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後期高齢者への抗がん剤の効果

2017年05月01日(月)

後期高齢者への抗がん剤の効果を国を挙げて検証が開始。
「やめどき」の啓発が一歩進んだのでいいことだと思う。
しかしエビデンスという上等なものは出てこないだろう。
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高齢者抗がん剤治療に指針 厚労省、
大規模調査へ 延命効果不明の指摘も

2017年4月28日 (金) 共同通信社

厚生労働省は27日、高齢のがん患者に対する抗がん剤治療の指針作りに乗り出す方針を固めた。高齢患者について抗がん剤の延命効果を調べたデータは少ないため、全国の患者の情報を集約する「がん登録」の制度などを活用して大規模調査を進め、指針に反映させる。

 国立がん研究センターは同日、75歳以上の高齢者に抗がん剤を使っても延命効果がない可能性を示唆する研究結果を発表した。厚労省はこうした結果も参考にし、今後6年間のがん対策の方向性を示す第3期がん基本計画に、高齢者を含む年代別のがん治療法の検討を盛り込む。

 がん患者は高齢化が進み、同センターによると、2012年に新たにがんと診断された約86万人のうち、75歳以上は約36万人と推計されている。

 厚労省は、高齢者を対象とした臨床研究を進め、認知症を合併した患者の支援を検討する。患者によっては抗がん剤の投与をやめて副作用をなくす治療を提案、生活の質を保つことも視野に入れる。高額な抗がん剤の過度の使用が減れば、医療費削減も期待できる。

 同センターは、07~08年に同センター中央病院を受診した約7千人のがん患者を調べた。肺がんでは、75歳未満で抗がん剤治療による明らかな延命効果が見られたが、75歳以上は抗がん剤治療を受けた患者と受けていない患者の生存期間に大きな差はなかった。

 ただ、75歳以上の患者は19人と非常に少なく、同センターは科学的に抗がん剤の効果がないとは言い切れないとしている。胃がん、大腸がん、乳がん、肝がんでも調べたが、統計的に意味のある結果は出なかった。

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高齢者に抗がん剤、効果は? 
大規模調査で診療基準策定へ 厚労省

 

2017年4月28日 (金) 朝日新聞

厚生労働省は、高齢者のがん治療についての診療指針を策定する検討を始めた。副作用を伴う抗がん剤治療や苦痛を減らす緩和ケアが、延命や生活の質にどれほど有効なのか。大規模な調査をして、高齢者に特化した判断基準づくりを目指す。集団検診についても今後、どの年齢まで受診を推奨するかを検討する。

 65歳以上の人口は、2025年には3割を超すと推計されている。がん患者のうち、高齢者の割合は約7割を占める。複数の病を持ち、個人差が大きい高齢者向けの基準が求められていた。

 だが高齢者を対象とする臨床研究は少ない。国立がん研究センターが27日に公表した抗がん剤を使用した場合としなかった場合の延命効果の調査結果でも、75歳以上に大きな差は出なかった。調査した人数が少なく、センターは「統計的に意味のある結果を得られなかった」とした。

 厚労省は、今夏にまとめる第3期がん対策推進基本計画に高齢者のがん治療法の研究を盛り込み、指針を作る方針。

 日本老年医学会前理事長の大内尉義(やすよし)・虎の門病院長(老年医学)は「特に75歳以上の治療については、治験などの科学的根拠が乏しい。日常生活動作や認知機能が衰えていればなおさらだ。科学的なデータを集めながら、高齢者に必要な医療を模索していく必要がある」と話す。

 (黒田壮吉、野中良祐)


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興味のある人は、拙書「抗がん剤10のやめどき」を参照してください。
 

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この記事へのコメント

yomiDr.にも載ってました。
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170427-OYTET50005/
結局、過剰医療をストップさせるのは医療倫理でもなく市民の意識向上でもなく「カネが無い」と政府が悲鳴を上げることなのだ。
年寄りは早く死ねって、それはごもっともだけど、緩和医療だけはお金をケチらないでね!!! お役人様だって誰だって痛いのはイヤでしょ。

Posted by 匿名 at 2017年05月01日 01:43 | 返信

私の父は、死ぬまでタバコを吸ってたので、上行結腸癌は市民病院でオペのみでした。
でも、その年の内に耳下腺腫瘍を独立行政法人関西労災病院で簡単で精密なオペをしてもらったまでは良かったのですけど、年明けに放射線治療を、何日してもらったのか忘れました。20日くらいだったか。
もう87歳でしたから、相当堪えたのでしょう。帰宅した途端尻もち転倒して、寝たきりとなり半年後に肺炎を起こして院内感染MRSAで死にました。
抗癌剤は、全く服用していませんでしたが、タバコを死ぬまで吸っていたので、どっちみちロクな死に方はしない運命だったのです。父本人も「タバコ吸ってるのは、医者への冒涜やなあ」と言っていました。

Posted by 匿名 at 2017年05月01日 01:53 | 返信

末期の患者への標準量厳守投与で、死んでいくのは高齢者以外も同じ。ガイドラインにも
書かれている、個人に合わせた、抗がん剤減量を何故検討してくれないのか。
何でもかんでも標準量は、腫瘍内科医の怠慢だと思う。高齢者にきっちり標準量では、
副作用で死んでくださいみたいなものかと思います。減量投与を検討して実行してくれたら、
国が支払う薬剤費も減るでしょう。止め時も大事ですが、減らし時も検討してください。
標準量厳守投与を崩さない、個人に対応できない腫瘍内科医に、死に追いやられている様な
気がします。(訴訟が怖いのかと勘繰りたくなるほどです。)

Posted by 樫の木 at 2017年05月01日 10:42 | 返信

どれもこれも、「年寄りに抗がん剤ムダ」は、
「統計的に意味がない」とは言うことで ね。
聴いた者の耳には、「ムダだよね」という結論に導かれる。

「弾頭に生物化学兵器が」と、首領が煽り、●●率急上昇。
米原子力空母「防護!」に海自艦出動。ゲーム感覚で興奮の国民も。
日露戦勝利に酔った、日の丸提灯行列。
ある日、一挙に激変する国民性。

憲法記念日撤廃、5.3「明治の日」に衣替え。
極右壊憲政権が、もっか、提案準備中。
紀元●が建国記念の日になったように、明治●が明治の日に。

Posted by 鍵山いさお at 2017年05月01日 03:10 | 返信

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