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カンタキの医療制度は欠陥
2017年09月22日(金)
国の肝いりで、看護付き小規模多機能(カンタキ)が増えている。
コンセプトは悪くないのだが医療保険から見たら欠陥制度である。
「医療と介護の連携」というならばこんなことから始めて欲しい。
コンセプトは悪くないのだが医療保険から見たら欠陥制度である。
「医療と介護の連携」というならばこんなことから始めて欲しい。
病院から管がたくさん入った患者さんが
カンタキにどんどん帰ってくる。
医療依存度の高い患者さんは、病院から見れば夜も看護師がいるカンタキが安心。
ということで、管もの(クダモノ)は、バンバン、カンタキを紹介されている。
家族には「家と施設を行ったり来たりできますよ」というセールストークがある。
一見、家族や施設にはいいようだが、在宅医療機関には欠陥だらけの制度である。
実態としては、患者さんはずっとカンタキに居るのだ。
つまり「ずっとショートステイ」なのだ。ロングショートと同じ。
介護保険のショート先には何故か「訪問診療は禁止」と医療保険で定められている。
だから「往診」、「往診」しかない。だって、ずっとそこに居て帰らないからね。
診察しないで処方すれば、医師法20条で医師免許停止になる。
かといって「往診」ばかりだと、オカシイと指導を受けるかも。
要は、カンタキの在宅は「悪」にしかなりようがない。
だからまともな開業医は、カンタキには近づかない。
その上に24時間対応しているのに、訪問診療が月に1度無いと算定もできない。
つまり在宅医から見れば、どうすることもできない制度が、「カンタキ」なのだ。
万一、ここで言っていることが間違っていればどんどん書き込んで欲しい。
このブログは厚労省のお役人さんも見ているそうなので、声が届くかもね。
厚労省は、20近くの「局」の縦割り組織だ。
しかし、それらが連携することはまず、無い。
無い、のではなく、連携しないこと自体が官僚制度の根幹なのだ。
だからこんなことを書いても厚労省内部から改革することは無い。
改革をすることができるのは、政治家だけだ。
しかしその政治が混迷の極みにあり、こんな末梢を興味を持つ政治家はゼロ。
だからここで、カンタキの欠陥をいくら書いても、なんの意味もない。
せいぜい私のうさ晴らしに過ぎないのであるが正直、無力感しかない。
コンセプトは悪くない。
家族の期待も、大きい。
カンタキや小規模多機能のスタッフのモチベーションも高い。
訪問診療医も悪くない。しかし入りたくても入れない仕組み。
悪いのは『制度」だけだ。
制度が人を苦しめている一例だ。
他にも同様の欠陥制度はたくさんあるが、指摘しても放置だ。
すべては、政治や行政内部の連携不足、つまり不作為に起因。
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この記事へのコメント
一人で父と母を介護した家族としては、こういう小規模多機能にしても、看護付き小規模多機能にしても「あったらいいなあ」と思う施設です。でもお話を聞くと、看護師にしても、病院で働くより給料が安く設定されていると聞きましたし、今このブログで医師の訪問診療も、禁止されているのでは、見かけは天国でも入って見れば、誰も幸福になれない地獄のように聞こえます。
私の母の知人(高齢女性)は、ショートステイに行ってくださいと言われて、一日宿泊したら「態度が優秀で介護施設に向いている」と言う判断で正月を挟んで10日間も泊まらされて、自宅マンションに帰り着いた途端心不全を起こして人事不省になり救急病院に入院させられ、親戚の世話で同じ系列施設の特別養護老人施設に入居させられ「自宅マンションに帰りたい」と言いながらその施設で死亡しました。その施設は最近社会福祉法人に格付けされました。
そういう事例を見ている母は、絶対にショートステイには行く気がありませんでしたので、私は介護疲れになってしまいました。
尊い多くの人達の犠牲を反省して、私達はよりよい施設や在宅介護の状況を作って、患者、利用者にとっても、介護する人、看護する人にとっても希望のある社会を作りたいものです。
偉そうに申し上げましたけれど、どうしたらよりよい社会にできるのかは、分かりません。
Posted by にゃんにゃん at 2017年09月22日 05:24 | 返信
厚労省のお役人や職員さんの中にも、家族が病人だったり被介護者だったりしますよね。
病人家族が病院からカンタキを紹介された場合、どうするのかしら。
自分たちの職場が作ったシステムだから有難く利用するのかしら。
おそらく、お役人や公務員さんの家族は、24時間看護師付きの有料老人ホームに入るんでしょうね。関東近郊でも20万程度で24時間看護師付きの有料老人ホームがあります。お役人や公務員さんのご家族の、ヤンゴトナキ高齢者様方にとっては、月20万というのは「それくらいなら」の範囲なのでしょうね。だからカンタキを利用せずに済む。
ショートのロングステイって、いつまでたっても宙ぶらりんで、本人も家族も落ち着かないんです。でもまあ、無認可よりはマシかもしれません。今、無認可保育所ならぬ無認可老人ホームが増えているようです。
Posted by 匿名 at 2017年09月22日 05:24 | 返信
おはようございます。
以前にも1度コメントさせていただきました
小多機(ショウタキ)のケアマネです。
先生が仰られるように、ショウタキ・カンタキ
(24時間もはいるのかな?)の
訪問診療は前回の診療報酬改定で
ピンポイントでガッツリやられましたよね。
こちらサイドからも言わせていただくと
ちょうどその頃だったと思いますが
看取り加算も新設されて
小規模でも看取りが多くなってきてるんだなー
なんて思ったものですが、当然ながら在宅の話しです。
大病院に通っていて、そろそろ通院も
難しくなってきているので訪問診療に、、、
なんて言っても、新規は無理だし
ロングの泊まりの方じゃなくても
状態が悪くて家族では支えきれなくて
1ヶ月半(本当に最期の時期だけ)
小規模多機能の泊まりを利用して
お看取りした方もいますが
今となってはそれも無理。
どこかに抜け道があるんじゃないかと
病院の事務方の方とお互い探り合ってます。
在宅看取りは口で言うのは簡単ですが
『疲れた時は遠慮なく言ってね、いざとなったら
うち(小多機)に連れてくるから』と家族も安心して
看取りができる体勢を支援していけるはずの
小多機なのに、制度の壁が邪魔をする。
日々戦いです(笑)
Posted by AI at 2017年09月22日 05:56 | 返信
母の利用しているカンタキは「利用者全員でベッドを融通し合う」という考えなので、通常はロングはできない決まりになっています。最低でも週に一回は帰宅するので、その時に訪問診療に来てもらっていました。しかし訪問診療の先生が倒れ、かわりの先生も倒れ、その次の先生も倒れてしまったのでその訪問診療のクリニックはとうとう閉鎖されてしまい、現在は別のクリニックの先生が月二~三回、自宅ではなくカンタキに来てくれています。
居宅管理指導料?の請求はこなくなったので、これは往診ということなのかな?都度呼んだわけでもないので本来の「往診」ではないのでしょうが。
働きながら一人で要介護5の母を「在宅介護」するには、今のカンタキはなくてはならない施設なのですが、週末しか帰らないのに「在宅介護してます」というのも心苦しい時があります。そして何より宿泊代込みの利用料が特養の倍くらいするので大変です。。
でも特養などの入所施設よりずっと手厚い介護をしてもらっていますし、私が年末にインフルエンザにかかった時はお正月まで預かってもらえたし何かと助かっています。
私が定年になって本来の在宅介護になり、宿泊を利用しなくなっても、デイと訪問看護は今まで通り顔見知りの人達ですから母にはよい事だと思っています。
介護制度のスットコドッコイぶりには何度海老反りしたかわかりませんが、医療と介護の連携も制度が邪魔してへっぽこ状態なのですね。改善されるとも思えないので、制度の裏をかいたり隙間をかいくぐる術を身につけなければ!なんて思う人が増えても当然じゃないかと思います。そういう人達だけが得をする制度なのかもしれない。
・・・っていうか、私がお世話になる頃には制度も破たんしてそうですね。。
Posted by かんこちゃの娘 at 2017年09月22日 10:43 | 返信
そもそもショートステイの訪問診療がいけない根拠はなんなのでしょうか?
医師がいる老健ならわかる話なのですが‥
Posted by ナルト at 2017年09月26日 05:20 | 返信
初めてコメントさせて頂きます。
10月13日に余命2ヶ月かそれ以前の宣告を受けて
かんたきを進められました。
この宣告をうける直近まで
いろいろな事がありました。
何もわからない私達には先生の書いて下さっていることが
頼りになります。
どのようにしていいかわかりませんが
先生と直接お話をさせていただきたいです。
突然のコメントで
適切でなければ申し訳ございません。
Posted by 富加見直子 at 2017年10月16日 08:50 | 返信
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