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新人医師との24時間

2016年11月09日(水)

昨日、今日と今月入職したばかりの新人医師とずっと一緒にいて教えていた。
連日、朝から深夜までピッタリくっついて、計24時間以上教えに教えていた。
人を教えることは普段の3~4倍のエネルギーを要するのでクタクタになる。
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7人目の常勤医は28歳。

なんと私の歳の半分以下。

いい男だ。

私もついこの間までこの先生のように若かったのに・・・

面白いのは、どこに行っても、在宅患者さんの視線は28歳の方に向き、
「あ!息子さん?」と聞くことである。

何度も聞かれるうちに「そうなんです」なんて答えると、みんな笑顔になる。
私はそう変わらないつもりでも、年齢差はちゃんと分かるんだ。

昨日、本日と、新人医師と一緒に沢山の家を訪問した。
行く家それぞれに、いろんな認知症の人がおられた。

全員が笑顔!

しかしいつから笑顔なのかな、と家族と一緒に振りかえってみると、
私が何人目かの主治医になってからであることに気がついた。

レビー小体型認知症にアリセプトを10mg飲まされて寝たきりになった人や
ピック病にこれまたアリセプト10mgを飲まされて、措置入院された人などなど。

また、認知症で有名なある精神病院は凄い。
認知症予備軍にアリセプト10mgを出して暴れさせた揚句に措置入院させる。

それで寝たきりにして在宅医療になる。
専門医や精神病院受診自体が、寝たきりを造っている。

しかもその当事者たちが、自分が病気を造っていることに気がついていない。
極めてタチの悪い犯罪、であると思う。

まるで自作自演のドラマであるが、認知症専門の施設からの誤投薬で
寝たきり、在宅になった人がこれだけ多いのだ、ととても勉強になった。

今日の昼休みの白熱教室ではこれまた認知症の講義をした。
今の教科書を全面的に書き換えないと、認知症医療に将来は無いと思う。

生の声を訊け!

専門家を信じるな!

専門家と逆のことをしたら上手くいく!

なんて過激な表現を使わないと医者の洗脳を説くのは難しい。

そう言いながら訪れた家では、前の主治医からの紹介状が手渡された。

「易怒性、言葉が理解できない、拒否、不潔・・・」が目立つ認知症とのこと。
しかしそれらを見ただけで、ピック病であると分かるのだが。

「果たして定期投薬は?」と紹介状の2枚目をめくると
処方の欄の最初に「アリセプト5mg」と書いてあった。

ああ、ああ、ああ・・・

これが専門家??

ピック病にアリセプトは禁忌であることしら知らない専門家しかいないのが現状。
やめると案の定、別人のように穏やかになり、認知機能もグングンアップしてきた。

まさに拙書「認知症の薬をやめると認知症が良くなる人がいるって本当ですか?」
のタイトルどおりの人を10人以上見せられて、新人医師も少しづつ洗脳から覚めたか。

この国の認知症医療のために何ができるのか。
あまりにも酷い現実を若者と見ながら、やる気が湧いてきた。


結局、2日間で新人医師に計24時間も、話し続けた。
普段話す量の、数倍は多い。

でも下町の診療所に20歳台で就職してくれた勇気に感謝感激。
それが嬉しくて、ついつい力が入りすぎてしまった。

家に帰ったらかつて経験したことが無いような疲れで、動けなくなった。
でも、なんだか嬉しい。

明日から2泊3日で青森講演だ。
天気予報では雪だというが、誰か来てくれるだろう。

来なければ、カラオケボックスで、山下達郎の『クリスマスイブ」でも歌ってやる。
今日は介護認定審査会と産業医業務、そして外来と在宅など。

頑張るぞ!

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この記事へのコメント

新人医師さんとの24時間 ・・・・・・ を読んで


長尾クリニックに28歳の新人医師さんが加わっ
てくれた ・・・・・ との情報を大変嬉しく読ませて
戴きました。

今の日本の医療界を是正して行くには、第2・
第3の長尾先生が是非とも必要 ・・・・・ と、いつ
も思っています。

今回の長尾先生のブログに・・・・・

『認知症で有名なある精神病院は凄い。認知症
予備軍にアリセプト10mgを処方して暴れさ
せた揚句に措置入院させる。
まるで自作自演のドラマであるが、認知症専門
の施設からの誤投薬で寝たきり、在宅になった
人がこれだけ多いのだと、とても勉強になった。』

と記述されていますが、とんでもないことだと
思います。

特に男性(患者さん)に多いと思いますが、アリ
セプト錠を処方されて、易怒性が出現して、精神
病院に措置入院させられたとしたら、以前このブ
ログで “日本の精神病院への入院期間は平均でも
9年以上に亘ると” と説明されていましたように、
とても怖いことが現実にあちこちで起こっています。

長尾先生が現在診られている患者さんは、たまたま
運良く精神病院への長期措置入院を免れた例だと
思いますが、ひとつ間違えれば今も精神病院に入院
中だったと危惧されます。

近い将来、その惨禍が私自身に降りかかってこない
とも限らない ・・・・・・ と、強い恐怖感を感じながら
日々を過ごしています。

長尾先生、 『 ・・・・・、とても勉強になった!』など
と、呑気なことを言っている場面ではありません。

無垢の人の人生を台無しにするような ・・・・・、或いは
日本を “収容所列島〔措置入院列島〕” とするような、
間違った医療行為が横行している現状を、是非とも是正
して戴きたいと心より祈念(期待)しています。

そのためにも、第2・第3 ・・・・・・、第4 の長尾医師の
出現が待望されます。

長尾先生の盟友の育成を急いで戴きたいと希望しています。
よろしくお願いいたします。

Posted by 小林 文夫 at 2016年11月09日 02:03 | 返信

おつかれさまでした。
医師を作る
職人を作る
前に人間を作るのに大変ですね。

Posted by 尾崎 友宏 at 2016年11月09日 02:04 | 返信

ピックの方が、海馬の萎縮が高度だからです。
現在の認知症専門医は、ピックの症状を十分理解していません。
ピックの一部とアルツハイマーで、症状(おかしな言動)は非常に似通っているケースがいます。
海馬の萎縮は、ピックの方が早期から目立ちます。
両者を区別するには、長谷川式やMMSEなどで遅延再生の良否を確認すれば容易なのですが、それも知らない専門医が多い。
私は、認知症に関わり始めてから30年目に入ります。今まで見てきたケースの大半がLPCです。
本人から幻視についての話を聞いたのは、せいぜい数%以下ですが、前頭葉症状の持ち主はたくさん見ました。
最近はレビーと思っても、前頭葉症状を併せ持つLPCが非常に多いです。
当たり前ですが、最初に認知症の診療を始めた精神病院では、アルツハイマーは若年性しか居ませんでした。訪問をやっていますが、訪問している方々にもアルツハイマーは、ほとんど居ません。
介護者に時々アルツハイマーの方が居ますが、これを見落とすとえらい事に成ります。アルツハイマーの方は、記憶の錯誤があり誤った情報を提供してくれますので・・・・。

私は、紹介状にアルツハイマーと書いてあると、ピックを考えて初診に臨みます。
大半は、LPCです。
レビーは知られてきましたが、まだレビーの1割程度しか診断できていないですね。

Posted by 小関 洋 at 2016年11月09日 07:52 | 返信

妄想妄言、時代錯誤、記憶の錯誤、海馬の萎縮、遅延再生、などなど、日本の政治家が呈している症状ではないかしら。
「感情の不安定」も。
誰だったか追及されて泣き出した議員がいましたよ。

私の父は政治家ではありません(でした)が、これらの症状を呈しています、が、認知症診断は受けていません。
介護施設に居ますが、在宅医師が定期的に訪問診療してくださっています。
私と父は、たとえ認知症だとしても、自傷他害の恐れが無い限り服薬する意思は無い、ことを明言しています。
その在宅医師は、私と父の意思を尊重しています。

もし、愚かな家族が愚かな医師に受診させると、何らかの病名がつくでしょう。医師によっては、服薬を強要するでしょう。服薬させないのは医療ネグレクトだと、家族を責める阿呆な医師もいます。

父は、介護施設で自分で車いすを操作して移動し自分で刻み食を食べています。
風呂も、浴槽へ移動する時など介助いただいていますが楽しみにして入っています。
家族に対しては妄想妄言、時代錯誤、記憶の錯誤、頑固などの症状が強いです。幻視もあるようですが、「年をとると見えないものが見えるらしいよ。気にしないで。」というと「そうやな。」で終わりです。

父は、特に問題なく施設で生活しています。
介護スタッフは家族ではないので、彼ら「他所(よそ)の人」に対しては「わがまま」を自制できています。

父の記憶の混乱は進行していると思います。しかし、介護は受けていますが特に問題なく生活できる老人を、認知症患者に仕立て上げる必要があるのでしょうか?
介護は受けていますが、特に問題なく生活できる老人に、薬物を服用させる必要が、どこにあるのでしょうか?

それとも、認知症だから要介護なのですか? 
「介護を受けている人は認知症なのだ」「認知症だから要介護なんでしょ。」
・・・最近、何人か、このような認識を持っている人たちに出会って、え?、いつからそうなったの? と不思議に思いました。

どんどん「病気の範囲」が広がっていく。
というか、「病気の範囲」を広げようとしている少なからぬ勢力が存在する、病気でつぶれていく日本。

Posted by 匿名 at 2016年11月09日 01:45 | 返信

親子程の年の差、お弟子さんの入職は嬉しいことと理解できます。
長尾先生の発信が、徐々に結実していく様子を御承知の28歳様ですから、
さ程の言葉は要らないかも知れません。技術的・専門知識(独自ノウハウ)を
教えたい一心の長尾先生が目に浮かぶようです。
長尾クリニック規模を改めて気にしてみると、とても "街医者" 規模では
ありません。数年後にはグループ法人に進化なさるのかな..。
ファッション(洋服)の流行も時代を経てから後に、再びの流行が訪れたりする
変遷があります。医療もそうですし、何事も過去への時代回帰のように、
少しずつ戻る必要性に、自然と迫られている気がします。
"人の心" を呼び戻す作業、次の世代へ引き継ぐ作業...に、心している場面が
密かに、そこかしこにあります。それを求めて下さる若者の存在が嬉しいです。

Posted by もも at 2016年11月09日 06:36 | 返信

若い先生が 在宅医の先生になってくださって 本当にうれしく思います

在宅医こそ お若い先生だと思います
24時間、いつでも対応してくださる先生は 専門分野の先生ではなく
総合的に診てくださる先生…
人間を丸ごと知ってくださろうとしている先生…
家族のことも気にかけてくださる先生…です

全国に
たくさんの在宅をやってくださる先生が増えますように…

Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2016年11月09日 10:54 | 返信

こんばんは。
2人の優秀な新人さんのご指導お疲れ様でした。

2人の成長が楽しみですね。

お疲れ様でした。

Posted by 匿名 at 2016年11月09日 11:39 | 返信

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