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おしっこの管の8割は要らない

2017年10月19日(木)

仙台で開催されている第25回日本慢性期医療学会に役員として参加した。
この学会は療養病床を中心とした今をときめく学会であるが、町医者と
して参加しているのは日本広しといえども私一人だけだと確信している。
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病院医療と在宅医療の壁は、市民のみなさんが想像している以上に厚い。

正直申し上げて病院と在宅は、組織同志としては、とっても仲が悪い。

しかし両者が仲良くすることが国民の利益になると考え両者の仲を取り持ったり、
病院関係者ではないのに療養病床の協会の役員にならせて頂いて数年が経過した。


正直申し上げて、私がこの協会から教えて頂くことは、いつもとっても多い。
病院というものは現代社会において必要なものであることを実感させられる。



昨日、一睡もせずに(患者さんへの対応で一睡もできず)、外来、往診、
そして介護認定審査会を終えて、伊丹空港から仙台行きの飛行機に乗り込んだ。

仙台空港には震災支援のため何度も来ているが、海に対して直角に位置しているので
どうしても福島県から名取市あたりの海岸線に沿って飛びながら、着陸態勢に入る。

5年前のあの日のことを思い出して、合唱しながら海岸線を眺めていたが
あの日のことが嘘のように、海岸線にたくさんの火が灯り復興していた。

学会前夜の会長招宴には、石巻市の太鼓と踊りが披露された。
とても陽気で、あの日のことが嘘のようだが、私も忘れない。

何人かの学者さんや病院長先生と懇談させて頂いたが、正直、勉強になった。
ある慢性期病院では、膀胱バルーンを抜く運動をしていた。

三好春樹さんは「おむつはずし」であるが、その泌尿器の先生は、急性期病院で
入れられたまま慢性期病院に移されてくる患者さんのバルーンを抜くのが仕事だ。

「私の経験では、おっしっこの管の8割は抜くことが可能だよ!」

そう豪語する病院長と出会えて、いろんな情報交換ができるのがこの学会なのだ。
ほんとうに魅力的な医療人が沢山いて、目からうろこのようなお話を一杯聞いた。

2次会では、ノロウイルス対策やレジオネラ感染対策など感染症対策に花が咲いた。
みなさんが思っている老人病院とは全く違う病院経営者の集まりがこの学会なのだ。

今や、日慢協の病院の医師にとっては在宅医療や看取りや平穏死は当たり前のことだ。
ややもすると町医者や在宅医が負けているのではないなんて危機感を抱くほど魅力的。


今朝一番に仙台国際センターに着くと、いきなり偉い人による来春の同時改定の話を聞いた。
ランチョンでは認知症の人の食支援の講義を聞きながら「医者がここまでやるんや」と感動。

私もよく働くが、日慢協の経営者たちは、私よりもずっとたくさん働いていて驚かされる。
「医者は労働者ではない。なぜなら好きでやっているだけだから」と聞くと一種感動する。

地域包括ケア病棟協会の会長先生とは昨夜に引き続き、今朝も大変勉強させて頂いた。
来春からか始まる「介護医療院」についても、いろいろ勉強させて頂き、収穫は豊富。


宴会と学会とホテルだけであとは何も無いので、仙台の想い出は、ゼロである。
しかしそれでも絶対に会えない同志たちに会えるのが不思議にも日慢協である。

終末期委員会にも出席していろんな意見交換を行ったが、日慢協の病院の先生がたが
ここまで一生懸命に取り組んで頂いているのかと思うと思わず頭が下がるのが日慢協。

エネルギーを頂いて、帰阪後3つの研究会をハシゴした。
これまた沢山の収穫があり少しは賢くなったように思う。

明日は、3000人の20歳と格闘する。
きっとカラ回りするやろうな。

しかしオッサンやから、それでいいんや。
震災の話をすることに決めた。









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この記事へのコメント

いいお仲間がたくさんいらして何よりですね。
私の父は骨折で救急病院に入院した時に尿閉を起こし、39度の熱を出したので、導尿の管をつけられました。その後なかなか取れませんでしたが、リハビリ専門病院に転院したら、そこの看護師さんが「この管を何とかはずしましょう!」と力強く言ってくれました。
そして泌尿器科の先生がベサコリン散を処方してくれたら、しばらくして自力で排尿できるようになり、見事導尿の管がはずれ、退院後の現在も普通にトイレで排尿しています。
先日、前立腺肥大の関係で、近くの病院で、排尿後の膀胱に尿がどのくらい残っているかのエコー検査をしてもらいましたが、ほとんど残っていないとのことで順調です。
尿閉がここまで回復したのは奇跡的な感じがして、本当に有難いことだと思っております。

Posted by CASIO at 2017年10月20日 11:49 | 返信

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