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PPIで認知症の人の肺炎リスクが9割上昇
2017年08月19日(土)
Care Netさん経由で流れてきた。私は「やっぱりな」と、妙に納得。
PPIを服用している認知症の人は、PPIの”やめどき”を考えるべきだ。
PPIで認知症の人の肺炎リスクが9割上昇
台湾・中山医学大学のSai-Wai Ho氏らの後ろ向きコホート研究によると、認知症患者において
プロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用により肺炎発症リスクが89%上昇したことが報告された。
Journal of the American Geriatrics Society誌2017年7月号。
著者らは、台湾国民健康保険研究データベースを用いて、新規にPPIを使用した認知症患者786例
およびこれらの患者とマッチさせた PPI使用のない認知症患者786例について肺炎の発症を調べた。
主な結果は以下のとおり。
・肺炎の発症率はPPI使用群で高かった(調整ハザード比[HR]:1.89、95%CI:1.51~2.37)。
・Coxモデル解析により、以下の因子が肺炎の独立した危険因子であることが示された。
年齢(調整HR:1.05、95%CI:1.03~1.06)
男性(調整HR:1.57、95%CI:1.25~1.98)
脳血管疾患の既往(調整HR:1.30、95%CI:1.04~1.62)
慢性呼吸器疾患(調整HR:1.39、95%CI:1.09~1.76)
うっ血性心不全(調整HR:1.54、95%CI:1.11~2.13)
糖尿病(調整HR:1.54、95%CI:1.22~1.95)
抗精神病薬の使用(調整HR:1.29、95%CI:1.03~1.61)
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PPIとは、オメプラール、パリエット、タケプロン、ネキシウムなど。
実に多くの認知症の人に投与されている。
私は高齢者、特に認知症の人へのPPI投与は気が進まないが、
・病院からの依頼
・NSAIDSの副作用予防(訴訟対策)
・患者さんの粘り強い要求
のために、投与しているのが実態。
しかし”PPIのやめどき”については
「薬のやめどき」にしっかり書いた。
こうした論文の結果は、100%正しいとはかんたんには言えない。
多くの同様の趣旨の研究や追試が行われてメタ解析の結果を待ちたい。
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この記事へのコメント
「プロトンポンプ阻害薬(PPI)の処方を減らせば、高齢者の認知症リスクを減らせる可能性があるという研究が報告された。」とのこと。
「PPIが高齢者の認知症リスクを上昇させる可能性」
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/jama/201603/545943.html
大西淳子さんの記事です。
Posted by 匿名 at 2017年08月19日 03:51 | 返信
「胃薬「PPI」でビタミンB12欠乏症になる恐れ」―米研究
2年以上の服用で、H2ブロッカーも
http://kenko100.jp/articles/131219002748/#gsc.tab=0
ビタミンB12が不足すると筋肉の動きや神経系統に支障が出る、認知症リスクが増大する、ので、ビタミンB12をサプリメントなどで摂取しようとする、と、今度は過剰の心配あるわけで、つまりは、クスリをダラダラ服用することを止めて、おいしいものをたくさん食べたほうがよっぽど賢い選択。色んな食材をバランス良く。
Posted by 匿名 at 2017年08月19日 04:06 | 返信
私、認知症で、ネキシウム大好きです。
今日、品川の認知症治療研究会で、石黒先生に、Feと、ヴィタミンB1の欠乏、それに大きなストレスは認知症の原因になると聞いて来ました。
食べ物は大切だそうです。
Posted by にゃんにゃん at 2017年08月20日 06:22 | 返信
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