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筒井康隆さんと安楽死について対談
2017年03月04日(土)
作家の筒井康隆さんと神戸のホテルオークラで対談した。
テーマはずばり「安楽死」。
有意義な時間であった。
テーマはずばり「安楽死」。
有意義な時間であった。
筒井さんはSAPIO2月号に
「苦痛を和らげる薬を貰いながら死にたい。
日本でも早く安楽死法を通してもらいたい」
という見出しの小文を書かれている。→こちら
私はこの文章の最下段に書かれている、
「尊厳死は延命治療を絶つことで、それでは苦痛が伴うから安楽でない」
というとこころについて、これは真逆であることを申し上げた。
延命治療の中止=苦痛の軽減=平穏死、という図式が
筒井さんに伝わったどうか自信は無いが、説明をした。
死ぬ前に一度でいいからモルヒネを体験したいと言われたので
自宅でも緩和ケアとして誰でも使えることを説明した。
また、モルヒネ=緩和ケアであり、モルヒネ=安楽死では無いことも。
従って、SAPIO のタイトルは「安楽死」ではなく「尊厳死」であることも。
そして日本は自宅で尊厳死できるのだが、多くの国民がその現実を知らない、
そして日本は、その尊厳死を公に認めことが大切であるとご説明申し上げた。
筒井さんとの対談の中で、月刊文藝春秋の「有識者60人に安楽死の是非を聞く」→こちら
の内容が、ほとんどの有識者の理解があまりにも酷い(低レベル)ことでも意気投合した。
こんなレベルの人たちがそれぞれ自分独自の間違った認識で言いたい放題なので日本の
終末期医療の議論が10年以上停滞して、現場の混乱が深まるという病理がよく分かる。
まあ、有識者でもこの程度であるという貴重な資料である、という見方もできるのだが。
実は私はこの60人の有識者の認識違いだけでも1冊の本が書けるのではないかと思う。
筒井さんは、実に楽しく、穏やか、でお茶目な人だった。
さらにファンになったし、機会があればまたお会いしたい。
対談の様子は、3月13日発売の週刊ポストに掲載される予定だ。
文壇きっての大物作家さんとお会いできて、よかった。
昨夜は当院の医局会もやっていた。
年度替わりもあり議題はつきない。
昨夜は午前2時まで看取り等で往診していて、あまり寝ていない。
今日は富山県医師会で2時間もの講演をして、日帰りで帰阪する。
富山県医師会には自宅から片道5時間以上かかるとても遠い場所だ。
今日一日だけで10時間以上、椅子に座るので腰痛が続悪するかも。
よくまあこんなハチャメチャな生活をしているなあ、と思うが
世の中には筒井さんのような方もいることを知りちょっと安心。
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この記事へのコメント
昔、若い頃に芥川龍之介作品に凝った時期がありました。常に自殺を考えてみては、
若い女性と心中してみたり、その頃の作品を読んでみても、作家はデリケートで女性的と
印象を持ちました。最近では、又吉直樹氏が言っていましたが、小説を書くためには、
常に憂鬱でなければならない、と自分に課しているそうです。
筒井さんが思う"安楽死論" を詳しくは知りませんが、SAPOI 2月号 を読んだ限りでは
さ程強い "死生観" のようには感じませんでした。"願望" というよりはロマンチスト
でしょうか。お写真を拝見する限りでは、長尾先生の満足気でお茶目な表情から、
長尾先生に軍配有りな、結果だったのでしょうか。
Posted by もも at 2017年03月04日 09:11 | 返信
こんばんは!
筒井康隆さんと言えば時をかける少女を思い出します。
お元気そうで良かったです。
Posted by 匿名 at 2017年03月04日 10:56 | 返信
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