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検査もしない、という選択

2017年03月07日(火)

昨日、高齢者の肺炎は治療しないほうがいい場合がある、と書いた。
しかし「治療」するためには「診断」のための検査が、必要である。
その「検査」もしない、という選択もある。
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80歳台の神経難病の在宅患者さんが急に意識レベルが低下した。
診察したがおそらく脳幹出血であろうが、CTを検査しないと分からない。

しかし検査をするためにはストレッチャーで搬送する必要があるし、
それが判明したからと言って、予後不良には変わらない。

本人は「もういい」が口癖だし、家族一同、入院や検査を希望していない。
私もその希望を受け入れた。

何も食べなくても1週間程度は生きていることや
水分やカロリーは貯金があることを説明した。

よく「延命治療」と簡単に言われるがそもそもそれを行うためには
「検査」が前提となるのだが、それを拒否する家族が時々おられる。

それはそれでいいのだと思う。

以前、90歳台の人が突然、同じように脳幹出血になったことがあった。
この家族も検査も治療もなにも一切望まなかった。

それでも意識不明の完全断食状態で、10日間も生きた。
人は強いもんだなあ、なんて思った。

あるいは大量吐血した90歳台の方の場合は、本人・家族とも胃カメラを拒否。
採血だけさせてくれたので見ると、、ヘモグロビン値はなんと、3だった。

胃潰瘍かどうか知りたかったので、胃カメラを強く勧めるも拒否であった。
説得にも関わらず輸血も拒否されたので、自然経過にまかせることになった。


しかし1週間後にはご飯を食べて、ハイハイ出来るように自然回復した。
ヘモグロビン値も7まで回復したのだから、人間の生命力は素晴らしい。

こんなふうに、「検査をしない」という選択肢があることを知って欲しい。
なんでも検査という時代であるが、治療の前の検査を拒否するのも選択肢。

正直、その方がそこまで生きるとは思わなかった。

いかし、やればいいって、時代ではない。

検査をしないほうがいい、という場合もある。

検査の「やめどき」なのである。






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この記事へのコメント

笑ってしまった。
吐血後一週間でご飯を食べて、というのは、ウチの父もあり得るような。
胃カメラだの内視鏡だの、たとえ麻酔で眠っている間に終わる検査であっても、
ウチの老人(90歳)も完全拒否です。

私(63歳)は・・・吐血するような確率はほとんど無い。けれど最近、イモやパンを、昔みたいにガッツリ飲み込むと入っていかなくて食道(の付近の筋肉??)が痛いことがちょこちょこあり、・・・病院好き医者好きな人ならきっと食道の内視鏡検査をするのだろうな、と思いつつ、年をとると食道も狭くなるんだから少しづつ食べればよい、という思考回路です。胃液の逆流も吐き気もないから。80歳くらいまで医者にかからずに過ごせればなんとなくあまり苦しまないで死ねるような気がしています。それまでに医者にかかる必要性が出て来たら、医者を選ばないとタイヘンなことになりますね。

Posted by 匿名 at 2017年03月07日 02:28 | 返信

74歳です。病歴ありません。
基本的に検査は40年していません。
骨接したときと、歯の治療時のレントゲンは行いました。

理由は、現代医療の治療はしないからです。

医・食同源 腹八分目。
散歩と 好きなスポーツで 静かな暮らしを楽しんでいます。

Posted by kayabuki110 at 2017年03月07日 04:46 | 返信

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