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呼吸停止したら主治医よりも先に救急車を呼ぶという老人ホーム

2016年11月09日(水)

介護施設や老人ホームに終の住処として入所している人が世の中には大勢いる。
しかし「呼吸停止したら主治医よりも先に救急車を呼ぶ」という老人ホームが多い。
これは詐欺、である。
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急変ではない。

がんや老衰で徐々に食べられなくなってきたときに
エンドオブライフケアや看取りを嫌がる施設のスタッフが多い。

あるいは、法人経営者の方針で「絶対に救急車」という施設も多い。
理由は、「その部屋で死んだら次の人が入らない」からだと聞いた。

死は忌み嫌うもので
商売に影響するものだと割り切っているようだ。

入居前には「当施設は最期まで診させて頂きます」と高額のお金を取りながら、
いざ死が近くなると、置いてはくれないので、場所を移さないといけないと迫る。

しかし、これは詐欺だと思う。

ずっと看てきたのだから最期まで看て欲しいし、こちらもそのつもりである。
しかし法人経営者は、人間の尊厳よりお金儲けの方を優先するかたがた。

しかも「呼吸停止したら主治医より先に救急車を呼ぶ」ということがどんなことか分かっているのか。

・警察が入って検視になる。
・警察も無駄な労力を使う。
・主治医を無視している。

もし息があって、病院に搬送されても、搬送先の病院も「看取り搬送」は困るだろう。
患者さんの希望や家族の意向より、どこまでも法人の利益が優先する人たち。

介護施設経営者やそこのケアマネは「患者さんの命は自分たちが左右できる」と信じている。
在宅医や主治医の存在はむしろ邪魔なので、連絡しないでどこか見えない所へ送るのだ。

みなさん。
いくら立派に見えてもそんな施設が沢山ある。

もちろん看取りをしない在宅医も沢山いる。
少しややこしくなれば全て「救急車呼んで」。

最期まで寄りそうのが、在宅医療や施設在宅だと誰でも思うだろうが
まったくそうではなく、現実はシビアである。

国は介護施設の看取り数も届け出させて公表すべきだろう。
すべて救急病院に丸投げ、という施設は公表すべきだろう。

みなさまもこんな詐欺施設にくれぐれも騙されませんように。
そのためには普段からクチコミj情報を集めておくことです。


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この記事へのコメント

日本で一番豪華な億ション老人ホームのサンシティでも、「体調がお悪くなられたら、保健室に入居して頂きます。何ヶ月以上よくならない時は、それなりの医療施設に転院して頂きます」と、コンシェルジュが仰っていました。それなりの「医療施設」って、救急病院じゃないの?

Posted by 匿名 at 2016年11月09日 09:47 | 返信

なぜ死を嫌う施設があるのか、よくわからない。死は特別なことでもなく普通のことなのに。死を嫌う施設は、公表すべきではないでしょうか。そんな風に思います。

Posted by 社会福祉士河本健二 at 2016年11月09日 09:55 | 返信

私の勤め先のグループホームは看取りをやってますし、私自身、三年の間に夜勤明けや遅出明けに三名の方を看取りました。
でも、たまに転倒事故などで、新人さんが救急車を呼ぶことがありましたね。夜勤や祝日などで管理者や経営者に連絡がとれなかったら、主治医に連絡をするといるルールがよく説明されていなかったのです。
介護や医療の常識は一般常識とは異なることをどうかご理解くださり、ご指導をお願いします。

ちなみに、私の高齢者を身内に持つ親戚が自宅で急変した際、救急車を呼んだら、後で救急隊員からタクシーで行くべきだと言われたり、私自身、父親の危篤の時に延命のために呼吸器を付けると、後から簡単には外せなくなりますと、暗に延命を思いとどまるように言われたことがあり、地元、山口県山口市の医療・救急関係者にそのようなコンセンサスがあるように感じています。また、それも仕方のないことでしょう。
でも、そのようなコンセンサスは業界の常識ではあっても、一般社会で議論され、受け入れられたコンセンサスではありまんね。

Posted by 藤本九一郎 at 2016年11月09日 12:57 | 返信

藤本さんの
「介護や医療の常識は一般常識とは異なることをどうかご理解くださり・・・」

最近も、父が生活している介護施設の職員と話しました。
彼は、「自分もこの業界に居ながら恥ずかしいんですけどね『介護・医療の常識は世間の非常識』なんですよ」・・・

色んなことが、変化というか劣化しています。
最近、その介護施設の入居者保険の代理店から申込書が郵送されてきたのですが、
封筒が閉じられないまま(糊付けされないまま)、自宅のポストに入っていました。
誰でも中身を見れる状態です。
それこそ「開いた口がふさがらない」ほどあきれて怒る気力も出ない。

でも、マイナンバー通知書が、開封されたままマンション入り口の郵便受けに突っ込まれている映像が記憶に新しい。
「マイナンバーでさえ誰でも見れる状態で郵送されたのだから、保険の申込書が開封状態で郵送されても、どうってことないでしょ」という開き直り・・・

少なくともあと20年は生きるのだろうけど、日本という国がどうなっていくのか、すごく不安です。

アメリカも大変なことになっている。
ドランプの下では、日米同盟継続なら莫大な資金を要求されることでしょう。
ますます核武装へ向かいそうな予感。

Posted by 匿名 at 2016年11月09日 05:28 | 返信

施設での看取りの難しさを感じます

私どもの訪問看護ステーションも
有料老人ホーム入所の方のお看取りに関わらせていただきました

…実のところ
施設でのお看取りは 関わりたくないと思ってしまいました

一番の問題は
主治医の先生が お看取りする意思がなければ できません
まもなく、お迎えが来るかもしれないところで入院したらどうか…というお話を積極的にされる意味がわかりません

施設スタッフの技術アップも急務です
ご自宅でのお看取りの場合は
ご家族に何度も何度も繰り返し お伝えします
でも
施設スタッフさんは どうも 伝わりにくい…と感じてしまいます
病院死ではなく
施設お看取りという違いを出していかなくては病院と一緒になってしまいます
先日 施設看取りをさせていただいた方は
壁側にあったベッドをお部屋の真ん中に移動させて
ベッドの周りをご家族に囲んでいただきました

主体は ご本人 ご家族である…ということを忘れてはいけないですね

Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2016年11月09日 11:21 | 返信

老父が現在生活している介護施設は「看取ります」。私宅の主治医は訪問診療クリニックで24時間体制。施設職員はまず最初に主治医に連絡する。
-----ここまでは大丈夫みたい。------
問題はその後、なのだ。
話を詰めて根掘り葉掘り聞くと、主治医の判断で救急搬送もあり、という。
主治医さんには、私宅が日本尊厳死協会の会員であることも、侵襲を伴う医療行為を希望しないことも伝えてある。
しかし、「治せるはず」との予測で救急搬送されて「必死の救命処置」後、クダだらけになって生きながらえるパターン・・・
「治せる症状は治すのが人道」とか「医療を受ければ治るのに放置できない」とみんなが言う。
「治せた=死ななかった」が、クダなしでは生きれない。・・・
本人が一番嫌がっていた「生」を生きなければならなくなる。

誰もが自分の責任を回避しようとして、誰もが人道を重んじると、
生きているヒトではなく「管につながれて死んでないヒト」が増える。

Posted by 匿名 at 2016年11月11日 04:37 | 返信

群馬の田舎医者です。在宅主治医の携帯の登録名を「119」としとくのがよいな。

Posted by おの at 2016年11月17日 01:37 | 返信

どちらかと言うと逆だと思います。
施設は看取りをしたい、出来る体制を整えたい。
病院、医師は。わざわざ施設に行きたくない。連れてきてくれ。
看取りが重要なこと、
ベット数等の統計的な事も、
実際は10年以上前から、介護保険体制前から
分かっていた事。
しかし、医療がそれを進めれず、新規の介護事業に投げる。
それと同時に、ヒューマニステックな語りで『尊厳』をそこに入れ込む。
昔から大切だったはずの『尊厳』『終の棲家』が今になり歩き出す。
そでも、昔から分かっていた事。
介護が叫ばれる前から、医療で分かっていた事。
しかし、守らなければならない大切な事は確かにある。
皆で守るべきものが。
垣根を越えて。

Posted by すみません at 2016年11月17日 01:45 | 返信

私は特養の管理者をしています。入所定員数に対してここ数年は毎年3~4割の方が亡くなり、施設看取りの対応はその中で3割前後の方に対してしております。
 
さて、先生の主張を拝見していて疑問に思うのですが、すべてのかかりつけ医が365日24時間対応をとれるとは限らない、という点を無視されているように感じます。実際に、現場にいますと医師が現場に来れないときがままあります。それに、以前先生も台湾に視察に行かれた際でしたか、ブログにて「かかりつけ医の365日24時間対応がむずかしい」ことを踏まえて対処している台湾の仕組みは日本より優れている、と書かれていたように記憶しています。
 
また、周囲の無理解が警察沙汰に至っている、という現実もあります。当方が担当している特養は提携医療機関が2次医療圏の中核病院ですが、実際に看取りの合意がなされていても、当番医が「病院から警察に通報」という逸脱した行為を連発されたことがあります。また「診察をしたことがないから死亡診断書を書けない!」というケースもあります。例えば男性と産婦人科医・入所者と小児科医、などという場合はどうでしょうか。ただ、カルテを見れば対応はできると思うのですが・・・
 
それに、「平成26年2月 消防救第36号通知」によれば、現場で死後硬直まで確認できた時に警察に連絡、と書かれていますので、福祉施設が救急搬送を選択したとしても、一般論として死後硬直を認めるまで施設側が気付かないことは想定しづらく、そもそも論として福祉施設に警察が介入すること自体がおかしいのではないでしょうか。ただ、現実として「いきなり消防署から警察署に連絡」ということがよくあるかと思います。その結果が「救急車よりパトカーが先に来た」といったところでしょうか。
 
まずは、警察沙汰にするにしても現場を確認してから、というのを徹底させること(特に消防)が先決だと考えます。その辺の見解をお聞きしたく昨年12月、先生に対してfbのメールにて添付資料を添えて質問をさしあげましたが、未だ未開封です。おそらく、見落とされていると思いますので、確認して頂ければ幸いです。

Posted by 以前質問をさしあげたものです。 at 2016年11月18日 05:34 | 返信

サンシティの事なのですけど、あるお年寄りと話をしたらその人は友人達と一緒に説明会の参加したら「サンシティでは看取りを行います」と言う説明だったそうです。
私は見学会のある日に、一人で予約なしで、ジーパンにティシャツにジャンパーといういで立ちでバイクで見学に行きました。私の方から「看取りをしていただけるのですね?」とお伺いしたわけでは無いのに、「ケアルーム」の見学と「病気になったら、このケアルームに入って頂いて、病気の状態によっては施設外の医療機関に移って頂きます」との説明をされたので、驚いて強く印象に残っています。当時私はケアマネジャーの資格を持っていましたので、もしかして知り合いに「サンシティに入居したらどれくらい費用が掛かるの?」と聞かれたら、話題として参考になると思って見学に行ったのですけど「入居したいお金持ちの見学者」とは見られず、へルパー就職の希望者と見られて、(看取りはしないから楽なお仕事ですよ)という説明だったのかもしれません。ケアルームは見せて頂きましたけれど居室は見せて頂けませんでした。サンシティに対して悪気があるわけではありませんし、どこのサンシティかは申し上げられません。

Posted by 匿名 at 2016年11月19日 02:27 | 返信

特養の管理者さんへ、素人が横からおせっかいなコメントします。

http://blog.drnagao.com/2016/11/post-5503.html#comment-16511
上記は平成27年度版死亡診断書(死体検案書)記入マニュアルのリンクです。
4ページにどちらを使うか判断基準が書いてあり、
5ページに、医師法20条、21条について説明があります。
かかりつけ医ではなくても死体検案書は書けます。
かかりつけ医は死亡に立ち会っていなくても、死体に異状が無ければ死亡診断書が書けます。継続診療以外の死因であった場合は死体検案書です。異状を認めて警察に連絡するのは死亡後24時間以内ではなく死後診察を終えてから24時間以内です。
かかりつけ医は死亡時刻から逆算して24時間前以内に診察していれば、異状が無い限り改めて死後診察しなくても死亡診断書を書けます。(死亡後24時間以内ではなく死亡前。)

異状死とは何かというのがめんどくさいみたいです。14ページに掲載されているように、「疾病による死亡および年齢、老化による自然死」以外は異状死になる(らしい)ので、かかりつけ医でない医師にとっては、異状死なのか否かの判断を付けなければならないので、死亡に関わりたくないのでしょう。また、死亡について勉強していない医師が多いのだと思います。
特養の管理者さんが医師や病院とよく話し合って、教えて差し上げればいかがですか? 長尾先生の著書を皆さんで回し読みなさったらよろしいかと存じます。

安心して死ねる特養を作ってくださればうれしいです。

Posted by 匿名 at 2016年11月19日 04:18 | 返信

申し訳ございませんが、認識がちょっとずれているように感じましたので補足を。
 
「すべてのかかりつけ医が365日24時間対応する」ことは難しい、はずです。そのようなときに、現場から搬送をせざるを得ない、という想定はあってもしかるべきかと。例えば在宅で老老介護のようなマンパワーが不足した状態、福祉施設で家族が立ち会っていないので了承がとれない、そのようなときに「救急搬送」という選択肢を選ばざるを得ない、という状況です。
 
実際にあった事例を示してみます。私が管理している施設がある2次医療圏は、ベッドがある医療機関は1つだけ、他はすべて無床の診療所。しかも個人開業医は眼科が1箇所あるのみ、という状況です。嘱託医契約で無床の診療所と契約しているところもそれなりにあります。そのような状況で、実際に年末年始の時に医療や家族間でも看取りの合意済みの方がお亡くなりになった、しかし肝心の担当医が不在、ということがありました。担当医と電話連絡し、他医療機関(この場合は病院です)に根回しをしていただきました。ただ、死亡診断書を作成するにあたり条件を出されました、「うちも年末年始で手薄なので、病院まで運んできてほしい」と。たまたま、この場合は家族が立ち会っていましたので、了承を得たうえで施設の車両で搬送をしました。
 
さて、この場合、家族が立ち会っていなかったら、どうしますか?という問いです。救急搬送を選択するのではないでしょうか?施設側が疑われても困りますので。そのとき、心肺停止と説明を受けているから、といって現場も確認せずに「消防署から警察署に通報する」という動きを取る地域が相当数あるのです。しかし、このケースを医療の怠慢と言い切っていいものでしょうか。
 
私は、終末期の問題は医療の問題でも福祉の問題でもなく、警察と(特に)消防の問題である、と提起をしています。厚生労働省は当然理解できていましたが、警察庁や消防庁もやっと認識を持ちはじめたところです。その経緯がある前提でコメントをいれた、と理解していただければ幸いです。

特養の管理者です。から匿名への返信 at 2016年11月19日 12:36 | 返信

特養の管理者さんへ、素人が横からおせっかいなコメントした者です。
今、長尾ブログを見て気づいたのですが、リンクを間違えました。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/manual/dl/manual_h27.pdf
が、27年度版、
http://www.mhlw.go.jp/toukei/manual/dl/manual_h28.pdf
が、28年度版です。
失礼しました。

Posted by 匿名 at 2016年11月19日 07:21 | 返信

特養の管理者さんへ、またおせっかいコメントします。(掲載するか否かはブログ主催者の長尾先生がお決めになることですので。)
要点は、
「・・・この場合は家族が立ち会っていましたので、了承を得たうえで施設の車両で搬送をしました。
 さて、この場合、家族が立ち会っていなかったら、どうしますか?という問いです。救急搬送を選択するのではないでしょうか?施設側が疑われても困りますので。・・・」
という箇所です。
素人の私が感じる疑問点は、
「家族が立ち会っていなかったら救急車」についてです。
立ち会っていなくても家族には連絡がつくのではないでしょうか。
立ち会っていなかった家族が納得の上で施設の車両で死亡診断書(主治医ではないので死体検案書)を書いてくれる病院へ運ぶことはできませんか?
もし、死亡時に立ち会っていなかった家族が(電話連絡で)死亡を知った時に、施設の車両で病院へ運ぶことを拒否して救急車にしてほしい、と言うのなら、家族の言に従うしかないのでしょう。けれどもその場合に、救急搬送を依頼すると救急車が来なくて警察が来る地域がある、というお話なのですね。
(私には、家族がなぜ救急搬送を希望するのかわかりません。まだ死んでいない、救命処置を希望するから救急搬送してくれ、ということなら理解できます。)
まず、「死亡」と「心肺停止状態」とは異なりますよね。
心肺停止状態というのは人工呼吸や心臓マッサージなど、迅速な救命措置が施されれば「命が助かる」可能性がある、この状態で救急車を呼ぶと「普通は」救命士が必死で救命処置をする。しかし、人工呼吸などでは特に老人の場合は肋骨が折れる場合もある。手遅れになると脳死状態になる危険が高い。
だから、高齢者しかも要介護度が高い入所者の特養から「心肺停止」と119番要請を受けると救急搬送する側は、「死亡」と認識して警察に連絡する担当者も存在するのでしょうね。でもこれは確かに間違ってますよね。「心肺停止」というのは、完全に死んではいないわけですから。
と同時に、「死亡確認をするために事前に予約してある病院」へ運ぶために救急車を利用する、という発想も間違っていますよね。なぜかというと、救急車は救命処置をするために来てもらうのですから。

今、ふと、私宅の場合はどうなるのか、と考えました。
超高齢者の父は、特定施設入居者生活介護付きサ高住で生活していて、そこは看取りまでお世話くださる(ハズ)です。24時間365日体制の在宅訪問診療クリニックが主治医です。主治医はクリニックなので複数の医師がいますが、もし、父の死亡時にクリニックの医師全員がケガや病気で何日も動けない状態だったら、・・・たぶん、そのクリニックの関係者が他の医師を探してくれると思います、しかし、それがうまくいかない場合、近隣にいくつも病院があるので、そこへ施設の車で運んでもらうと思います。・・・さらに施設の車がすべてエンコしていて使えなかったら・・・私宅は大都会近郊ですので、そういった緊急搬送業者に問い合わせればおそらく病院までは運ぶと思います。たぶんバカ高い料金でしょうけど。
私宅はやはり、救急搬送しないと思います。私宅は、90歳近い本人自身が「あらゆる救命処置をして命を助けてほしい」とは考えていませんので。

こうして考えてみると、医師の少ない過疎地の老人介護施設は看取り体制を整えるのが困難なのですね。だから死亡確認するために救急車を使いたい、ということなのですね。でもそれは逆説的に考えると、過疎地だから救急車も少ないわけで。その少ない救急車を死亡確認搬送に使いたくない、だから警察に回す、という発想も理解できます。

これは、警察と消防の問題、というよりも、医師が少ない地域での死亡確認をどうするか、という問題だと思います。
特養の管理人さんへ感謝です。
いろいろ勉強になりました。もし、父が長生きし過ぎてお金が足りなくなったら、ずっと田舎に行けばリーズナブルな介護施設があるのでなんとかなる、と考えていましたが、医師が少ない過疎地の介護施設で死亡すると、救急搬送あるいは警察が来る、というのが現実なのだということがわかりました。なんとか方策を立てないと・・・

Posted by 匿名 at 2016年11月20日 04:26 | 返信

単純に「家族から疑われたらシャレにならない」ので、家族が立ち会っていない場合は、救急搬送の選択に追い込まれる選択肢もあるのでは?ということです。

特養の管理者ですから匿名への返信 at 2016年11月20日 09:02 | 返信

それと「救急車は救命処置をするために来てもらうのですから」という認識は既に古い、と当方は考えています。
 
当方はずっと疑問に感じていますが、これをみている方々は、「http://www.asahi.com/articles/ASJ4756DPJ47PLBJ001.html」を知っているのでしょうか・・・
 
これが本当ならば、日本臨床救急医学会は本年度中に救急隊の組成中止の指針を作成するはずです。
 
作成されれば、
①現場に救急隊員が赴いたとき
②家族(施設職員)が事情を伝え
③主治医に確認がとれたら、蘇生をしない
 
となります。その場合、現場も確認せずに「消防署から警察署に通報」はできないはずです。

それを踏まえて、順番をひっくり返せば「医師が現場に来れないから消防署に看取り搬送をさせる」も可能になるかと考えます。もっとも、医療・警察・消防の相互理解が必須ですが。
 
さて、ここに投稿をして、リアルタイムで反映しないので、検閲が入るのは理解できました。長尾先生、申し訳ございませんが当方のfbからの質問、いい加減開封していただけませんか・・・

特養の管理者ですから匿名への返信 at 2016年11月20日 09:16 | 返信

全国共通の、すごくわかりやすい事例を提示しましょう。
 
ここを見ている人達なら、金子哲雄「僕の死に方」を読んだことがある人はいるはずです。「あとがき」のところをみてください。これを書いたのは奥様です。つまり、金子哲雄氏の死後の話です。その中で「死んでも救急車を呼んではいけない」と口酸っぱくいわれていた、というくだりがあります。
 
本の中ではサラリと看護師経由で主治医とつながり、死亡診断書をかいていただいた、とありますが・・・本の中では、心肺停止は深夜とのこと。そして、主治医の診療機関を検索しますと当時は「個人開業医」とでました。
 
さて、当方は、この場合、主治医と連絡取れなかったらどうするの?と問うているわけです。
 
疲れて寝ていたら?出張や旅行中ですぐにはいけない、そういうことを想定しているのか?ということです。それを無理解な警察や消防は「医者の怠慢!」といいがちです。それでいいのですか??私は医者ではありませんが、どれだけ大変か理解をしているつもりです。普段の仕事も、免許取得がどれだけ大変かも。そこまで踏まえての、「終末期の問題は警察と消防の問題」と提起しているところです。真意はこの時代、どこかに押し付けるのではなく、みんなで分かち合わないと、押しつけられた側が疲弊することで社会が崩壊するのでは?という懸念です。
 
以前から気になっていたのですが、この手の問題は「見えている範囲で話している」きらいが強いように感じています。もう少し、それぞれが法律に沿って動いている、しかしそのくせ理解をしていない、という見地で切り込んだほうが改善になると思うのですが・・・

特養の管理者ですから匿名への返信 at 2016年11月20日 09:37 | 返信

かねてから懸案していた思いをコメントなされた、"特養の管理者"様は誠意ある管理者さんで
いらっしゃると伝わりました。警察が特養に介入してくる事案に辟易していらっしゃる心中を
長尾先生に訴えておられ、コメントに挙げたのは一例にすぎず、志とは違って、思うようには
施設看取りがなされ得ない、ジレンマを抱えておられるのが読めました。
施設には記録が仔細に残されていると思うので、そうそう気安く警察が介入しないで済むような
理解が得られる世の中になれば、施設の平穏も保てるように思います。
要は施設側と利用者家族の信頼関係と、事前の仔細な合意(打ち合わせ)が求められている、とも
読めました。施設は入所者個々の事情を鑑みながらも、施設全体の平静も維持することが求め
られると思うので、物々しい警察の介入には頭を抱えてしまう、というお悩みが理解できます。

Posted by もも at 2016年11月20日 11:32 | 返信

私の母は、在宅で療養していましたが、私が買物に居ている間に人事不省になりました。
遠くの学会に出席している主治医に携帯で相談して消防署に電話したら「救急車が行くまで人工呼吸をしていてください。門扉と玄関の扉は明けておいてください」と言われて「生き還るかもしれない」という希望で一生懸命人工呼吸をしました。6~7人消防署から救急救命士が来てくれて、母を寝袋だか死体袋だかわからない物に入れて救急車で病院に運んでくれました。病院でお医者さんに「心肺停止」と診断され、「警察で検視をする」と言われたので「是非警察で検視をして下さい」とお願いしました。すると30分か一時間くらいして「CTスキャンで撮ったら、胸部大動脈解離で心タンポナーデであることがハッキリ出た。こんなにハッキリ出るとは思わなかった。」と仰って下さいました。
葬式も済んでヤレやれと思っていたら、近所の不動産屋が来て「あんたの家も事故物件や。買い客が来て,この家のどの部屋で死んだと聞いて買う気がするか、考えたらわかるやろ」と言ったので、消防署に行って聞いてみました。
私が「救急車は患者が死んでいる時は乗せられませんよね?」と聞いたら「私達消防士は患者さんが死んでいるのか生きているのかは判断できません。でも心肺停止から24時間以上経つと死後硬直が出ますので、死んでいると判断して救急車には乗せず、警察に連絡させて頂きます。明らかに他殺と思われる場合も警察に連絡します」とのことでした。
「死亡診断書に、何時何分に死亡したか、何処で死亡したかが記録されています。それで事故物件かどうか考えて下さいとかしか申し上げられません」と仰って下さいました。
近所の人達と「家族が死んでも、絶対に死んだと言わないようにしないと、不動産屋に事故物件だなんていわれるから怖いねえ」と話し合いました。
そういえば近所の奥さんがゴミの出す日を間違えるくらいの物忘れがあっただけなのに、精神病院にいれてしまったご主人がいます。どこの病院かも教えないので、近所の仲が良かった奥さん仲間も呆れています。
何だか殺伐とした世相になってきました。
施設介護とは、関係ない話ですみません。

Posted by 匿名 at 2016年11月22日 07:15 | 返信

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