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終末期の「治さない肺炎」とは

2017年10月06日(金)

日本呼吸器学会が出した、終末期の「治さない肺炎」とは何か?
「新診療ガイドラインから肺炎診療を展望する」という文章を
朝野 和典氏(大阪大学病院感染制御部 部長)が書かれている。→こちら

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この数年。各医学会が、終末期ガイドライを発表している。
いろんなものがある。


今回、各医学会の思い切り度(過激度)を
独断と偏見で、格づけしてみた。


【強い】
・日本呼吸器学会のこの誤嚥性肺炎ガイドライン

【中間】
・日本老年医学会の「胃ろう(人工的水分栄養補給)ガイドライン」
・日本循環器病学会など、3学会合同の心不全終末期などのガイドライン

【弱い】
・日本透析医学会  いまだに正式なガイドラインは出ていない。(出せていない?)
・日本消化器病学会や内視鏡学会 患者意思よりも胃ろうキット業者ファースト傾向?


【論外】
・日本救急医学会は、終末期の患者意思の尊重には懐疑的な点で、
 他の医学会とは完全に一線を画している。

 学会の重鎮は、そのような意見で凝り固まり議論する余地も無い。
 救急蘇生のことだけしか考えていないためだろうか。

 事実、先日の「日本在宅救急研究会」において、学会の理事長までが一緒になり
 「救急現場ではリビングウイルが邪魔になっている」という攻撃に終始していた。

 私はせっかく立ちあげた研究会の目的自体を理解できない理事たちに失望した。
 学会がこうだから、救急隊や警察との連携は、現時点では夢のまた夢、なのだ。

 終末期医療において患者の意思を尊重しよう、という思考回路は学会には全くない。
 一方、八王子市や佐賀県などは救急も一体となり患者意思の尊重に取り組む所はある。

 いずれにせよ、日本救急医学会は医師主導の「救急至上主義」だけで十分と考えて
 いるようで、どうすれば終末期の意思決定支援に寄与できるかという視点は皆無だ。


・日本緩和医療学会 緩和的鎮静に関するガイドラインを出して欲しい。

 朝日新聞10月4日「透析しないという選択」→こちら
  やはり透析学会のガイドラインの記載はない。

PS)
こんなことを書くと叱られるかも・・・
あくまで独断と偏見に満ちた私見である。





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この記事へのコメント

介護施設で生活している90歳の老父はこの半年くらいほとんど毎月1回か2回、熱を出す。
いきなり39度だったり38度近くから徐々に上がったり。
カロナールとフロモックスのコースがお決まりとなり、私はなんとなく抗生物質を多用するのが気になって、38度台ならカロナールと柴胡桂枝湯で様子見、を提案したら医師もLet's try。
このところ、カロナールを1回か2回と柴胡桂枝湯5日服用で回復している。
39度を越えるとさすがにフロモックス・・・、だが、抗生物質は善玉菌も殺してしまうからできるだけ飲まないほうが良いと思います。
柴胡桂枝湯は私も体調不良時に飲んでいる「お守り」みたいな漢方薬です。

Posted by 匿名 at 2017年10月06日 03:13 | 返信

「終末期ガイドライン」あり。
「断末期ガイドライン」なし。「涅槃期ガイドライン」なし。
「医療専門家」が居て、「当事者」「生前者」「老成者」が居ない。

「日本を取り戻せ。」「こんな人たち。」(アヘヘ・ブラックボックス)
「日本をリセット。」「さらさらない。」(コヒケ・ブラックボックス)

一夜にして、旧政権党が消失。すべての政党が解散し解散させられ、いずれ「大政翼賛会」が蘇る。

「戦後の出発点において、日本は侵略と敗戦の『戦争責任』をきちんと総括できませんでした。
300万人を死なせた戦争の総括すらできなかった国に、まともな政治を望むことはむなしい。」(高村薫)
「改憲には対外的な危機感が必要だから、外交はより敵対的になり、緊張は否応なく増してしまう。
メディアは情けない者達から順番に委縮していき、多数の人々がそんな空気にうんざりし政治から距離を置けば、
この国を動かすうねりは一部の熱狂的な者達に委ねられ、日本の社会の空気は未曽有の事態を迎える。
人間は『善』の殻に覆われる時、躊躇なく内面の攻撃性を解放する。
結果、改憲のために戦争となれば、本末転倒だ。」(中村文則)

「息を吸う行為にはすで吐くことが含まれており、
心臓から血液が送り出されるとき、同時に血液は心臓に送り込まれている。
これを西田幾多郎は絶対矛盾的自己同一と呼び、生命の定義とした。」(福岡伸一)
福岡さん、京都学派の学生は、これをもって特攻志願を「合理化」した。
「天国を約束された」IS兵の自爆攻撃のように。

ノーベル平和賞は、キム、アヘ、トランプには与えられなかった。
これで、今夜は「安らかに死ぬ」(橋田寿賀子)ことができる。

Posted by 義山いさお at 2017年10月06日 09:13 | 返信

いろいろガイドラインが出されますが、この国には尊厳死の法的なガイドラインがない
国は高齢者の医療費増加を抑えることに力を入れているように思うのですが、高齢者が増えることは
分かりきった事なのに何も手を打ってこなかった? それでも自己責任ですか?

Posted by 綾女 at 2017年10月06日 11:45 | 返信

カバネ間違えて、失礼しました。
官製用語の「終末期」「人生の最終段階」に、カタカナ英語の「エンドおぶライフ」。
見るたび聞くたび、豊かな「老成期」、輝く「往生期」が、直線上の「縮命点」に貶められる。

「認知症になったら、体が動かなくなったら、楽しみがなくなったら、他人に面倒かけたくないから、
国のお世話になりたくないから・・・、安楽死で死なせてください」という橋田さん。
医師や法律の他力を借りなくても、自然に安らかに死ぬ方法って、
ありますよ、空海のように。意思能力ありなしに関係なく「枯れる」方法が。
スイスに行かなくても、チベットでは生きているときから練習している方法も、そのひとつ。

鈴木大拙が西田幾多郎にあてた短歌。
「権力と意志と血とで生きる悪魔! 汝の責任、問ふものは誰ぞ(誰もなきこそ悲しけれ)。」
「絶対の威力に生きて責任をもたぬものあり、名を国家と云ふ。」
「壁柱天井の上まで飛び上がる鼠の如き君を夢見る。」(1942年2月28日)

北の核ミサイル論じる者あれど、国連核禁止条約に「触れもせで」コメンター。
「目には目を、核には核を」「いけいけドンドン、後は野となれ山となれ」ですね。

「死が苦しみから解放してくれるまでの間、消え入る声で水を求めていた。」
(4歳のおいを語るサーロー節子)

Posted by 鍵山いさお at 2017年10月07日 02:41 | 返信

あいにくの雨のなか、福島から避難された方や支援される方が、駅前広場で出店されていた。

「2011年、東日本大震災が日本を襲った春、私は、
日本にルーツを持ちながら英語で小説を書く英国の作家カズオ・イシグロの番組を、
NHKのスタッフとともに作っていた。
カズオ・イシグロの小説のイメージのメイン・テーマは記憶である。

記憶とは極めて不確かなもので、寄る辺なきものであると同時に、
唯一、私を支え、私の自己同一性を保証するものでもある。
私は、イシグロにこんなことを話した。
私たちの身体はたえまのない合成と分解のさなかにある。
つまり生命は流れの中にある。いや流れそのものにあると言っていい。
私はこれを動的平衡といっている。
その中で、記憶が保たれているように思える。

記憶が、神経細胞の中に蓄積されるミクロなビデオテープのようなものではなく、
神経細胞と神経細胞との関係性としてかろうじて保存されているからだ。
イシグロは、『なるほど。記憶は死に対する部分的な勝利といえますね。』」

「このような縁があって、私は、NHKの次なるテーマ、『第二次世界大戦前夜における
日本の代表的な哲学者たちの戦争責任』にも参加することになる。」
(『福岡伸一、西田哲学を読む』2017年7月)

「忘れたいけど、忘れてはならない記憶。
イシグロの受賞には、優れて現代的な意味がある。」

Posted by 鍵山いさお at 2017年10月15日 02:36 | 返信

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