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追悼 田中雅博先生
2017年04月11日(火)
数年前、ある医学会で、田中先生と一緒に講演したことがあった。
その時はお坊さんであることを全くしらず大人しい人だと思った。
その後、田中先生が膵臓癌に冒されていることを知った。
患者として僧侶としていくつかの本や連載を書かれていた。
田中先生は僧侶としても立派な方だと、尊敬していた。
どっちか本職か分からない不思議な魅力に溢れていた。
そんな田中先生が膵臓癌になったのだが、
抗がん剤治療をちゃんと受けておられた。
どこでやめられたのかは知らないが、
「田中先生もやるんだ」とは思った。
そうそう。
先週大阪大学消化器内科の膵臓癌の研究会があった。
新進気鋭の若手の医師の発表を聴きながら、思った。
膵臓癌の診断だけは、30年前とほとんど変わっていない。
膵臓癌を早期に発見するのは今でも困難である。
田中先生に限らず、消化器の有名な専門家が膵臓癌で亡くなられている。
膵臓癌の10年生存率は、たった5%。
がん全体の平均が58%だから、まさしく普通のがんの10倍厳しい癌だ。
開業してからこれまで私が発見した「完治せしめた膵臓癌」は2例のみ。
それでもまあたった1cmの膵臓癌をよく見つけたなあと自分でも思う。
早期発見のためには、画像診断(CT,エコー、MRI)で
・膵管拡張(3mm以上)
・多発性のう胞、をリスクファクターとして持つ人を厳重フォローしかない。
最近増加しているIPMNから発生する膵癌は、まだ大人しい方かもしれない。
通常の膵癌とはまた少し違うニュアンスだ。
いずれにせよ、芸能人にも多い膵臓癌。
糖尿病の人やグルメ志向の人は、最低年1回は腹部エコーを。
私も気をつけなければ。
と言いながら、腹部エコーすらしていない不養生な私。
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この記事へのコメント
医師とお坊さんを兼業なさった、お方がおられたとは。
それが歴史上では、"さもありなん" な事柄であったのか否かは
知りませんでした。けれど、人の命を看る方と、人の魂を思う方が
同じ志として、職業として合わせ持つのは必然であったようにも
思えます。現代にしてみたら、困難な事由もあるのかも知れませんが、
僭越ながら申し上げますと、長尾先生は大きなグループの長である
事業主であるよりも、『医師・兼・僧侶』の方が相応しいのでは?
と、印象として思いました。
Posted by もも at 2017年04月11日 09:47 | 返信
合掌
Posted by 尾崎 友宏 at 2017年04月12日 12:28 | 返信
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