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デイやショートでの看取り
2017年10月04日(水)
先日、新潟県阿賀野市で多職種向けの講演をさせて頂いたがその後の懇親会で
「なぜデイやショートで看取りをさせてくれないのか?」という質問を受けた。
考えてみればデイサービスやショートステイ中の看取りには様々な想いがある。
「なぜデイやショートで看取りをさせてくれないのか?」という質問を受けた。
考えてみればデイサービスやショートステイ中の看取りには様々な想いがある。
看取りが徐徐に近くなった時、多くのケアマネや家族はデイサービスをやめる。
しかし家族が介護できないケースもあり、私自身はデイの方が安心な時もある。
ショートも同じだ。
考えてみれば、なぜ、デイやショートで看取ってはいけないのか。
私は普通に看取っている。
看取りの場に特にこだわりはない。
しかし、デイやショート側が「看取りを拒否」する場合が圧倒的に多い。
なかにはショート中に亡くなり、施設長に呼びだされて怒られたことも。
ところが、阿賀野市のデイサービススタッフはかなり違っていた。
「私たちはずっと看てきたから、最期まで看てあげたい」と来た。
これがプロの感情だろうと、一瞬感動して、ビールを一気飲みした。
こんな介護職と出会えて苦労してここまで辿りついた甲斐があった。
もし再び、阿賀野に来ることがあるならば、多職種のみなさまには
「デイサービス中の看取り」でお話したい。 日本初の内容である。
そんな阿賀野の多職種の皆様から、先日の講演の感想が届いた。
読んでいるうちに、「また行きたい」なんて感情が湧いてきた。
どんな講演内容だったか想像してほしい。
【平成29年度第2回阿賀野市多職種連携研修会アンケート(感想・意見)】
・地域で看取りを行うための、チームケアの基盤となる物をどう築いていくか。
どう市民に発信し、どう巻き込んでいくかが課題と思いました。
・とても分かりやすかったです。看取りについては、
アドバンスからACPが大切であることが大切だと思いました。
・看取りにはあまり関わることのない職種ですが、
医療や介護に関わる中では、知識として興味深い内容でした。
・ACPを出来る人材育成のため研修プログラムを考えてください。
・普段聞けない看取りの話を聞けて良かった。話もおもしろかった。
・立場を変えれば、様々な見方が可能になると思いました。
・平穏死の考えがもっと色々な人に知られたら、気持ちが楽になる介護者が増えると思います。
地域看取りが、他職種連携が本当に機能すると良いなあと思います。
・治療となると医師が最終決定権をもっている感じになっている。
医師にも本人の講演をきいて欲しかった。
・楽しく看取りを考えさせていただきました。
・大変参考になりました。
・平穏死、覚悟、ACP、法律、そして看取りについて、地域で等、
キーワードを前向きに聞かせていただきました。
・専門職のみならず、地域住民への啓発をどのようにしていくのか、今後の課題と思います。
・看取りというと、医療面がどうしても目についてきていたが、
福祉職、福祉施設での支援も大切ということが分かりました。
・平穏死を阻む要因を4つのカテゴリーに分けて説明していただき、非常に分かりやすかった。
⇒それぞれのカテゴリーについて、課題をどう解決していくか考えていきたい。
・「地域看取り」という概念は、すとんと胸の中に落ちました。
都市部でなければ、狭義の「在宅」では無理と考えてしまいました。
「地域でACP」に向かって、やっていきたいと思いました。
・看取りについて、事前に話し合っておく必要性について理解できた。
文化を作る必要性があることが理解できた。
・平穏死の話は初めてお聞きしましたが、納得しましたが、
ACPをケアマネがかかわることが出来るのか?重荷になるそうです。
・目からウロコでした。
・平穏死~訪問看護の看取り→地域看取りという意識していきたい~とてもいい研修でした。
・最期に点滴や治療は必要最低限しか行わない方が、
穏やかな死を迎えられるということをお聞きし、驚きました。
また「緩和ケアはしっかりと」という点をお聞きし、
自分が患者(本人)にどのように支援できるか考えていきたいです。
・現場で働いていると、今回の講義ではとってもよくわかり、
共感できる所多々ありました。医師にも分かってほしいです。
・平穏死には、本人、家人だけでなく、多職種のかかわりが重要であることを理解した。
担当する方々が、平穏死を迎えられるようサポートしたい。
・目からウロコのお話ばかりでした。
自分の中で消化して、仕事にぜひ生かしたいです。
・平穏死。素敵なことと思います。
・病院勤務をし、終末期を向かえる患者さんを看ていますが、
先生が話されているようゼコゼコ、ブヨブヨ、吸収できず、
浸出液として体外に出てきてしまい、オムツでぐるぐる巻きにしています。
この現状が、本人が希望されたことなのか、と疑問に感じています。
・先生(医師)をさしおいて、死に対すること、
どう考えているのか話すのは、どんなものかと悩みます。
・今一つ死のあり方を考え、悩み、話し合えたらと思います。
ありがとうございました。
・自分が看取りの場面に直面したとき、
今日の研修のような対応ができるかどうか不安がある。
・平穏死を説明しながら、ACPを行っていこうと思います。
・死についての考え方について。普段触れることのできない知見を得ることができました。
とても勉強になりました。
・今後平穏な死が迎えられる社会になればよい、と思いました。
・ACPという言葉は初めて聞きました。施設では、「救急車を呼ばない」
「吸痰をしない」等、本日の指摘事項については、なかなか理解を得られないと思いますが、
緩和ケアや平穏死についての理解を、より多くの世代と共有できればよいと思います。
・キーワード!そのとおりだと思いながら、お話を伺っていました。
・その人らしさの重要性を考えさせられました。ありがとうございました。
・川本先生、まとめてくださり、ありがとうございました。
・長尾先生の話が、とてもおもしろく時間があっという間に過ぎてしまいました。
コーディネーターの川本先生のまとめ方や、あいの手も上手で楽しく聞けるとともに、
今後の対応に今日の話を1つでも生かせるようにしたいと思います。
・いい講演でしたが「平穏死について」市民が理解できるには…努力も時間もかかりそう。
・長尾先生のストレートなお話は、ストーンと気持ちよく私の胸に落ちました。
またの機会にお会いしたいものです。
・今日はとてもためになるお話をうかがえ、大変ありがとうございました。
一人一人の意思決定を大切にしていきたいと思います。今日は本当にありがとうございました。
・誤嚥性肺炎についての食や、口腔ケアの重要性を皆さんにお伝えしていただいたため、
医療・医師だけでなく、歯科医師も重要だととても感じました。
・たいへん良かったです。今後の看取りに役立てたいです。
・看取りについてとても理解できました。今後の仕事に参考にしたいと思います。
・今後看取りのあり方というのは、大きな課題であり、私はデイサービスで勤務していますが、
多職種連携というのはまだまだ難しいと思っています。
・平穏死を迎えるには、本人、家族、医師との他、多職種が連携することが大切。
本人の意思を尊重。施設では家族とのコミュニケーションが大切。どのように過ごしていくか。
・市民への周知が課題だと思います。医師への認識も…。
・誤嚥性肺炎その他、吸引等も必要なしという話が印象的でした。
・ACP、あらかじめ話し合い、コミュニケーションをとっていくことが大事、と学びました。
・本人、家族、関係者の覚悟「意思決定支援」の連続をしていくこと、
地域での看取りに関係者で連携できるとよいと思いました。
・私の施設でも看取りケアは積極的に行っていますが、
「平穏死」という考え方についてお話を聞き、自分の施設で行っているケアが平穏死
であると思っていたが、少し違うのかと感じさせられた。
・「平穏死」が本当にいいなあ~と思いました。有料老人ホームで、
何もせずに平穏死の方が何人かいましたが、先生からの平穏死の説明により、
ご家族、職員とも覚悟して看取りました。
あらためて、主治医と多職種と家族の関係が大事だという事を学びました。
誤嚥性肺炎に対する考えも変わりました。
・分かりやすく、事例もどこかで体験したことのある内容であったのでよかった。
・考え方が変わりました、ACPの大切さを学びました。
本人の意志を確認するタイミングは難しいと感じているが、
ACP努めていきたいと思いました。
・私は新発田でも長尾先生の講演を聞かせていただきましたが、
何回聞いても、飽きず、わかりやすく、とても勉強になりました。
また機会があったら、長尾先生にお会いできることを楽しみにしております。
・看取りの時の医師の立場のお話が聞けて良かった。ACP支援の重要性を再確認した。
開業医の先生や病院の方にも共通認識を持って、ケア会議ができれば
ご本人にとっての最高の最期を支援したいと思った。
・看取りについては、普段の職場では直接関わらないので、
これから勉強していきたいと考えました。
・短い時間の中、“看取り”という大きなテーマでいろいろ聞くことができて、
おもしろかったです。医師だけ、看護だけ、では看取りができない。
一番大切なので本人の意志決定である、ということが分かりました。
私にできることを探して、いい看取りができる一員になりたいと思いました。
・長尾先生のお話がとても新鮮に聞こえました。思っているけれど、
それを言って下さるお医者様はなかなかいないと思います。
医療というものが、とても近くに感じることができました。
・とてもためになりました。是非、多職種連携のための「市民講座」をリベンジしてください!
・平穏死についてのお話とても勉強になりました。
・身近な問題についての考え方が180°変わり、これから看取りすることもあるので、
先生のお話や本を読ませて頂きたいと思います。
・長尾先生のような医師が増えるといいと思った。
阿賀野市は介護に積極的な医師が少ないので、CMがいらないと言われる中で、
CMが中心となってACPが勧められればいいと思った。
・「救急車を呼ばなくていい」目からウロコでした。ACP取り組んでいきたいと思います。
・看取りや平穏死にあたって、CMの役割が重いなと思いました。
・デイサービスやショートステイ、小規模多機能等の通いのサービスでは、
なかなか看取りが難しく、やはり入所施設のイメージがありました。
今日の先生のお話をお聞きして、救急搬送の対応ばかりで今まで行ってきましたが、
家族との関係性や施設の考えで看取りもできていくのかなと思いました。
・今回初めて多職種連携研修に参加させていただきました。
内容が難しく理解できないところがありました。
そこは今後の自分の課題として、取り組みたいと思いました。
・「死」に対する心づもりについて、とても興味深くきかせてもらいました。
たしかに、いざという時には救急車は呼ぶものという頭がありました。
でもその後のことについてまでは、考えていなくて「延命」して当たり前と思っていました。
「平穏死」を私の親や利用者が、望んでいるのかどうか…。
知る機会、考える機会を与えてもらいたいと思いました。
「おもちがつまった時」の対応の一例も、とても感慨深かったです。
やっぱり利用中に利用者が「死」に至る事は「あってはならない」という思いがありますが、
90歳代、100歳代の方が多く利用している現状を考えると、可能性として念頭においておく必要がある
ことを考えさせられました。ACPが今後進んでいく社会を作りたいと思います。
・月岡での講演に続き、お話を聞けて良かったです。
多くの人が同じ思いでケアができるようになれたら、実現に近づけるのにと感じます。
・とても分かりやすかったです。薬剤師としての関わり方が分からない状態ですが、
これからも勉強していきたいと思います。
・今回の研修で、独居の場合とか看取りについて何が大切なのか改めて分かった。
家族・本人・その他関わりのある人達で、意思決定や共有できるように取り組んでいきたいです。
・平穏死を迎えるには、意思決定(本人・家族・施設)が重要であること、
ACP、医師法よくわかりました。よかったです。
・非常に楽しい講演をありがとうございました。今回の講演で初めて゛ACP″という言葉を知りました。
日頃患者様から「穏やかに死にたい」という話を伺うことがよくありますが、
そういった希望を叶えるためにはそういった準備を行っていくことが大切なんだと感じました。
また日本の法整備が早くなされ、リビングウィルの尊重されやすい環境が整ってくれたらと思います。
・「平穏死」「Living will」 「ACP」全て初めて聞く言葉でした。
医師法20条21条、知らない事だらけ。
今の立場では看取りに立ち会う場も少ないと思うが、今後も学んでいきたい。
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この記事へのコメント
>ところが、阿賀野市のデイサービススタッフはかなり違っていた。
「私たちはずっと看てきたから、最期まで看てあげたい」と来た。
素晴らしいプロ根性ですね!
Posted by CASIO at 2017年10月04日 08:46 | 返信
>ところが、阿賀野市のデイサービススタッフはかなり違っていた。
>「私たちはずっと看てきたから、最期まで看てあげたい」と来た。
>これがプロの感情だろうと、一瞬感動して、ビールを一気飲みした。
長尾先生の感激ぶりが伝わりました。
そして、情を交わした関係性を築いていらっしゃるデイ施設ということが
とてもよく理解できました。
人と人は、日常のどの場面で心を通わせることが出来るのか..。
これは定義など何もなく、役職とかの肩書きとかも無関係であることは
必然であり、当然のことだと思います。
愛情に物差しがある訳でもなく、誰に心を許しているのか、についても
それは当人にしか分かり得ないことです。
どこで看取られることが良いのか、については「自然な成り行き」が許される
そんな素朴な社会が蘇ることができたなら、本当に熟成した社会だと思いました。
Posted by もも at 2017年10月04日 09:18 | 返信
介護保険サービスを利用していないホームレスの人は、どこで看取られるのだろう、誰が看取るのだろう、そんな風に思います。
Posted by 社会福祉士河本健二 at 2017年10月05日 05:49 | 返信
経験から思うのですが、看取りは必ずしもドラマの一場面かの
如く、手を取り合いながら「○○さん死なないで!」とか叫びながら
悲しみに打ちひしがれていく、というような劇的な場面ばかりでは
ないと思います。もしかしたら、息を引き取る最期の瞬間には、
そっと席を外してしまう親族もあることでしょう。
いつ、どの場面でも穏やかに安らかに息を引き取ることができれば
極端な話、誰もが一人で旅立つのであって、その時には必ずしも
現世の血筋やしがらみに捕らわれずとも、故人となる方は既に仏様
の境地におられるのではないか、などと思ったりします。
苦しまない自然な場面での臨終、それは場所が限られたものでは
ないと思うものです。
Posted by もも at 2017年10月05日 10:21 | 返信
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