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セロトニン顔
2016年11月17日(木)
産経新聞連載・歩行シリーズ第二回は”セロトニン顔”について書いた。→こちら
70歳になっても、80歳になっても、爽やかな”セロトニン顔”の人がいる。
自分自身もいつかはセロトニン顔になりたいと願い、もう少し歩いてみよう。
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自分自身もいつかはセロトニン顔になりたいと願い、もう少し歩いてみよう。
産経新聞・歩行シリーズ第二回 セロトニン顔
歩くと脳が喜ぶ理由
「毎日少しずつ歩きませんか」と言うと、「そんな辛いことはできません」と言う人がおられます。果たして歩くことは辛いことでしょうか?確かに睡眠不足の上、重い荷物を持って雨の中、坂道を登れば苦行かもしれません。しかし秋晴れの下、よく寝たあとに公園や川辺を手ぶらで歩けば誰でも楽しい気分になるでしょう。最初はそうではなくても、歩くうちに徐々に幸せな気分になるはずです。
マラソンランナーは走っているうちに幸せな気分になり「ずっと走っていたい」と願うといいます。「ランナーズハイ」という言葉がありますが、実はウオーキングでも同様にハイな気分になります。脳科学的にはこうした変化は「セロトニン」という幸せを感じる脳内ホルモンが増えるからだと言われています。毎日1万歩も歩いている人はみなさん、見るからに穏やかで幸せそうなお顔をされています。それらは「セロトニン顔」と呼ばれます。毎日の歩行を続けている人はみな「幸せ顔」なので一目見ただけで分かります。
実は歩くことは決して苦行ではなくて幸せになります。歩くと脳が喜ぶのです。だから軽いうつ病やうつ傾向の方には毎日歩くことをお勧めします。たったそれだけで抗うつ剤が減量ないし中止できたり、うつ病自体が完治した人を沢山見てきました。セロトニンを出させる薬剤(SSRI)より歩行でセロトニンを出すことこそが真の治療でしょう。うつ病の人は不眠を訴えますが、歩くことで適度に疲れて良質な睡眠が得られます。午前中に歩けば体内時計がリセットされて自然と日内リズムも整います。
歩く効用はほかにも沢山あります。歩くと腸の働きが良くなり便秘が解消します。下剤に頼っている人こそ歩いて欲しいのですが皮肉なもので便秘の人はなかなか歩いてくれないのが現実です。便秘になると今話題の腸内細菌、腸内フローラが悪玉菌優位になります。腸内環境の悪化は腸から出る消化管ホルモンにも大きく影響します。実はセロトニンの多くは腸管壁でも造られています。このように腸と脳が密接に関連していることが最近分かってきました。まだ実験段階ですが、糞便移植をすると腸の病気だけでなくセロトニンなどの消化管ホルモンを介して性格まで変わるのかもしれませんね。もちろんセロトニン以外の多くの消化管ホルモンも脳に大きく関わっています。
以前、「腸は脳より上位である」と書きましたが、かつては腸と脳は別物であると考えられていました。たしかに病院に行くと消化器内科と脳外科は別の科で、両者はなんの関係も無いように見えます。しかし両者が強く関係していることを知って下さい。そもそも地球上に最初に多細胞生物が出現したのは40億年前で、動物に進化したのは5億年前。そして最初に生まれた器官は「腸」でした。今でもヒドラやイソギンチャクなどの腔腸動物は脳や心臓を持たず腸しか存在しません。その腸を歩行が変えるという話です。
歩行習慣は脳内ホルモンのバランスも改善するだけでなく自律神経のバランスも改善します。血圧が不安定な方や立ちくらみ(起立性低血圧)に悩む人もお薬より歩行なのです。将来の転倒予防のためにも歩けるうちは歩きましょう。上手に歩くほど脳は喜ぶのです。
キーワード うつ病
仕事や家庭のストレスが大きくなると意欲が低下しうつ病に陥る。脳内のセロトニンやノルアドレナミンが不足すると情報伝達がうまくいかず不眠になる。真面目で仕事熱心、几帳面で完璧主義の人が落ち入り易い。
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この記事へのコメント
しんどい時ほど笑顔が大事かなあ。そんな風に思いながら今日も多問題相談に体当たり。
Posted by 社会福祉士河本健二 at 2016年11月17日 05:40 | 返信
どんなに難しい表情をしている人でも、ふとした瞬間に見せるセロトニン顔があるのでは
ないでしょうか。ずーっと絶え間なく、しかめっ面な人は病気かも知れません。
営業に長けた実力の持ち主は、内心密かに「落としてみせる!」と相手のセロトニン顔を引き出す
ための努力を惜しまないようです。それはイコール、心を通わせた証拠になるのでしょう。
運動や娯楽、美味しいものを食べる等、人各々にセロトニンを発し易いシチュエーションは
色々あると思いますが、人とマジクルことによって、芯からの 楽・笑・幸・喜 などのセロトニン
状態が生まれ易いという実際があると思います。
人生の一時に、自分が熱中できる何かを見つけて、その時に話題を共有できる人を見つけておく
という準備があると、人生が楽しく充実するかのも知れません。
幼い時、若い時に偶然にも、そのような経験ができると、マジクル良さが分かり易いかも知れません。
中年になった自分では、そのタイミングを努力なしでは見つけられないけれど。
Posted by もも at 2016年11月17日 10:53 | 返信
お坊さんを意識するようになったのは、長尾ブログの影響もあるのか否かは分かりませんが、
セロトニン状態、というのは仏門に入られた方にとっては、それは "煩悩" と呼ぶのでしょうか。
人生の苦難が訪れた時に、崖ッぷち、を感じてしまった時に、仏の道を志すことを決意するのは
セロトニン状態との決別を意志とするのでしょうか。
けれど、尊敬できる僧侶さんは、柔和なお顔をしていらして、それこそ、いつもセロトニン顔
に見えます。極限を経験してこその、幸を湛えていらっしゃるのでしょうか。
Posted by もも at 2016年11月17日 11:16 | 返信
セロトニンは、多様な作用があり、またその作用が複雑であり、単純に増やせば良いと言うものでは無いと思う。不足の症状は、よく知られている。代表はうつ病ですら。
レビー小体病では、抑うつ症状よく見られる症状であるが、セロトニンは過剰な傾向にある事は、あまり知られていない。特定の事柄に異常にとらわれ、激しい衝動を伴う状態が、レビーやピックでよく見られるが、私の経験では、これはセロトニン過剰で起こると考えられる。うつ病の治療でセロトニンを増やしすぎると、自殺念慮が高まり治療ねより自殺が増える可能性があると、私は考えている。精神科医は増えるのは否定的であるが、そのエビデンスは抗鬱剤の発売メーカーの意向が反映されている可能性が否定できない。
セロトニンは、痛みの伝達にも密接に関与している事は、最近分かってきたことである。セロトニン不足だと慢性の弱い痛みを、強く感じると考えられる。うつ病に伴い身体的な訴えが増えるのは、この為と言われている。心気症と言う強い痛みを訴える状態がある。身体的に痛みの原因が見られないが、本人は痛みを感じているとされている。訴え方が激しいことが多いので、ヒステリーと言われることがある。これが、セロトニン過剰で起こると考えられるのである。
セロトニン過剰で、不安などの心理的なストレスが高まる事はセロトニン症候群として知られているが、この事を理解していない精神科医が少なく無いと思う。
私は、セロトニンの働きを強く抑制してくれるニューレプチルを、認知症の方に使用し始めて30年になるが、この経験から前記のような考えに至った。現在でも認知症の治療の中心をなす薬剤である。クロルプロマジンより頼りになる面がある薬剤である。
Posted by 小関 洋 at 2016年11月18日 06:37 | 返信
「歩くことの効用」。廃車し免許返納した身に染みます。
くわえて、「歩けば歩くほど、ひざを痛める」人も、
「すでにひざを痛めている」年寄りも、多い。
ですから、「歩けば歩くほど、ひざ周りが鍛えられ、痛みから解放される」やりかた、
「歩かずとも、同等の効果をあげる」やりかたも、工夫されていいように思います。
セロトニンの分泌は、脳3割、腹7割との説もあり、陽がふりそそぐ部屋のなかで、
脈拍動にあわせた、セロトニン・ヨーガ(浄化呼吸法)を1日60秒ほどやるという手もあり、
また、背骨(耳石)ゆらしで、「腹脳相関」「脳脊髄液循環」「筋膜ストレッチ」を、
「害老」と揶揄されるご同輩とともに、手にしたいものです。
Posted by 鍵山いさお at 2016年11月18日 01:58 | 返信
今思えば、人生最大の苦境に置かれた時期に、身体のあちらこちらが痛んでいました。
身体をサポートするウェアやバンド類などが、残骸のように残っています。
何かと思い当たる節がある不健康でしたが、セロトニン不足なのか過多であったのかは、
今となっては判りません。その当時は、そのまま痛みを抱えたまま、老後に突入するの
でしょうと、諦めの境地でした。...が 治りました。
気の迷いを払拭すること、睡眠と栄養が肝心だと思います。お金を掛けた策は失敗に終わります。
お蔭様で、いつの間にか、知らない間に痛みが無くなりました。骨や神経、時に内蔵に、問題が
なければ、大概の腰痛とか、首・肩の痛みは心気症的に当てはまるのではないでしょうか。
食生活の改善が大きいと思います。この分野は、図らずも自分自身では改善できなかったかも
知れません。駅への道程を走ることができるようになった自分を嬉しく思い、諸所に感謝です。
Posted by もも at 2016年11月18日 08:55 | 返信
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