このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
第1回世界生命倫理デイ記念セレモニーで講演
2016年10月16日(日)
「ユネスコ」と聞くと、「世界遺産」しか浮かばない。
しかし「生命倫理と人権に関する世界宣言」を出している。
そして記念すべき日本における第1回世界生命倫理デイ記念セレモニーで講演した。
しかし「生命倫理と人権に関する世界宣言」を出している。
そして記念すべき日本における第1回世界生命倫理デイ記念セレモニーで講演した。
ユネスコと聞いてもピンと来なかった。
しかしなぜか記念講演のオファーを頂戴した。
ユネスコは昨年10月にナポリにおいて
10月19日を「世界生命倫理デイ」とすることを決めたという。
それを受けて、記念すべき第1回世界生命倫理デイ記念セレモニーが
10月15日に東京で開催され、記念講演になんと私を招聘頂いた。
大会長の黒須教授から頂いた演題は
「平穏死について
-ユネスコ「生命倫理と人権に関する世界宣言」の視点から-」であった。
ユネスコの世界宣言は17条からなっているが、
肝心な箇所を私なりに抜粋してみた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第1条 この宣言は医学に関係した倫理的問題に
関するもので国家に向けられたものである
第3条 人間の尊厳と基本的自由が充分に尊重される・・・
第5条 意思決定を行う個人の自律は本人が責任をとるが
自律行使の能力を欠く人には特別な措置が必要
第7条 同意能力を持たない人には特別な保護が必要
第12条 文化の多様性および多元主義の尊重
第14条 最高の健康水準の享受は基本的人権の一つである・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
講演は1時間であったのでセレモニー参加者に伝えたいメッセージの
半分もお伝え出来なかったので、以下、要点をとめてておきたい。
1 ユネスコの世界宣言は、生命倫理において「個人の人権や尊厳を
尊重することは国家の責任である」と謳っている。
2 しかし日本は世界の先進国のうち唯一、リビングウイルの
法的担保が なされていない国である。
ちなみに台湾は2000年に、
そして韓国は今年、法的担保がなされた。
日本は12年間も国会での議論が続いているが残念ながら深まっていない。
3 またリビングウイルがあっても本人の意思を無視した医療が行われている現状。
4 ユネスコの世界宣言は、認知症や遷延性意識障害など意思決定が不明ないし
不能な人には、ベストインタレストを考えることが国家責務だと言っている。
5 しかし日本はまったくそうしたこともできていないし、兆しも無い。
(英国では2005年にメンタルキャパシテイアクトとして法的担保した)
結論 ユネスコの世界宣言の視点からみれば日本の生命倫理はかなり(相当)遅れている。
しかし日本の在宅医療において「は阿吽の意思決定」ができるので、
自宅で平穏死できるこれまた世界で唯一の不思議の国でもある。
スミマセン。
なんとも言えないオチで。
朝から何も食べていなかったので、講演後に
寅やの饅頭を頂いた、見知らぬ女性に感謝。
おかげさまで生き返りました。
しかしなぜか記念講演のオファーを頂戴した。
ユネスコは昨年10月にナポリにおいて
10月19日を「世界生命倫理デイ」とすることを決めたという。
それを受けて、記念すべき第1回世界生命倫理デイ記念セレモニーが
10月15日に東京で開催され、記念講演になんと私を招聘頂いた。
大会長の黒須教授から頂いた演題は
「平穏死について
-ユネスコ「生命倫理と人権に関する世界宣言」の視点から-」であった。
ユネスコの世界宣言は17条からなっているが、
肝心な箇所を私なりに抜粋してみた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ユネスコ 「生命倫理と人権に関する世界宣言」(抜粋)
「医療と倫理」7号 2007年 黒須三惠・宗川吉汪訳
第1条 この宣言は医学に関係した倫理的問題に
関するもので国家に向けられたものである
第3条 人間の尊厳と基本的自由が充分に尊重される・・・
第5条 意思決定を行う個人の自律は本人が責任をとるが
自律行使の能力を欠く人には特別な措置が必要
第7条 同意能力を持たない人には特別な保護が必要
第12条 文化の多様性および多元主義の尊重
第14条 最高の健康水準の享受は基本的人権の一つである・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
講演は1時間であったのでセレモニー参加者に伝えたいメッセージの
半分もお伝え出来なかったので、以下、要点をとめてておきたい。
1 ユネスコの世界宣言は、生命倫理において「個人の人権や尊厳を
尊重することは国家の責任である」と謳っている。
2 しかし日本は世界の先進国のうち唯一、リビングウイルの
法的担保が なされていない国である。
ちなみに台湾は2000年に、
そして韓国は今年、法的担保がなされた。
日本は12年間も国会での議論が続いているが残念ながら深まっていない。
3 またリビングウイルがあっても本人の意思を無視した医療が行われている現状。
4 ユネスコの世界宣言は、認知症や遷延性意識障害など意思決定が不明ないし
不能な人には、ベストインタレストを考えることが国家責務だと言っている。
5 しかし日本はまったくそうしたこともできていないし、兆しも無い。
(英国では2005年にメンタルキャパシテイアクトとして法的担保した)
結論 ユネスコの世界宣言の視点からみれば日本の生命倫理はかなり(相当)遅れている。
しかし日本の在宅医療において「は阿吽の意思決定」ができるので、
自宅で平穏死できるこれまた世界で唯一の不思議の国でもある。
スミマセン。
なんとも言えないオチで。
朝から何も食べていなかったので、講演後に
寅やの饅頭を頂いた、見知らぬ女性に感謝。
おかげさまで生き返りました。
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
この記事へのコメント
とても
いい
世界 せんげん
あるんですね。
おぎようこ
おこらんど
墨あそび詩あそび土あそび
Posted by おこ at 2016年10月16日 04:08 | 返信
世界は、中世の群雄割拠時代と変わらない状態ですけど、ユネスコや高等弁務官事務所や国連関係の諸機関に期待が寄せられますね。
スーダンでも、国連のボランティアが殺されたり犠牲が絶えませんが、資本主義の倫理無き拡大主義が横行することに抵抗して地球規模の庶民の組織が必要なのかなあと感じます。
Posted by 匿名 at 2016年10月16日 12:43 | 返信
またもや第一回でいらしたのですね。
ユネスコと聞くと、文化的・平和的 なイメージがありますし、壮大な感覚を覚えます。
文部科学省に属する機関:「諸国民の教育、科学、文化の協力と交流を通じて、国際平和と
人類の福祉の促進を目的とした国際連合の専門機関です。」とあります。
セレモニーに招かれ講演とは、名誉なことではないでしょうか。
「人類の福祉」に貢献する象徴的な存在になっていらした ”証” ですね。
Posted by もも at 2016年10月16日 10:13 | 返信
参加しました!一度直にお話を聞きたいと思っていました。
親が年をとるということに頭の準備がまだできておらず、さて・・・と思いいろいろの最近だったのですが、お話を伺っているうちに頭と心に収まりよくポトポトと落ちてきました。
誰でも年をとるわけですから、なにが本当に大事かと常に自問して暮らして生きたいと思いました。西新宿のビル街の風景にも秋の風は優しく駆け抜けていくのですから。
一日に3カ所。階段を駆け下りていく姿に。健康には気をつけてくださいね。
ありがとうございました。
Posted by ヒヨドリ at 2016年10月17日 10:39 | 返信
コメントする
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: