このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com

まだ食べられるのに「食べさせない」

2017年01月04日(水)

現代医学は根本から間違っていることが多すぎる。
抗認知症薬の増量規定も5年後には笑い話だろう。
あるいは食支援を無視した、過剰な人工栄養もどうかしている。
2つの応援
クリックお願いします!
   →   人気ブログランキングへ    →   にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
 
 

いろんな病院から自宅に帰ってこられたというので、初回訪問となる。

退院前の情報では、「この認知症の人は食べられないので、胃ろうか高カロリー点滴
を強く勧めているが、強く拒否しているので看取り目的で紹介します」となっている。

これを聞いただけで、「嘘やろうなあ」と思うが、9割の確率で「嘘」である。

一回の嘔吐で救急車を呼んだばかりに、病院に監禁されてボケ老人の寝たきりにされて
次の病院、そして次の病院、とタライ回しにされた揚げ句に本人が家に帰る、と言い出す。

病院は、高カロリー輸液を勧める。
そのほうが診療点数が高いからだ。

そもそも本当に人工栄養をするのであれば、胃ろう、がいいに決まっている。
しかし現実には、鼻からチューブや高カロリー点滴を望む家族が多くて困る。

家族は「すべての人工栄養法を拒否して平穏死でも構わない」とはっきり言う。
病院の医師は、紹介状にそのまま書いてよこしてkれる。

訪問すると大きな声で話せるので驚く。
これだけで、「口からしっかり食べられるので人工栄養は不要だな」と分かる。

その場で食べさせるとパクパク食べ始める。
やはり思ったとおりだ・・・・

困ったことに、たくさんの薬を持たされて帰って来られる。
時には、10数種類の投薬は決して稀ではない。

しかもご丁寧にもすべて「一包化」されているので、頑張っても減らせない。
一包化ほど嫌なものはない。

そもそも「口から食べられない」人に、かくも大量の内服薬が出るのか意味f不明だ。
何種類もの降圧剤、胃薬、睡眠薬、そして最大量の抗認知症薬等が必ず入っている。

その病院もその前の病院でも、「食支援」は一切なされていなかった。
「もう食べられない」と勝手に決めつけて、一方的に人工栄養を勧められてきた。

それを拒否すると、シブシブいきなり「看取り目的」と書いた紹介状を持たされ帰宅。
なんでそうなるねん。わけ分からん。無茶苦茶や。

認知症の人は手づかみなら最期まで充分食べられるのだが、医者がヘンな線を引く。
まだ食べられるのに「食べさせない」のが現代医療。

なんだ、こリャア。

たった1回の嘔吐が、入院→転院→転院→転院→在宅復帰、の発端となる。
食支援は早々に諦めて、高カロリー輸液がお勧めの現代医療のようである。


道は険しい。

しかし決して諦めずに食支援に精を出す,しかない。














2つのランキングに参加しています。両方クリックお願い致します。皆様の応援が日々ブログを書く原動力になっています。

お一人、一日一票有効です。

人気ブログランキングへ ← 応援クリックお願い致します!

(ブログランキング)

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ ← こちらもぜひ応援クリックお願い致します!

(日本ブログ村)

※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

先生、兎に角がんばって下さい。

Posted by 尾崎 友宏 at 2017年01月05日 12:29 | 返信

「『口から食べられない』人に、かくも大量の内服薬を出す」医者のアタマの中はどうなってるんでしょう?
内服薬っていうのは、口の中にクスリを入れて水を入れて飲み込むから内服薬っていうのです。クスリと水が飲み込めるのだから、すくなくとも同形状の飲食物は飲み込めるはずですよね。ミルクやスープや具なしの味噌汁はほぼ水と同じ。錠剤や粉の薬はゼリーに混ぜて飲ませてるのだろうから、少なくとも同量同形状のゼリーやプリンやアイスクリームは飲み込めるはず。
病院には、「クスリだけ食べさせたい」医者が多いってことですね。

Posted by 匿名 at 2017年01月05日 01:46 | 返信

クスリの一包化っていうのは、私の母の場合もずいぶん悩まされました。錠剤を全部砕いて混ぜてしまうので、たとえば一種類のクスリだけ飲ませない、あるいは減量するためには、一包化されたクスリを全部捨てて、新たに処方箋を書いてもらう必要がある。
薬局がなぜ一包化したがるのか、その理由のひとつは、薬局は一包化加算を取れるから。
クスリを飲ませる作業が仕事となっている看護師や介護師がなぜ一包化したがるのか、その理由は、①「飲ませ忘れ」が無いから。 ②医者の出した薬は全部飲ませないといけない、という教育を受けているから、本人がこのクスリを飲むと具合が悪いと訴えても、何も考えずに一袋のクスリを全部口の中に放り込めばよいから。
クスリを処方した医師はなぜ一包化を指示するのか。これが問題。自分が出した薬は、全部残らず飲ませたい医者が多い。そして、「その結果、どうなったか」を知りたい。要するに、服薬後のデータが欲しいのだ。そのデータは、製薬会社から要求されていることが多々ある。もちろん「お礼」付きでね。また、そのデータは自分の論文にも使える。
患者のために仕事している医者を見つけるのは砂金をすくい取るより難しい世の中。
クスリの一包化って、根が深いんです。

Posted by 匿名 at 2017年01月05日 02:08 | 返信

「認知症の人は手づかみなら最期まで充分食べられる」
手が動かなければ手づかみでは食べれない。けど、看護師や介護師がスプーンで口まで運んでくれれば最期まで食べられる、のに、食べさせない。
理由は、「食べさせたことによる誤嚥性肺炎や窒息死」を恐れるからだ。
これも、ほんとに根深い問題です。

かつて、母を預けていた特養の看護師から言われたセリフは
「食べさせるとネ、本人が誤嚥してむせて咳き込んでヒーヒー苦しむのよ。それを見てられないのよ。誤嚥した残渣を吸引するのも本人は100メートル全力疾走するくらい体力使うのよ、かわいそうでしょ? 食べさせるのって虐待なのよ・・・・・」

皆さん、どう、思いますか?

Posted by 匿名 at 2017年01月05日 02:23 | 返信

長尾先生は、「食止め」という「医療行為」についてどのようにお考えですか?

私は、母がお世話になっていた特養側および特養施設医師に、母の最期について、経管栄養はすべて希望しない旨を事前に意思表示しました。
特養の介護師は、けして手抜きではなく誠実に母の食事介助をしてくれました。私もできるだけ特養に出向いて、母の食事介助を手伝いました。
ある時、呼び出され、特養の施設医師が「食止め」を「宣告」し、その日の夕食から、一切の飲食物が提供されないことになりました。
理由は、「食事介助することによって、誤嚥による窒息死を引き起こすリスクを、これ以上、介護職員に負わせることはできない。よって、一切の飲食物提供を止める。」
・・・・・・・・・
私は、その場で口論するわけにもいかず、平静を装っていました。
家族が持ち込んだ飲食物を家族が食べさせるのは自由だ、というので、私は毎日、特養に通って、プリンやゼリーやアイスクリームを母に食べさせました。同時に、この特養を脱出する作業も始めました。
今、母を動かすことは、母の寿命を縮めることになるかもしれない。
それでも、ここに居させてはならない、この、ミイラ製造工場を脱出しなければならない。
母は、まだ食べたい気持ちがあったし、食べることができた。
脱出した先の有料老人ホームで、母は味噌汁とお粥を、ほんの少しだけですが、そのホームの看護師さんに食べさせてもらいました。
それからも、そのホームの看護師さんは、わずかでも『食べさせる努力』をしてくれました。

母はまもなく、発熱、抗生物質の点滴、死因は肺炎です。
前夜から下顎呼吸が始まっていたので、もしかしたら、と思いつつ、私は帰宅しました。同じ老人ホームに引っ越した父と、そのホームの看護師さんが看取ってくれました。
酸素マスクも管もつけずに穏やかに旅立ちました。

「食止め」という「医療行為」を宣告する特養施設医師と、それを当然と受け止める看護師と介護師たち、
一方、
「食止めを宣告された患者」を引き受け、わずかでも食べられるように努力してくれる老人ホームの職員たち、それを否定しない医師、

同じ日本という国の出来事、皆さん、どう思いますか?

私は、母の寿命を、何ヶ月か、縮めました。
あのまま、あの特養に母を置いたら、私は自分の精神をコントロールできなくなっていたと思います。私は自分の精神を正常に保つために、母の寿命を縮めたのかもしれません。

はっきり言えることは、母は、まだ食べれたし、食べたい気持ちがありました。これだけは、真実です。

Posted by 匿名 at 2017年01月05日 03:17 | 返信

まだ口から食べられるのに食べさせないこと、諦めることを「口止め」と言うのでしょう?!

Posted by 社会福祉士河本健二 at 2017年01月05日 04:56 | 返信

「闇の子供たち」という映画があります。
アジア後進国が舞台ですが、
売春宿から、逃げ出したエイズに冒されている少女は、
歩く力もなく地べたを這いずって貧しい実家にたどり着きます。
その母親なのか姉なのか定かではありませんが縁者らしき女性が、
少女を小屋に横たえて、
枕元にカレーのような食事を置きます。
少女は微笑むのですが、
食事を持ってきた女性も、少女本人も、
もう、食べる力が無いことが、わかっている。
それでも、食事を差し上げる、
それが、
この世に存在している者に対する敬意だと、
私は思います。

Posted by 匿名 at 2017年01月06日 03:24 | 返信

一包化薬は薬局が好きでやってないです。(薬局と診療所等が結託してたら知らないが)

 いい加減なコメントする人いるなあ。

 介護職員の場合、服薬介助や管理はできませんよね?一包化された薬に対してはお手伝いはできますので、例えば独居の方や認知症の方など、必要なことがあります。

 あと、医師が一包化の指示してないと、そもそも一包化はできません。基本、医療的な同意の話になるので、家族さんや本人が医師と話したうえで処方箋を出してもらうことになっているはずです。
 薬局が勝手にはしませんよ。(ただし、アセスの結果としてこの人は一包化が必要なんではないか、と疑義照会はするでしょう。)

 あと、これも患者さんの嚥下状態によるんでしょうが、錠剤を砕くことがあります。でも、これは一包化加算では取らないでしょう。計量混合か自家製剤加算です。

 あと、一包化は算定要件を満たさないと加算とれません。(服用時点や種類が問題になります。) 調剤報酬点数をみればわかります。
 

 

Posted by 匿名 at 2017年01月13日 03:46 | 返信

私が勤め始めた病院もその通り。

ナースが終わってます。

Posted by 匿名 at 2018年06月27日 09:10 | 返信

コメントする

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com


過去の日記一覧

ひとりも、死なせへん

安楽死特区

糖尿病と膵臓がん

病気の9割は歩くだけで治るPART2

男の孤独死

痛い在宅医

歩き方で人生が変わる

薬のやめどき

痛くない死に方

医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣

認知症は歩くだけで良くなる

がんは人生を二度生きられる

親の老いを受け入れる

認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?

病気の9割は歩くだけで治る!

その医者のかかり方は損です

長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか

家族よ、ボケと闘うな!

ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!

抗がん剤 10の「やめどき」

「平穏死」10の条件

胃ろうという選択、しない選択

  • にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ