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若いがん患者の医療費自己負担はなんとかならないか

2017年02月22日(水)

たくさんのがん患者さんを診てきたが、がんは65歳未満の人も多い。
若いがん患者さんは、1年も療養すればもはや経済的余裕が無いので
在宅医療が必要であってもそれを受けることしかできないのが現実だ。
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若いがん患者ががん医療を受けてなんとか1年経過した、としよう。

1年間失業しているので、その間の収入はゼロだ。
医療費自己負担の上限はあるにせよ、一時的には立て替えないといけない。

配偶者や家族も介護のため同時に失業して収入ゼロが続く。
多少の貯金があっても、1年経てばたいてい底をついてしまうだろう。

なんとか生きたいので抗がん剤には多少の副作用があってもついて行く。
タクシーで往復して、抗がん剤治療を受けて生きようとするのは本能だ。

要介護3か4相当になっても1割が自己負担の介護サービスを払う金がない。
在宅医療を受けたくても、3割の自己負担金を払う(上限あり)金もない。

一方、病院の医師は死ぬ直前まで抗がん剤を打つことが最高の医療だと信じている。
下手な緩和薬処方と大量の抗がん剤とで一杯で、もはや在宅医療を考える頭もない。

でも冷静に考えてみればおかしな話だ。

余命を何ケ月延ばすための、月100万円もの抗がん治療の医療費がかかている。
一方、日々の生活を支えるために必要な在宅医療や緩和ケアの医療費はその1割。


両者が同じ程度であればまだ分かる。
しかし現実には前者のほうが10倍高い。

高いほうにお金がかかってしまい、安いけど必要な緩和ケアや在宅医療が受けられない。
そんな若いがん患者さんが年々増えてきて、制度の矛盾を感じることが多くなった。

お金が無いので、死ぬ直前まで緩和ケアや在宅医療を我慢されている。
ああモッタイナイなあ、と思うことが最近多い。


日本のがん医療は、掛け声とは反対に依然として完全に縦割りになっている。

・3大治療
・代替医療
・緩和医療
・在宅医療

これら4者がバランス良く並ぶことは、 まず無い。
最初の2大治療に、患者さんの全精力と全経済力が注がれる。

がん患者さんの就労問題も大切だが、不幸にして就労できなくなった
若いがん患者さんへの支援体制がまったく無いことに、疑問を感じる。


せめて、若い末期がんの人には、高齢者と同様に自己負担額を
1ケ月12000円という上限にそろえてあげたらどんなに助かるだろう。

こんなことは政治家か厚労省のトップが一言命じればすぐに解決する話なのだが。
医療も行政も縦割りだから制度の狭間に落ち込んだ人を救い出すことができない。

マスコミも在宅関係者も美談ばかりを描くが、私の周囲には、
経済的に厳しい現実に直面している若いがん患者さんが多い。


どうか、自分自身のこととして想像してみて欲しい。

もし50歳の貴方がある日、余命半年の末期がん患者になったら。
お金は大丈夫? 在宅緩和ケアを受ける余裕が本当にありますか?

西村元一先生がまさにそうなのだが、彼は医者だし経済的には大丈夫だろう。
しかし普通の市民、あるいはギリギリで頑張っている市民は大丈夫じゃない。


ああ、トランプさんの「大統領令」が羨ましい。

もし私が1ケ月だけ厚労大臣になったなら、そんなこんなの
厚労大臣令を100発くらい連発して、クビになりたいなあ。

それくらいの覚悟を持った素早いリーダーを望んでいるが、
まあ無いものねだり、ないしは、年寄りの愚痴話であろう。








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この記事へのコメント

ほんとうに、そんな市役所の「すぐやる課」みたいにどんどん良くなる世の中だったら、青少年も希望をもって、虐めや自殺が無くなるでしょうね。
長尾先生が厚生大臣になって、どんどん厚生大臣令を出して、クビになるなんて面白いですね。
権力に固執しないところがおもしろいです。

Posted by 匿名 at 2017年02月22日 02:32 | 返信

先生の次なる使命は、
「国を実際に動かす側に回ること」
なのではないでしょうか。
いきなり国政に打って出る、というのは難しいでしょうけれど、
早くしないと事態はどんどん悪くなる、ということを考えると、
手っ取り早いのは、
「テレビに出る」
ことだと思います。
テレビに出ると、各方面に配慮して「言ってはいけないこと」を我慢せねばならないでしょうが、
そこで庶民を味方につければ、知名度抜群、影響力甚大かと思います。
・・・そして、満を持して国政に打って出る・・・・

・・・私の夢物語でしょうか。

Posted by 匿名希望 at 2017年02月22日 05:12 | 返信

ひとつ前のトピック:「この国の医療はどこに向かうのか」と連動した、
「若いがん患者の医療費自己負担はなんとかならないか」という内容だと拝察します。
分かり易い例えが「がん治療」であったにしても、総じて、これからの時代:将来を見据えた
展望を描かなければ、本当に、将来この国が在るのか無いのか..と考えてみた方が、
考え始めなければいけないタイミングな気がしています。
平穏死であれ安楽死であれ、死ぬ事には変わりなく..突き詰めて言えば、それは個人的な事案
であることには変わりない訳です。「死ぬこと」に個人的な意味合いを以て死にたいという、
強い表現で語ると、それは多少の贅沢でもあります。「死」は本来、自分の都合に左右される
ものではなくて、昔には、それは突然にやってきたでしょうし、不慮の死や、治療が未発達な由に
早逝した事案もあったでしょう。
現代:デイサービスであれ、老健であれ、特養であれ、税金を投入し、沢山の人材が関わって
運営し、これまで日本を担ってきて下さった方々をお世話している現状なのです。
戦前・戦中・戦後・高度成長期・日本の繁栄という、時代:日本の弛み無い歩みを知っているから
こそ、このような超々高齢化社会に対応した仕組みに、懸命に対処しているのだと思います。
けれど、世界経済が上手く廻っていて、いい時代:潤沢な経済が背景にあった時代は遠い過去で
あり、今の世代:これからの日本を背負う人に、その若い方々に残せた何か、余裕ある代物は..
あったのでしょうか。古き良き時代、と語るには遠い過去になってしまったし、贅沢を味わう
程の収入が得られる経済事情・社会に戻ることができるのか否か。
なんだか、その観点を語っておられるような二つのトピックのように読み受けました。

Posted by もも at 2017年02月22日 09:02 | 返信

トランプ大統領になって、ジェットコースターに乗ったみたいですけれど、大統領制では、官僚も全部入れ替わるので、いい意味でも悪い意味でもガラッと代わります。
でもイギリスや日本みたいな王制の下に議員内閣があるので、いくら選挙で大臣が代わっても、官僚が「素人が来たぞ!」と威張っているので、何にも変わらない。
天皇陛下は尊敬していますけれど、官僚も入れ替えて欲しいです。官僚の中にも、真面目な人達もいらっしゃるみたいですけど。

Posted by 匿名 at 2017年02月23日 07:04 | 返信

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