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6刷り御礼 薬の宣伝はメデイアもグル

2017年02月03日(金)

「薬のやめどき」と「痛くない死に方」が発売1ケ月で6刷りに入った。
応援して頂いたみなさまにこの場をお借りしてお礼を申し上げたい。
昨日は、全国のみなさまから頂いたお手紙や感想文を読んでいた。

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正直な話、この2冊を書いてから、医療界からの風当たりが強い。
様々な圧力がかかているので、かなり凹んでいる。

しかしそれだから「やるべき仕事」なんだなあ、と思い直していた。
そんなみじめな夜、届けられたたくさんのお便りにゆっくり目を通した。

自分のこと、家族のことが肉筆で切々と綴られている。
中には、私の心を見透かされているような励ましの内容もあり、胸に響く。

「やっぱ、もう少し頑張ろうかな」という気がおきた。
だから、形式的では無く、心の底からお礼を申し上げたいのだ。


さて、医療界と製薬会社の過度な癒着はもはや誰でも知っている。
デイオバン事件に象徴されるように逮捕者が出る犯罪である。

一方、薬の宣伝はメデイアもグルであることを知っておいて欲しい。
よく新聞や雑誌に医学記事を装った巧妙な薬の宣伝広告が載っている。

あれはみんな製薬会社が莫大なお金を払っているのだ。
記事と広告の違いをよく知って欲しい。

過労死事件で有名になった電通さんが記事を売り、成功報酬をもらう。

「買われた記事~電通グループからの成功報酬」
http://www.wasedachronicle.org/articles/buying-articles/1/

製薬会社からの内部告発だ。

最後の方に、3者の関係図が載っていて一般の人にも分かり易い。

この記事には心房細動に対する脳塞栓予防薬であるプラザキサという薬は
「死ぬまで飲むように!」と書かれているが、私の見解とは真反対である。


なんかおかしいよね。

いや、かなりおかしい!

しかし気がつく人がは気がつくが、新聞の権威を信じる人は聞く耳を持たない。



先日、病院から介護施設に入った人の主治医を依頼された。

・要介護5で手足は動かない (原因不明とのこと)
・経鼻栄養
・10種類の投薬
・その中に漢方が2剤、向精神薬が3剤

なんなんだ、と思いながら、家族に1時間以上かけて詳しく話を聞いた。

要は、病院を転々とするうちに廃用症候群になったようだ。
それに向精神薬を含む多剤投与と意味の無い経鼻栄養。

薬は一包化され、1日4回、スタッフがかなづちで砕いて管から入れる。
漢方薬は漢方薬で1日3回、簡易縣濁法でこれまた管から入れる。

しかし完全に溶けきれないし、そもそも管が詰まれば入れ直さないといけない。
そして診察していくうちに、いろんなことに気がついた。

・そもそもこの患者さんは口から食べられる。
 その根拠は管が入ったまま演歌が歌える。
・多剤投与のうち下剤以外は不要である。
 意味不明な投薬ばかり。

どんどん車椅子に乗せてリハビリ!と言いたいところだが、
床ずれができていて、座ることができないし、低栄養で治りが悪い。

つまり、老年症候群を薬や抑制で悪循環に陥らしたうえに
不要な経鼻栄養で縛りつけているのが前の病院であった。

「どんな先生でした?」

「若い、女医さんでした」

その若い女医さんに1回でいいから、その患者さんの管から
粉砕した多量の薬や、液体栄養剤(本来は半固形にすべき)を入れさせてみたい。

病院が寝たきりを造る。

これは30年前から言われている言葉であるが、
現在は、不要な人工栄養と多剤投与が加わっている。

そして多くの医師の頭には、医療=薬=絶対的善、と刷り込まれている。
そうまさに製薬マネーにブレインコントロールされて自覚症状ゼロなのだ。

医療界は重症、だと思う。

しかし多くの医師が気がつかない。
これが「洗脳」の怖さである。

抗認知症薬もまったく同じ構造である。
何度も講演し、何冊か本も書いてきた。

では、どうすれば洗脳されていない医師、洗脳から醒めた医師を探せるのか。
一番簡単な方法は、私の本「薬のやめどき」を持って行きどう思うか聞くことだ。

頂いたお手紙の中には「長尾先生の本を持って行ったら烈火のごとく怒った」
という症例報告を何人か頂いたが、かかりつけ医を変えたほうが賢明だろう。

日本の慢性期医療をなんとかしたい・・・

そう願う療養病床の医師たちが、武久洋三会長の下、日慢協という傘の元に集った。
私は「光明」だと思い、時々理事会に参加して勉強させて頂いている。

在宅医療界と病院協会のどちらも知っているのは日本では私と茨城の照沼先生だけ。
7月22日には、照沼先生と在宅と救急搬送と警察との連携懇話会を立ち上げる予定。

明日は、大きな病院チェーンの先生方に大きな会場で基調講演をする。
こんな話をしようかな、でもしたらせっかく呼んでくれたのに気を悪くするだろうなあ。

ずっと迷い続けてる58歳。

たぶん、死ぬまで迷うのだろう。
時々、そんな気が弱い自分が嫌になる。

明日の夜は日ホスで久留米に行く。
赤ひげの二ノ坂先生とお会いする。














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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

製薬会社と医療界とメディアのグル。
それに加えて、厚生労働省の天下り(希望)族も入るのでは?

Posted by 匿名 at 2017年02月03日 03:54 | 返信

TVで有名になった「ファースト・ペンギン」ですね。
長尾先生は大変かと思いますが、病気と同行二人の人間には、「何を、どう考えればいいのか」のきっかけを頂けて有り難いです。というか、有難うございます。
長尾先生の本を読んだ時には感じませんでしたが、お医者さんは、一般的にあくまでお医者さんの視点で語っていて、「患者さんの為に」というお医者さんでも、その内容は「医者にとって患者がこうであったら有り難い」というのが強く感じられる時もあります。忙しさを思えば無理もないでしょうし、医者と患者の知識の量は当然違います。「患者さんの為に」も一般論であって、癌患者でいえば、一人ひとりの患者の為でもなく、ガイドラインに外れている4割には「為にならず」かもしれません。(患者も当然、自分で発言しなきゃいけませんが)
「薬の減らし時」という本もあったらいいなあと思います。
6割の人にしか適応が無い、というガイドライン通りの標準治療の抗がん剤投薬を受ける患者。辛いと言えば、症状緩和の薬をあれやこれやと。補助抗がん剤治療、1次治療ならともかく、その後は、患者の抗がん剤減量の願いを考慮してくれてもいいんじゃないんですかねと思います。エビデンスが無い?ガイドラインに載ってない?
「放置すべし」や怪しい通販に流れる人が出てくるのも、むべなるかなと思います。

Posted by 樫の木 at 2017年02月03日 07:09 | 返信

「薬の止め時」を拝読しまして、始めはそんなに突然、止めて大丈夫かなとか反発しましたけれど、長尾先生が、現状の薬漬けの医療業界を批判して下さって随分助かる方が多いと思います。
長尾先生も、相当お疲れでしょうけど、これからもお元気で思ったことを書いて下さい。
動脈硬化症の友達も、お医者さんと相談しながら、動脈硬化の薬を減らして飲んでいるそうです。

Posted by 匿名 at 2017年02月03日 10:18 | 返信

こんばんは。
私も他の皆さんと同じ様に
患者さんと家族の側に立って
書いて下さっているこの本のファンです。

やっぱりみんな、一度竜宮城へ行ってしまったら
なかなか帰って来れなくなるんじゃないのかな。

お勉強会で先生のお話を聞く度、先生はよく竜宮城から
帰って来れたな。何が先生を突き動かしてるのかなと
思いながら聞かせて頂いてます。

二の坂先生のオカリナと先生の歌のコラボ演奏会も聞いてみたいです。

Posted by 匿名 at 2017年02月04日 12:43 | 返信

昨年、義母が癌、認知症だった父は心筋梗塞で急逝しました。先生の著書や講演を参考に主治医選び、ケアマネや事業所選びをして、悔いの少ない世話、介護ができ感謝申し上げます。ブログを拝見していて、感想を少し。以前、「認知症家族の会」にも妻が入って、御高名で多くの著書もある先生に質問する機会があったのでコウノメソッドについて「わからない」との答えだったとのことです。知っていても答えなかったのかもしれませんが認知症高齢者の心理などに精通している良心的な先生でもこんなところです。
また、(全く違う話ですが)大病院は治る人にはいいのでしょうが手術をして予後がよくないと本当に冷たいと感じました。情報量が違うのに、切れ目切れ目で本人や家族の気持ちもほとんど考えず一方的に伝えて終わりです(そんなに訴えられるのが怖いの)。もちろん、病院では、立派な看護師さんや理学療法士もいましたけど。あと、義母がよい在宅医に出会えたこと、父が通所介護の事業所の職員が良い施設に最後出会えたこと、これも長尾先生のおかげもあると思っています。話しがずれてしまいましたが、(トランプ大統領の評価は別として)とにかく、長尾先生は間違ってません。応援しています。

Posted by YOSEYUKI at 2017年02月04日 08:56 | 返信

私は 看護師です
ナイチンゲール誓詞の中に

「…われはすべて毒あるもの、害あるものを絶ち、悪しき薬を用いることなく、また知りつつこれをすすめざるべし。 ……」とあるんです

なのに悪しき薬が多すぎます

Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2017年02月04日 11:11 | 返信

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