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膵臓がんの早期発見  かかりつけ医と専門病院の連携

2017年09月08日(金)

産経新聞・膵臓シリーズ第5回は「膵臓がんの早期発見、 
かかりつけ医と専門病院の連携」について書かせて頂いた。
言うは易し行うは難し、ではあるが頑張らないと。

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産経新聞・第5回  膵臓がんの早期発見
          かかりつけ医と専門病院の連携
 
 消化器を専門とすることになり30年余。自分が果たしてどれだかの膵臓がんの患者さんを診てきたのか頭の中で振り返ってみました。旅立たれた患者さんや知人の顔ばかり何十人も浮かんできます。しかし「私自身が発見して完治せしめた」と言える患者さんの顔は恥ずかしながらたった3人しか浮かびません。医師として情けないことです。今回は、膵臓がんの早期発見についてもう少し考えてみます。

 膵臓がん全体の5年生存率は7.7%ですが,もしⅠ期で発見できれば41.3%です。すなわち命を救うためには膵臓がんを1~2cm以内のリンパ節転移が無い段階で発見するしか手がありません。私は日々の診療で75歳以下の人は「この人は膵臓がん、大丈夫かなあ?」という目で見ています。しかしやみくもに見るのではなく、膵臓がんのリスクファクターを数えます。1糖尿病、2過度な飲酒、3喫煙、4慢性膵炎、5家族歴の5点に注目して、いくつか当てはまる人には年に1回は腹部エコー検査を勧めています。そして膵管の拡張やのう胞の多発を認める人には超音波内視鏡ができる施設に紹介するかどうかを相談します。膵臓がんの早期発見には超音波内視鏡が有用だからです。しかしこうした試みは一医療機関だけではなく町ぐるみで行わないと難治性がんの克服は困難です。

 実は膵臓がんの早期発見に成果を上げている自治体があります。広島県尾道市では07年から開業医と専門病院が密接に連携することで膵臓がんの治療成績が向上しています。市内の開業医が問診と腹部エコーを行い拾い上げた患者さんを市内の専門病院に紹介しそこで超音波内視鏡による精密検査を行います。こうした町ぐるみの取り組みを8年以上続けることで尾道市における5年生存率は18.5%と国の平均の2倍以上に向上しました。膵臓がんのステージにはがんが膵管内にとどまる0期があります。もし0期で発見できれば手術だけで完治し抗がん剤治療は不要です。しかし国の統計では0期の患者さんは膵臓がんのわずか1.1%。しかし尾道プロジェクトでは4.6%(21人)と4倍も高く、かかりつけ医がリスク要因をチェックすることが重要。実は尾道プロジェクトは全国の自治体にも広がっています。山梨県では6年前から大規模なプロジェクトが始まり成果を上げています。一方、全国で実施されているメタボ検診は内臓肥満をターゲットとした検診ですが、喫煙や糖尿病もチェックします。最近は頸動脈エコーで動脈硬化の評価を行う自治体も増えていますが、どうせエコーをあてるならばお腹の膵臓にもあてて欲しいなあ、とずっと思っています。肥満の人を診た時、心筋梗塞や脳梗塞も心配ですが膵臓がんも気になります。

 血液検査による膵臓がんの早期発見の試みも始まっています。早期発見を目的とした血液マーカーを用いた大規模な臨床研究もそのひとつです。慢性膵炎などの患者さんの血液中の「アポA2アイソフォーム」というたんぱく質を測定しその低下を認める人に精密検査を行うという試みが国立がん研究センターなどが中心となり鹿児島県内の50歳以上の人を対象に実施されています。あるいはマイクロRNAというマーカーを用いた臨床研究も始まりました。尾道プロジェクトやCA19-9などの既存の腫瘍マーカーと新しいマーカーの組み合わせによる早期発見の試みに期待しています。

 
 
キーワード  超音波内視鏡
胃カメラの先端部分に小さな超音波機器(エコー)がついている内視鏡。胃袋の中から膵臓などの腹部臓器を観察する目的で専門病院で実施される。通常の消化器内視鏡より太く検査時間も長くなる。
 
 

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