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在宅医療と救急医療の連携

2017年07月31日(月)

医療タイムス8月号の連載に「在宅医療と救急医療の連携」で書いた。→こちら
市民にとっては両者が車の両輪となるだろう。
全国各地で同様の研究会が開催されるといい。

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医療タイムス8月号  在宅医療と救急医療の連携  長尾和宏
 
 7月22日東京・虎ノ門で「第1回日本在宅救急研究会」が開催され全国から約300数十人が参加。私もシンポジストの一人として登壇した。在宅医療と高度急性期医療は一見、対局に位置するように見えるかもしれない。しかし患者さんの立場からみれば両者とも大切で車の両輪と認識すべきだろう。そうした趣旨で本邦初の在宅医と救急医の連携に関する研究会が発足した。
 全国各地での連携モデルが紹介された。たとえば佐賀医大救命部においては在宅医療と非常に親和性が高い。「在宅医療は救急医療の一部門」という考え方は佐賀県という小さな県だからこそ成り立つのかもしれない。あるいは八王子の永生病院が中心となった事前指示書をも取り込んだ連携システムは目を見張るものだった。救命医が在宅医療も経験するべきだという信念に感銘を受けた。先駆的な連携モデルに全国の自治体は学ぶべきだろう。

 一昨年、台湾の嘉儀という都市に講演に行った時に台湾の在宅が9時5時であったことに驚いた。夜間対応は地域の中核病院の医師や看護師が患者宅を訪問していた。まさに地域の病院が在宅療養支援病院として夜間対応を一手に引き受けていた。しかし我が国の在宅療養支援病院や地域包括支援病棟は、急性増悪時の入院加療と退院支援機能に留まっている。もし夜間の人的資源に余裕がある大病院があるなら是非とも在宅にも力を貸して欲しい。また地域によっては療養病床との連携を深めることが必要だ。

 在宅医からの情報提供の量と質の改善を求める声が救急側からあがった。在宅側が提供する情報と救急側が求める情報が一致していないという。双方の需要を満たすフォーマットの開発が急がれる。また今後は救急→在宅という流れも意識しないといけない。私自身は「看取り搬送」や「霊安室往診」の話をさせて頂いた。明らかに無用な救急搬送や無用な警察介入を減らすためには救急隊や警察も含めた意見交換と情報共有が不可欠だ。看取りの法律に関しても相変わらず医師の誤解が多く、正しい法律解釈の啓発が急がれる。

 一方、リビングウイルを有する患者さんへの対応への苦労も聞かれた。救急現場において人生の最終段階の医療を本人の意思をどうやって尊重するかも大きな課題だ。しかし「助かり延長できるかもしれない命」と「そのための処置を拒む患者さん」の狭間で救急医たちは困惑している。患者さんの希望に寄り添うためには時間と技術が必要だ。もはやパターナリズムや延命至上主義という時代ではない。画一的に語れないのが現代医療、特に生死に直結する救命医療だ。救命処置と延命措置の区別も啓発する必要がある。一方、両者は延長線上の乗ってくる可能性がある。今後は、在宅医と救急医は医療面だけでなく、生命倫理、臨床倫理面でも深く連携し協働する必要がある。

 いすれにせよ、これまでほとんど接点が無かった在宅と救急が同じ土俵で真摯に意見交換できた意義は大きかった。同時に在宅側と救急側で大きく意見が異なる点が多くあることも明らかになった。会を終え、在宅医療と救急医療の連携には課題山積とあると感じた。本研究会の発展に期待したい。また全国各地で同様の会が開催されるだろう。そうした活動こそが地域包括ケアの土台造りになるはずだ。



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一方、今週発売の日本医事新報にもこの研究会の記事が載っている。→こちら

私の講演内容もちゃんと書かれている。
しかしこうした話題について議論されることが無かったのは、とても残念であった。

正直、私の頭の中と救急医の頭の中は正反対である。
大きな課題を再確認した場となった。

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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

先日の討論会は、長尾先生もお疲れになったようですけど、医療タイムスを読む限り、在宅介護者や家族にとっては、意義のある一歩であったのだなあと感謝しています。
日本医事新報は間違った号を取り寄せたので、また注文していますけれど、良い討論会になったのではと思います。
なんでも始めは大変ですね。在宅医療と救急医療がタイアップして下さったら、在宅介護も助かります。
しかし介護も、年々複雑で高度になるのではないかと思います。
介護も医療に学び、医療も在宅介護を理解して頂ければ、助かります。

Posted by 匿名 at 2017年08月01日 11:54 | 返信

うるおぼえなんですけど、トルストイの「アンナ.カレーニナ」に「幸福な家庭は、皆一応に幸福だが、不幸な家庭は様々に不幸だ」と書いてあったと記憶しています。
幸福な家庭も、様々なんでしょうけど、在宅医療でいろいろな家庭に入られるお医者さんには様々な家族の在り様が、目に映るのでしょうね。
フジテレビの討論会でも「在宅医療と救急医療の討論会」でも多様性を長尾先生が訴えられていらっしゃいます。
聞く方は、一律の在宅医療における患者さん、救急医療における患者さんのあり様も見てしまいがちですね。

Posted by 匿名 at 2017年08月02日 07:03 | 返信

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