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在宅医療のリスク管理

2017年04月01日(土)

『臨床と研究」という医学雑誌がある。(→こちら
3月号には「在宅医療のリスク管理」で書いた。→こちら
このテーマで原稿を書いたのは、2回目になる。
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臨床と研究  在宅医療の実際  「リスク管理」  長尾クリニック 長尾和宏
 
在宅医療推進に伴うリスクの増大
 
 超高齢・多死社会に対応すべく“在宅医療”、そして住み慣れた地域で最期まで暮らすことを多職種で支える“地域包括ケアシステム”の構築が謳われている。在宅医療の目的は日々の生活をしっかり支えることや緩和ケアであり、看取りはあくまでその延長線上にある。治す医療から支える医療に賛同して在宅医療に取り組む医師が増えていることは喜ばしい。しかしその背後には、様々なリスクが潜んでいることに充分配慮しなければならない。

地域包括ケアのアウトカム評価の指標として在宅死の割合が掲げられ、週刊誌などで公表されている。病院死が約8割弱を占めるのに対して在宅死は1割強であるが、徐々に在宅死の割合が増加している。兵庫県豊岡市は在宅看取り率25%を記録した。一方、東京都監察医務院の調査では在宅死の約3分の2が検死であったというショッキングなデータが明らかになっている。同様に大阪や神戸など大都市圏における調査でも在宅死の約半数が在宅医による看取りではなく警察による検死であることが判明している。このように在宅医が介入しない在宅での死亡も増えている。

法治国家である日本における在宅看取りは、医師法20条という昭和24年に施行された法律に基づいて行われている。在宅主治医は亡くなった後でも患家に行き異状死体で無いことを確認すれば死亡診断書を書くことができる。しかしこの医師法20条と、異状死体の警察への届け出義務を定めた医師法21条を混同している医師がいまだに少なくない。看取りの法律の誤解が在宅看取りの阻害因子のひとつとなっている。不要な警察介入は、せっかくの在宅での穏やかな旅立ちを台無しにしてしまう。医師以外の多職種間での看取りの法律の周知がリスク管理の第一歩であると考える。

さて、人工呼吸器を装着して胃ろうで栄養管理を行うなど医療依存度の高い神経難病患者さんや小児でが続々と地域に帰ってくる。このように医療依存度の高い患者さんの在宅管理では、介護職との協働が必須でなる。また認知症の増加に伴い服薬管理も大きな課題となっている。特に増え続ける「おひとりさま」の在宅療養においては、転倒や急変、さらには入浴死のリスクと隣り合わせである。薬の飲み間違いや過量服用があると、命にかかわるかもしれない。本章ではこれまであまり意識されてこなかった在宅医療におけるさまざまなリスク管理について考えてみたい。
 
 
在宅医療の特性と医療安全
 さて、病院医療と対比して在宅医療の特性を挙げるならば、第一に密室性であろう。たとえば独居のケースでは、1:1の密室での医療行為となることが稀ではない。チーム医療を前提とした病院での医療安全の観点から見ると極めて特殊な状況下で医療行為が提供されている。
第二に医療者一人での判断や医療機器に頼らない判断を求められるという点である。たとえば、患者が高熱を出した場合、病院では直ちにレントゲンや採血結果などを総合して診断するのだろうが、在宅では聴診器一本とバイタルサインで肺炎の診断しなければならない場合が多々ある。訪問看護師が医師からの指示のもと医療処置を行うことがあるが、万一のトラブル発生の場合に誰がどう対応するのかという課題がある。仮に診断や評価や処置に誤りがあっても、誰がどう気が付き、どうフィードバックするのかを常に意識しておかないといけない。
第三に看護師の裁量である。特定看護師の議論を待たずして、在宅ではすでに訪問看護師が実質的に特定看護師としての業務を担っているかのような状況にある。多くの在宅医は訪問看護師に事前指示を出して、看護師は現場の判断で様々な医療行為を行っているのが実状であろう。在宅現場でインシデントが発生した場合、看護師の自己申告となるが、看護師もしくは事前指示を出していた医師がその責任を負うことになる。人工呼吸器をはじめとする様々な医療機器を装着した医療依存度の高い在宅患者も増加している。器具の交換や調整時に何らかの過失があった場合、どうなるのかという課題がある。
 
 

在宅医療の質とリスク

 病院では想定されていない状況の中で提供される在宅医療は、医療安全の視点からは高リスクの場である。リスク管理の課題は想像以上に多い。しかし在宅医療はただただ“推進”が掲げられてきた。「在宅医療におけるリスク管理」という概念は歴史は浅いが、その重要性が年々高まっている。「病院から地域へ」というスローガンが掲げられているが、医療安全システムの方向性の同じだ。

 一方「医療の質」という視点からも、在宅医療の質を評価する指標はまだまだ貧弱と言わざるをえない。在宅医療における医療の質に関する共通のクリニカルインデイケーターはまだ存在しない。敢えていうなら、在宅看取り率や在宅看取り数が候補として議論されている段階である。在宅医療の対象者は終末期にある患者さんだけとは限らず、実数としては慢性期医療を提供している患者さんが圧倒的に多い。在宅現場におけるインシデントは沢山発生しているのだろうが、その密室性や特殊性ゆえに表沙汰になりにくい。一方、介護訴訟が増える中、今後は在宅医療における事故も充分に想定しておくべきである。病院と同様に日々のヒヤリハット対策や安全啓発が急がれる。病院評価と同様に、医療安全管理も在宅医療の質における重要な要素であると考える。
 

オピオイドやインスリンのリスク管理
 
 在宅における末期がんの疼痛管理に対して種々のオピオイド製剤が用いられている。最近は、慢性疼痛などの非がん性疼痛にもオピオイド製剤の適応が広げられたことは朗報だ。しかし病院のように厳重な管理は現実的ではなく、患者さんの自主管理などユルい管理体制であることが多い。それが在宅医療の良いところであると同時に、リスクを内包している。

 たとえばオピオイド貼付剤は、家族やホームヘルパーが貼る場合がある。万一、間違いがあった場合や重大な副作用があった場合のリスクを考えておく必要がある。常時見守っているわけではないので発見が遅れる可能性が高い。特に独居や認知症の場合にはインシデントの確率が高まる。

 そこでケア会議において医師が家族や多職種に充分に説明しておくことが必要である。さらにPCAポンプ等を用いた疼痛管理を行う際には、薬局や訪問薬剤師との連携が大切である。いずれにせよ法律で定められているオピオイド製剤の管理体制を点検しておくべきだ。現場の状況に応じて多職種での工夫が必要だ。リスク管理の観点からも施設ホスピスと在宅ホスピスはかなり事情が異なる。オピオイド製剤の副作用対策には相当な配慮が必要である。たとえばタレントの大橋巨泉さんのモルヒネの過剰投与は、リスク管理の視点で充分に検証すべき事例であると考える。

 また在宅で使われている降圧剤や血糖降下剤やインスリン製剤などの生命に直接影響する可能性がある薬剤のリスク管理も重要である。さらに抗生剤などによるアナフラキシーショックにどう対応するのか、という課題もある。あるいは在宅で輸血する場合は、救急カートやや気管カニューレやアンビューなどを用意する必要がある。在宅におけるさまざまな医療処置にはさまざまなリスクが想定される。起こり得る副作用等に対してどう反応するのか、ケア会議などで予め具体的にシミュレーションしておくことが大切だ。
 
 
在宅医療にこそ必要な“レジリアンス”
 
 医療安全における最近の話題として、「成功と失敗は同価」という考え方がある。病院医療にせよ在宅医療にせよ、失敗事例ばかりに目が向きがちであるが、実は「成功」も「失敗」も同価であるという視点を持つべきである。成功事例を振り返ると、いくつもの関門を意識せずに通過していることに気がつく。たまたますべて上手くくぐり抜けただけである。いくつかの手順で「もしそこで失敗していたら」という視点でシミレーションしてみることが大切だ。リスク管理の立場からは失敗例だけでなく、成功例からも学ぶことが多いと考える。

 また「レジリエンス」という視点も重要である。「レジリエンス」とは柔軟性とかしなやかさ、という意味である。どこかでひとつのミズが生じても、それをリカバリーできるような「あそび」や「のりしろ」を意図的に作っておくという考え方である。重大な鉄道事故の原因を突き詰めていくと、レジリエンスの欠如に突きあたった。その教訓を在宅医療にも活かしたい。チーム医療や多職種連携の中に「万一、どこかにミスがあっても誰かがカバーできるシステム」を作ることが大切だ。多忙な在宅現場であっても、その程度の「余裕」は必要である。冒頭で述べた在宅医療の特性は、とりも直さずリスクと裏腹である。そんな“在宅”というステージだからこそ“レジリエンス”という視点が必要である。
 
 
在宅医療における医療安全を考える上で、以下、代表例として3つのケースを挙げてみたい。これらは筆者が実際に見聞した例である。
 
症例1  PEG(胃ろう)交換に伴うトラブル 
 
  現在、我が国にPEG患者さんが約40万人いると推定されるがその多くは在宅で管理されている。バルーンタイプのPEGであれば、PEG交換は概ね2ケ月毎に居宅で行うことが多い。医師がバルーン水を抜きPEGを抜去して、新しいPEGを挿入する。一方、概ね6ケ月毎に交換することになっているバンパー型においても抜いて新しいPEGを入れる。こうしたPEG交換時のトラブルが知られている。PEG挿入時にPEGが誤って胃袋ではなく腹腔内に入ってしまうことがあり得る。もしそのまま栄養剤を注入すると腹膜炎を起こして患者は死亡する。実際にそのような例が報告されている。実際にそのような例が報告されている。
従って確実に胃内にPEGが留置されているかどうかを交換直後に必ず確認すべきである。特に自宅でPEG交換を行う時はそのような注意喚起がなされている。すなわち「色素水法」ないし「PEGスコープ」のいずれかの方法で胃内留置を確認することになっている。「色素水法」とは、インジゴカルミン等の色のついた水を抜去前に胃内に注入しておき、新しいPEGを挿入した後にその色素水を引いてみてPEGが胃内にあることを確認する方法である。一方、「PEGスコープは、PEGの穴から超細径の内視鏡を胃内に挿入して反転して確認する方法である。PEGスコープは直接目視できるので最も確実な方法だが、スコープが高価なため敬遠されがちだ。しかし医師会などで共同購入する場合もある。また滋賀県大津市医師会のように内視鏡専門医がPEG交換だけを受け持って訪問診療するというシステムを構築している医師会もある。いずれにせよ、在宅でPEG交換を行う場合には、誤挿入と誤注入をいかに防止するかが大きな課題になる。
しかし現実には在宅における誤挿入・誤注入による死亡事故が発生している。それを検証すると上記の確認法を行っていないことに起因していた。聴診器で空気音を聴く方法では誤挿入・誤注入による事故を完全に防げない。PEG交換に限らず、気管カニューレや膀胱バルーンや腎ろうなどの交換時のトラブルも散見される。医師が安全確認手技を充分に学び、医療スタッフにも周知することが必要である。さらに大津市医師会のように、医師会が主導して地域の在宅における医療安全を担保する先駆例を大いに参考にすべきだ。こうした地域の多職種による医療安全確保は今後、その地域の実情に併せて構築すべきであろう。地域包括ケアという思想は、地域の多職種による医療安全管理にも通じるものである。
 
 
症例2 診断までに時間がかかった在宅での粟粒結核
 
 腰椎圧迫骨折で要介護2の80歳代の在宅患者さんが38度台の発熱をしたと介護家族から携帯電話が鳴った。在宅医療においてよくことである。誤嚥性肺炎と考え抗生剤を投与したが解熱しないまま1週間が経過した。酸素飽和度が92%まで低下したので胸部レントゲンと胸部CTを撮影したところ両側の肺にびまん性変化を認めた。咳や痰は無かったため喀痰検査は行われなかった。食欲が低下したため家族が入院を希望した。かかりつけの療養病床が満床だったので、たまたま空いていた急性期病院に入院した。入院時の画像診断から何らかの原因による間質性肺炎が疑われたが、粟粒結核も否定できないためBAL(気管支肺胞洗浄)が行われた。その結果、粟粒結核との確定診断を得た。その後、ガフキー陽性も加わったので結核専門病院に転院し加療した。結局、画像診断では一見しただけでは分かりにくい粟粒結核例である。
 本症例において最初に異常に気がついたのは担当ケアマネージャーであった。日に日に、ADLが低下するのでケア会議の要請や要介護度の見直しやケアプランの変更を考えていたという。医師の訪問診療や訪問看護は2週間に1回で、一番多く患者に接していたのはホームヘルパーと家族であった。幸いにも排菌量が極めて少なかったため、集団感染は免れたが、リスク管理の視点で振り返ってみると示唆に富む症例であった。つまり幸い入院した急性期病院に呼吸器内科専門医がおられて気管支鏡まで行えたので診断が確定し患者さんも医療者も大事に至らずに済んだ。しかし一歩間違えば、集団感染で新聞沙汰になっていたかもしれないヒヤリハット事例である。ケアマネをはじめとする介護職にも感染症の知識が必要であったことを学んだ症例である。病院における医療安全は医療職のみであろうが、在宅現場では介護職への啓発も大切である。
 
 
症例3 インスリンの誤注射による遷延性低血糖
 
 インスリン注射は外来通院患者であってもレセプト上は在宅医療扱いになる。そうではなく実際に在宅患者でインスリン注射を指示されている人はいくらでもいる。糖尿病性網膜症でほぼ失明した独居の在宅患者さんが、糖尿病性腎症もあるため病院からインスリン強化療法の指示が出ているケースをみかける。大きな文字盤がついた特殊なインスリン注射器を使って自己注射されていたが、ある日、体調が悪く誤って多い量のインスリンを注射してしまったようだ。午後に入ったヘルパーが意識消失を発見して救急搬送された。低血糖の時間が長かったためかブドウ糖注射によっても意識の回復が遅く、長期入院となった。経口摂取が不安定という理由で胃ろうが造設され、あらためて2種類のインスリン注射が指示され在宅に帰ることになった。経口摂取はかなり回復して、在宅に帰ったあとは1日1回の半固形化栄養剤の注入は訪問看護師が行うことになった。また夕方のインスリン注射の見守りのためにホームヘルパーが入るようになった。
在宅主治医は誤注射や低血糖のリスクを勘案した結果、インスリンを中止し経口糖尿病薬のみの管理に方針を変更した。しかし誤嚥性肺炎で再入院した際に、病院の主治医はHbA1c値が不良という理由で、インスリン注射が再開された。また1日3回合計14種類の内服薬が出たため、訪問薬剤師が1包化してお薬袋にセットすることになった。しかし毎回服薬確認することができず、服薬コンプライアンスは6割程度にとどまっている。入退院を繰り返すうちに記憶力の低下も目立ってきた。今後の血糖管理や多剤投薬に苦慮している症例である。
 
以上の3つの事例における医療安全対策をまとめてみた。
 
1 医療行為の安全確認手技の徹底
 在宅でのPEG交換においては、単に交換したという記録だけでなく、どのような方法で安全確認をしたのかという点が重要である。ハイテク化した在宅医療、すなわちさまざまな医療機器を装着したまま自宅に帰る症例が増加している。PEG交換に限らず、在宅で輸液回路の交換を行う場合もある。また在宅で輸血する場合には、病院と同様にクロスマッチをはじめ様々な手続きが必要であるし、輸血中は常に急変に対応できるよう蘇生器具の備えも必要である。在宅においてもさまざまな医療行為の安全確認手技をマニュアル化して徹底させる必要がある。
 
2 在宅における感染症対策の確立
 病院や施設における感染症対策は厳しいのに対して、在宅においてはあまりに無防備であると言われても仕方がない現状がある。また肝炎ウイルスや梅毒やMRSAなどの検査結果は、医療職は解釈できても介護職が理解できず無用な不安やパニックを起こす場合もある。現在、診療所における感染症対策は周知されているが、在宅における感染症対策は今後の大きな課題であろう。症例2では結核の集団感染の例をあげたが、インフルエンザやノロウイルスなどの集団感染の防止は在宅現場においても常に想定すべきリスクである。
 
3 多剤投与と服薬管理
 症例3ではインスリンの誤注射による遷延性低血糖例を挙げたが、こうした事例に関連して在宅患者への多剤投与問題も深刻である。10種類以上の多剤投与は様々なリスクの増大のみで、いいことは何もない。転倒リスクや認知症リスクが増大するというエビデンスの啓発が急務である。しかし医療の専門分化、多重受診などの多剤投与の原因は根深く、解決は容易ではない。しかし退院前カンファレンス時に病院主治医に減薬をお願いすることも一法であろう。また退院後も随時、優先順位をつけて本人と家族の承諾も得ながら減薬を図るべきである。日常の服薬管理に関しては、ケア会議時に、訪問看護師、訪問薬剤師、ホームヘルパーたちと情報共有を図りながら減薬を試みるべきであろう。在宅医療の服薬管理や自己注射の管理も、今後、在宅における医療安全の大きな課題となるであろう。
 
 
 
まとめ
病院医療に比べて医療職のマンパワーが希薄な在宅現場におけるリスク管理の重要性が年々高まっている。特に医療依存度が高い神経難病や小児在宅などにおいては、ケア会議において多職種間でリスク管理の視点を共有すべきである。そして不測の事態における対応を予めシミュレーションしておく必要がある。在宅におけるリスク管理においてもレジリエンスという視点が欠かせない。在宅現場における医療安全はまだ歴史が浅く関心も低い。今後「在宅医療安全学」の研究推進が急務と考える。
 
 
参考文献
レジリエント・ヘルスケア ―複雑適応システムを制御する― 中島和江監修・翻訳
大阪大学出版会
 

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この記事へのコメント

父の在宅介護の時は、基本的に喫煙の嗜癖があったので、気管支や肺臓の脆弱性がありました。
でもはじめは、血圧と体温を毎日計っていましたのに、毎日の忙しさにかまけて忘れていました。理学療法士さんに「お父さん、お熱ありますよ」と言われてその時は37℃でした。大したこと無いと思って忘れていたら4~5日していきなり38~9℃の熱が出て、「インフルエンザ」と診断されました。医者の都合で病院に入院して院内感染で死にました(享年88歳)。
母の介護は、父の二の舞は踏むまいと二階に介護用ギャッジアップベッドを据え付けて貰いました。
しかし又しても日常の忙しさにかまけて血圧を測るのは忘れてしまいました。
総コレステロール量は300ありましたので、抗脂血症薬リピテルを飲ませていました。
歯槽膿漏の為に固いものが食べられず、煮抜きの卵やチーズを喜んで食べていました。
アルツハイマーと診断されて9年後にアルツハイマーでは無いと再診断されたのに、ボーっとしているように見えるとアリセプト3mmをハサミで1/4に切って飲ませていました。それでトイレにも行くことができず、声も出せず、右手でお箸を握って食べる事もできなくなりました。
私が買物に2時間掛かって帰って来たら、トイレに行こうとしてベッドに端座位で座っていて脈が有りませんでした(享年91歳)。
母が死んでから新横浜で開催された「認知症治療研究会」で母の症状が「パーキンソン症候群」だと気が付きました。母は薬剤過敏症の傾向がありました。アリセプトがアセチルコリンだとは気が付きませんでした。そう言えば母方の祖母も晩年パーキンソン病になって一人で東京の病院で開頭手術を受けたけれど、あまり良い結果は無かったと聞いた事がありました。遺伝的な物もあったのかと思います。
医師や介護関係者の方のおかげさまで、二人とも長寿の方かなと思います。
私が、たばこや薬の知識があまりなく、血圧や体温をルーチンに計らなかった事を悔やんで、毎日位牌に謝っています。

Posted by 大谷佳子 at 2017年04月03日 12:31 | 返信

医療や介護の現場だけでなく
いろんなことにリスクはつきものです

ただ
ここには 信頼関係が大事かと…思っています
「こんなはずじゃなかった」って言葉を聞いちゃうと
やっぱり
あなたは 他人に委ねてしまったんですね…と心の中で思ってしまいます

特に在宅医療の現場では
病院のように 同意書なる用紙が飛び交うのを見たことはありません
病院で手術が決まると
何枚も同意書にサインをさせられたものです
延命処置はしませんの同意書もありますよね

ほんとに
形だけの同意書ではなくて
ご本人やご家族にバリバリの医療用語で説明するのではなく
わかりやすい言葉で説明というか伝えていくことが大事です
意思決定支援をしっかり やっていきたいです

Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2017年04月04日 11:47 | 返信

私は「Dr.和の町医者日記」を時々コピーしてホッチキスで綴じて、それで家じゅうに「Dr.和の町医者日記」があふれているのです。偶然昔私の勉強部屋だったけれど、今は物置兼ベランダへの出口になっている部屋の床に「Dr。和の町医者日記」が散乱しているので、拾ってみたら「2013年11月08日」のブログで「平穏死を保障する法律が危ない」と題するMRICの坂根みち子先生の論文でした。
「作家で医師の海堂尊氏は以前から死後CTやMRI等の画像診断(Ai)を用いて死因の診断のスクリーニングを行い、不明な場合は解剖するという2段階の死因究明制度の構築を訴えており、厚労省の検討会でも2年も前にAiの活用を推進するように答申、特に死因不明の小児の死亡に関してはまず全例画像診断を勧めている。
日本は医師数では先進国最低でも、CTとMRIでは断トツ世界1なのである。これを使わない手はないが、厚労省は遅々としてこれを7勧めてこなかった。亡くなってから病院に搬送されてきた人の死因を究明するのに医療保険は使えない。家族の了承を得て数万円の費用を払っていただいてAiを施工するか、病院の持ち出しである。システムとして成り立っていない。
つまり、死因不明社会の改善が急務であり、必要な死因に究明は遺族の承諾なく出来るようにすること、限られた人と予算の中では、AIを活用することが理にかなっていることがわかる。
ところが、である。世の中に死因がわからないままの死が多数存在するというのに、厚労省は何を血迷ったか診療に関する死だけ「予期せぬ死を全例届させて再発防止と原因究明のために報告書を作り、しかもその報告書を死因について納得しない遺族が裁判の資料として使う可能性も否定しないという。
============以下略。
と論文は告発していらっしゃいます。それに対して私〈大谷)は「とにかく、何を言われようと、母を平穏に生かせて平穏に死なせたいです。その為には、亡くなった後、遺体解剖されても、画像診断されても、結構です。私自身は「孤独死」したいのですけど、それは許されないでしょうね。せめて、独居で平穏死して遺言を書いておきますから、死体解剖でも画像診断でも、なんでもやって下さいという気持ちです。」と書いてありました。
母は去年2016年1月27日に身罷りまして、救急病院でCTスキャン(Ai)にて大動脈解離による心タンポナーデと診断されましたので、なんだか私の希望が、かなえられたみたいで驚きました。
この「Dr.和の町医者日記」に希望を書き込むと、夢は適えられるようですよ!

Posted by 大谷佳子 at 2017年04月05日 07:21 | 返信

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