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医学生と経済学部生に「死の授業」

2017年07月06日(木)

数年前から、いくつかの大学の教員も拝命している。
今日は兵庫医科大学と関西学院大学の学生に「死の授業」をした。
講義終了後に、いろいろと話しかけてくる生徒がいて嬉しかった。
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この大学では、先月と今月、90分X2回の授業をしていた。
コンビニアルバイト程度の時給を頂くがボランテイアである。

先月はこの講義のためだけに東京から往復したので交通費宿泊費だけでも5万円(泣)。
源泉徴収200円なんて手紙が送られてくるが、切手代のほうが高いのではないか。

沢山の仕事があるなか、そんな状況で大学生に「死の授業」をする意味があるのか
と悩むことがあるか、その都度「意味がある」という結論に達するので続けている。

多死社会のピークは、今から23年後の2040年だ。
今日講義を受けた20歳の子供は、43歳になり社会の中心で活躍している。

その時は、私たちの世代の「死に頃」でもある。
なんらかの形で23年後にこの子供たちと再会するかもしれない、と思いながら話す。

多死社会の問題は、死んでいく当人だけの問題と思われがちであるが
実はその社会保障コストを負担する世代にとって最大の問題でもある。

また、その世代が親や祖父母の意思決定支援をすることにもなる。
一見関係が無さそうに見える胃ろうの知識が何十年後には必ず役にたつはす。

世代的に近い、小林麻央さんのさんの膨大なメッセージや写真や映像も使った。
国民病である「がん」とのつきあい方についても、分かり易く話したつもりだ。



夜は、この国の社会保障政策を担われている
・日本医学会のトップ
・厚労省のリーダー
・経済界のリーダー
・医学部や大病院のリーダー
・産業保険分野のリーダーら
10人で会食した。

とても有益な議論が交わされ、楽しい夜になった。

全員の意見が一致したのは、「日本はもっと予防医学に力を入れるべきだ」
という一点であった。

日本健康会議の渡辺俊介事務局長(先週挨拶した)にも聴いてほしい内容であった。
こうした多職種で自由に議論していかないと日本が進むべき道はなかなか見えない。

それだけ社会保障政策は誰がどうやっても難しい難しい局面にあることだけは間違いない。
破綻を回避するには、民間主導でこうした有識者会議をオープンに行うことではないのか。


そして現場の医師や看護師たちが、地元の大学生や高校生、時には小学生の
「健康」や「病気」」だけでなく、「死」の教育までもすることではないか。

大きく言うならば、世間からなにかと評判が悪い日本医師会の仕事ではないのか。

「かかりつけ医」こそ率先して地元の大学で学生たちに真実を教えるべきである。
そうした持論がより強化された1日であった。






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この記事へのコメント

普通の医者と患者(家族)の間には「人と人としての会話」は、無い。医者が指示命令し、患者(家族)はそれに従う、命令従属関係が、これまでの日本の医者と患者(家族)の関係だった。

私は、普通の医者から見れば
「素人のくせにネットの知識を振り回してクスリに注文つける生意気な家族」です。
老父の、現在の在宅訪問診療医師は、長尾先生の門下生だったのかな、と感じることがあるくらい、私の意見を(少なくとも)聞いてくれる。その医師と私の間で「人と人としての会話」が成立する。

長尾先生のご苦労は、どこかで、報われています。

Posted by 匿名 at 2017年07月07日 04:13 | 返信

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