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膵臓がん 長期生存には1cm以下で発見したい

2017年08月23日(水)

産経新聞・膵臓シリーズ第3回は、「膵臓がんの診断」で書いた。→こちら
長期生存のためには、なんとかして1cm以下で発見したいもの。
そのためには無症状の時に、人間ドックなどで見つけるしかない。

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産経新聞・膵臓シリーズ第3回  膵臓がんの診断
                長期生存には1cm以下で発見
 
 膵臓がんで亡くなる人が増えていると感じませんか?私の周囲ではこの5年間に数人の知人が40~50代の若さで膵臓がんで旅立ちました。膵臓がんがかなり厳しいがんであることは皆様も肌で感じているはず。膵臓がんになる人は年々増加傾向にあり年間3万人以上の人が亡くなっています。男性は女性の1.6倍多く、60歳くらいから増える病気です。膵臓がんの3~7%は家族性です。親兄弟に2人以上の膵臓がんの人がいれば危険性が7倍に高まり、家族性膵臓がんと呼ばれています。

 膵臓がんは早期発見が難しいこととがんの悪性度が高いことが特徴です。がん全体の5年生存率が62.1%であるのに、膵臓がんは7.7%と極端に低い値です。もう少し細かくみるとがんの直径が1~2cm以下で転移がない場合の5年生存率は50.0%ですが、3mm~1cmでは80.4%です。つまり長期生存のためにはがんを1cm以下で発見するしか手がないのです。多くのがんは大体2cmまでで発見できればいいというイメージですが、膵臓がんだけは2cmでは甘く、1cm以下で見つけないと助かりにくいのです。しかし実際には膵臓がんの6割はステージⅣで発見されていて、そのうち手術ができるのは2割程度です。

 ではどうすれば1cm以下という小さな段階で膵臓がんを見つけることができるのでしょうか。膵臓がんの自覚症状は腹痛や黄疸や体重減少ですが、症状が出てからでは極めて厳しいことを是非知っておいて下さい。大切なことは自覚症状が無い段階で健診や人間ドックなどの機会で見つけるしか手がないことです。なにより膵臓がんの危険因子を知っておきましょう。1)前述した家族歴、2)糖尿病、3)慢性膵炎、4)肥満、5)喫煙、6)大量の飲酒などが挙げられます。これらの数が多いほど膵臓がんになり易いので、該当者は要注意です。お腹のがんとして胃や腸だけでなく、膵臓もマークしておいてください。

 腹部超音波検査は日常診療や人間ドックなどで気軽に行われています。腹部全体の臓器をもちろん膵臓も含めて観察しますが、胃袋の後ろに位置する膵臓は食後だと見えにくい部分が出てきます。また肥満者は皮下脂肪や内臓脂肪が邪魔をして超音波が膵臓まで届きにくく条件が悪くなります。だから超音波検査だけで膵臓がんを早期発見することはできません。しかし超音波検査が早期発見の発端となることはよくあります。膵臓がんができやすい要注意の超音波所見が2つ知られています。それは膵管の拡張と膵のう胞の多発です。これらの所見が契機となり精密検査に移ることで早期発見に至ることがよくあります。

 精密検査としてはまずCTやMRIなどの画像診断を行います。さらに超音波内視鏡やERCP検査(内視鏡的逆行性膵胆管造影)や膵管鏡検査なども行います。ちなみに私自身も25年前、大学病院や市民病院でこれらの検査を担当し膵管の中を観察していました。

 また血液中の膵臓がんの腫瘍マーカーとしてCA19-9が有用です。CA19-9を測定することで1cm以下の膵臓がんの4割が発見できるという報告もあります。しかし裏を返せば6割は発見できないことや正常値を少し超えた100以下のグレーゾン領域の人には何度も検査を繰り返すことになり精神的なストレスがかかる可能性もあります。
 
キーワード CA19-9
膵臓がんだけでなく胆のう・胆管がんなどの消化器系のがんの診断や治療のモニターとして使われる。基準値は37U/ml以下で8割以上の膵臓がんで陽性となる。CEAとあわせて測定すると正診率が上昇する。
 

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この記事へのコメント

Length Bias を考えると、膵臓癌の早期発見は絶望的です

ハズレでも手術するメリットがあるとも思えないので、尚更、早期発見のための努力は、無駄な危険な手術へたくさんの人を迷い込ませる害が多そうです

ならないことを願うということ、なったら半分観念することが、残念ながら現実的対応策です

Posted by length bias at 2017年08月24日 09:01 | 返信

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