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糖尿病重症化予防と日本健康会議
2017年07月02日(日)
日本健康会議事務局長で国際医療福祉大学教授の渡辺俊介先生
の講演「糖尿病重症化予防と日本健康会議」を、昨日拝聴した。
思わず、「メタボ検診の二の舞にならない」ことをお祈りした。
の講演「糖尿病重症化予防と日本健康会議」を、昨日拝聴した。
思わず、「メタボ検診の二の舞にならない」ことをお祈りした。
2015年7月に、日本健康会議が発足した。
民間主導で職場、地域での健康づくりを国が資金面を含め全面的に支援。
民間とは、医師会、経済界、保険者が中心で32人の実行委員がいる。
意外かもしれないが、
医師会、経済界、保険者が連携するのはじめてのことだ。
同会議の目標は
1)健康づくり(目玉は糖尿病重症化予防)
2)ジェネリック薬の普及
実施主体は、主として保険者
職場では組合健保、協会けんぽ、共済組合
地域では市町村の国民健保、となる。
1)の中で最重要視されているのが、糖尿病の重症化予防である。
予備軍含めて2000万人以上もいるのだ
透析患者さんには、年間500万円以上の医療費がかかる。
新たな導入患者さんが年間1万6千人もいる=800億円の医療費。
しかし食事と運動と薬で、かなりの予防ができる。
保存期の腎不全患者さんに多職種で介入すれば
医療費が削減できる、というエビデンスがある。
具体的取り組みが、ワーキンググループで検討中であるが
かかりつけ医と連携した取り組みが重視されているという。
というのも、糖尿病患者さんの65.1%は、診療所にかかっているからだ。
これは平成26年10月の某日における糖尿病外来患者22万人の分析からの数字。
様々な課題があるが
市町村担当者と医師会の連携不足が最大の課題である。
医師会との連携は6割でかかりつけ医との連携は7割にとどまっている、という。
最後に、広島県呉市、長野県松本市、長崎県対馬市での取り組みが紹介された。
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講演を聴いた私の感想。
1)糖尿病重症化予防が最重要、という視点は間違いなく正しいが
その戦略をもう少し練る必要がある。
2)各団体のトップだけで意思決定することになっているが現場を知っているのか不安である。
机上の空論にならないか。膨大な無駄を垂らしたメタボ検診の二の舞にならないで欲しい。
3)市町村国保担当者ではなく、市町村の首長さんをリーダーにして競わせるといい。
そのためには、まずは市町村医師会長さん全員をその気にさせると効率がいい。
4)経済界は大企業だけでなく、中小零細も最大限カバーしないといけない。
貧困と病気、下流老人、健康格差という言葉を吟味した政策を期待する。
5)糖尿病だけに限定せず「認知症初期集中支援チーム」と「地域包括ケア」をも
含んだ活動を期待する。糖尿病の先には認知症、そして要介護状態があるから。
6)食事(ロカボ食)と運動(歩行)を、国はもっと本気で啓発すべきだ。
NHKで毎日何度も繰り返し、そのような放送を行ってはどうだろう。
7)会議のための会議ではなく本当に実のある会議にするために、密室ではなく
公会堂等を会場にした公開会議とし、テレビでも放映しそれを啓発にしたい。
8)メタボ検診のように悪質な業者の金儲けに国費が投入されない仕組みづくり。
つまり民間業者を遣うのではなく国民啓発というお金のかからない工夫が要。
9)国保財政が危機的状況であることを広く国民に知ってもらう努力も大切だ。
10)単純なジェネリック誘導よりも、多剤投薬対策を優先させるべき。
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以上のことは「月刊公論」などで繰り返し述べてきた。
新たな税金の無駄を生みだすことだけは避けて欲しい。
糖尿病は単に人工透析だけではなく認知症やロコモや肺炎など
万病の元であることを意識したワーキング活動を期待している。
渡辺氏と話をしたが、温厚でさすが事務局長に選ばれる方だった。
以上の感想や私の過去の論説記事も読んで欲しい、とお伝えした。
キーワードは
・糖尿病
・認知症
・地域包括ケア
・そして、まじくる、である。
PS)
これから2019年の死の臨床研究会イン神戸の第1回実行委員会だ。
安保大会長のかけ声のもと本日13時~神戸大学病院内で開催される。
2年後の学会の準備がもう始まっている。
不肖私も実行委員を拝命したので、微力ながらお手伝いしたい。
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