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毎日新聞 紙面では「安楽死」、ウエブでは「尊厳死」

2017年07月12日(水)

毎日新聞の本紙を読んで驚いた。
この見出しが「安楽死」になり、文中も「安楽死」に統一されていた。
しかしウエブの見出しは「尊厳死」で、いったいどうなっているのか。
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まさか私のこのブログを読んで、記者が訂正したのではないだろう。

それにしても、紙面では「安楽死」、ウエブでは「尊厳死」って
毎日新聞の記事はヘンじゃない?

どちらが正しいねん?
そう思う人が多いだろう。

実は、どちらも正しくない!!!

えええ???

と思う人が多いだろう。

どちらかと言うと「安楽死」の方がやや正しい。
少なくとも、「尊厳死」は、やや間違っている。

こう書くと、ますます混乱する人が多いだろう。

仮に「安楽死」が正しいとするならば、
英国は安楽死禁止の国なので、その国でのニュースとしてどうなのか。

英国では安楽死が無理なので安楽死OKのアメリカに行くというニュースでもない。
安楽死OKのアメリカの大統領が安楽死に反対している、というニュースでもない。

じゃあ、「尊厳死」として報道するのが正しいのか。
これも正しいとは言えない。

なぜなら、「尊厳死」は「不治かつ末期」が前提条件であるが、
この赤ちゃんは、不治かもしれないが、「末期」とは言えない。

「末期」とは、どうやっても死が真近に迫っている状況をいうが
この赤ちゃんは、このまま頑張れば、何年~何十年と生きる可能性がある。

えええ???

「安楽死」も「尊厳死」も間違い、だって???

もしそう聞かれたら、「間違いと言えるかどうか分からないが、この状況を説明する
日本語が存在しないので、「日本語の単語を使って表現することは困難」と答えよう。

このケースは「Death with diginity」と表現される事例であり
そういう判断であれば英国では、合法であるという認識なのか。

Death with diginity とは日本語に訳すると「尊厳ある死」。
しかし日本語では「尊厳死」ではなく、「安楽死相当」となる。

??? という人が多いだろう。

だから毎日新聞の内容は、「Death with diginity」という横文字で
表現すれば、このような苦労をしなくても良かったかもしれない。

欧米の尊厳ある死=日本語の安楽死
欧米の安楽死=日本語では「殺人」、ないし言葉が無い。

ではここで問題。

日本語の「尊厳死」は、英語ではなんと言うのか?

答えは、
当たり前のことなので「そんな外国語は無い」あるいは「自然死」だろうか。

あるいは、「平穏死」で、これはpeacefull death という。

難しいですか?
でも、私の講演を何度か聞いている人は理解できると思う。

あるいは拙書、「長尾和宏の死の授業」を読んでくれている人なら
だいたいお分り頂けるはずだ。

実は、このニュースとっても難しい問題だ。


と書いたところで、
昨日の日経新聞にもこのニュースが載っていた。→こちら

ここでは、「尊厳死」と表記されていた!?・・・・・

なんと、毎日本紙は「安楽死」で、日経本紙は「尊厳死」だって?


日経新聞は X
毎日新聞のウエブ版も X
本紙は、○に近い△


ちなみに日本尊厳死協会は尊厳死に賛成するが、安楽死には反対している市民団体だ。
毎度毎度マスコミはなにも考えずに、不適当な表現、誤報を続けている国、ニッポン。

詳しく知りたい人は、8月3日(木)の日比谷でのイベントに来て下さい。→こちら




























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この記事へのコメント

安楽死に反対って、安楽死はいけないことですか?
死にたいというのは悪いことですか?
自殺は犯罪ですか?

「死にたい」精神状態が正常ではないから病気である、ゆえに精神科を受診せよ。⇒ 精神科を受診するとウツ状態なので抗うつ剤投与 ⇒ その抗うつ剤自体が自殺を誘発。
卵が先か鶏が先かと同じではないですか?

ちなみに、借金で首が回らなくなった零細企業の社長は、自殺してもカネになる生命保険に入っている。ただし自殺する前に精神科を受診して「病気であった」証拠を作っておくのが常道というおハナシです。これが斜陽大国ニッポン。

Posted by 匿名 at 2017年07月13日 02:08 | 返信

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