演を拝聴した時に、絶版と
聞きましたので、アマゾンで中古本を手に入れました。帯には柳田邦男さんによります言葉、
「これほど度重なる転移を全て克服した人を私は知らない。まさに稀有の人だ。しかし事実
なのだ。」とあります。実際に現在、克服なさった元気なお顔を拝見しましたので、また
対談会場で医師に劣らず、専門的なことを語っておられたのが印象的です。穏やかな雰囲気の
方でいらっしゃいました。
本を読みまして、関原さんと西村先生の共通項が、多々あることに不思議な気持ちになります。
お二方とも下血の場面から始まります。昨日、最初の西村語録には、病気への備えとして、
日頃から癌や癌治療を知っておくこと、の勧めがありました。関原さんも、徹底的に病気を理解
する、とあります。そして、常日頃から友達関係を大切にすることではないでしょうか、と
あります。西村先生のお話と本の中にも、御友人や御人脈に助けられていることが書かれています。
悪いことの共通項に言葉の暴力、があります。何気ない言葉、当たり前な言葉に傷つくこともある、
というのが印象的でした。じっくりと読み比べたら、もっとあるかも知れません。
そして何よりも、関原さんも闘病しながら仕事をなさっておられたこと、西村先生もマギーズ金沢
開所に向けて準備、経営についてなど、行動していらっしゃること。闘病だけでなく、日常も前進
させていらっしゃる様子など、よく似ている印象を受けています。

Posted by もも at 2016年10月09日 12:27 | 返信

がん 六回 今 全快
素敵
す、て、き、
私は
入院
六回
今 快調
です、
また
私の
闘病
生活 書こうかな?

おぎようこ
おこらんど
墨あそび詩あそび土あそび

Posted by おこ at 2016年10月09日 07:13 | 返信

著名人の「がん」が報道されている。著名人であろうとなかろうと、こういうものは「運不運」としか言いようがない。
「がん」などは生活習慣病の一種といわれているので、生活習慣改善によって減らすことはできるのだと思う。しかし、要は、運がいいのか、悪いのか、だと思う。私など、5年前の発見から手術、今にいたるまで、現在時点では「運がよかった」と思っている。

私は「コレ」でガンを克服したというものを見たり聞いたりすると「コレ」ってあるのだろうか、「アレだ」と断定できるものだろうか、と違和感をいだく。反対に「そんなものは無い」などと決めつけることもできないが、腫瘍が発生したり転移したり再発したりするのが、ランダムなら、運・不運しかないと思う。自分なりに最善を尽くして、あとは天命に従う、のがいいのかなと思う。

Posted by がんじー at 2016年10月11日 10:29 | 返信

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