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糖尿病とサルコペニア・骨粗しょう症

2017年07月14日(金)

昨夜は、大阪市大の稲葉雅章教授による「糖尿病とサルコペニア・骨粗しょう症」
に関する講演を拝聴してとても勉強になると共に今後やるべきことが見えてきた。
糖尿病重症化予防にはサルコペニア・骨粗しょう症対策という視点を持つことだ。
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糖尿病であること自体が、サルコペニア(筋肉量減少)と
骨粗しょう症であると考えるべきである。

従来、脳や心臓の血管合併症ばかりが注目されてきたが
もう少し視野を広げて考えていかないと視野狭窄になる。

糖尿病患者さんには、早期からそれらへの対策が必要だ。

具体的には
ビスフォスフォネートとVD。
高タンパクで低リンの食事。

転倒防止には潜在性低血糖の回避が」最優先。

そのためには
・HbA1cは7%以下は危険
・SU剤やインスリンは避けて、できればDPP4製剤へ
・BOTも場合によっては危険


流行りのロカボ食はやりすぎるとサルコペニアになる。
だからレジスタンス運動(筋トレ)との並行が大切だ。

ビスフォスフォネートとVDもやり過ぎは害になる。

ビスフォスフォネートは3~5年を限度に、
VDは、Ca濃度やVD濃度をモニタリングしながら。

稲葉先生と初めて話したが、今後のこの領域のトップリーダーになる人だと感じた。
糖尿病は全身病として臓器相関の中で考えていかないと単なる血糖値屋さんになる。

このテーマは壮大で難解なので、稲葉先生には今後も教えてもたいたいと思った。


@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

私なりに言うなら、
「US剤とインスリンのやめどき」が糖尿病学の大きなテーマである。

どこか「抗がん剤のやめどき」と似ているなあ。

午前2時、この原稿を書いている今、
ある末期がん患者さんから電話がかかってきた。

「先生、眠前に低血糖が怖くてアンパンを食べたら、今血糖が300もある!」と。

パニックになっていた。

その患者さんは末期がんで余命いくばくもないのに、病院の糖尿病専門医からは、
「1日4回血糖の自己測定と2種類のインスリンの4回打ち」を指示されている。

インスリンは死ぬまで打つように言われた、とのこと。
あああ・・・・まあよくある話だが。

その先生は血糖値しか見ていない。
生活や睡眠や精神状態や生きがいより血糖値正常化が優先と考えているのだ。

独居の末期がんにインスリン4回打ち、
独居の末期がんにと特定検診の再三の呼びだし・・・

もし医療費のことを本気で考えるのであれば、こうした過剰医療に介入すべき。
無駄を省くことで患者さんの尊厳は上がり、おまけに医療費は減るのだが・・・


「健康のためには死んでもいい」ではないが
「血糖のためには死んでもいい」になっていて、本末転倒である。

そうした医師を少し擁護するならば、間違った医学生涯教育が問題だと思う。
「全人的医療としての糖尿病医療」を本気で考えない大学や医学会にこそ問題の本質がある。


医療界の無作為で患者が不幸になってはいけない。

偶然ではあるが、在宅患者さんからの悲痛な叫びに対応しながらそんなことを思った。

「全人的糖尿病学」や「インスリンのやめどき」について糖尿病専門医に講演してきた。
3年前熊本市の陣内病院という専門病院に呼んで頂いたことは、町医者として光栄であった。

明日は、豊岡市で久々に糖尿病の学術講演をすることになっている。→こちら
歌わないで真面目に90分間講演する。

こうした想いを在宅看取り率が日本一の豊岡市の医療職にお伝えできれば幸いだ。
















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