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終末期を支える5つの薬剤

2017年11月29日(水)

佐々木隆史先生が「終末期を支える5つの薬剤」という発信をされている。
参考になるかと思い、転載させて頂く。

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日本プライマリ・ケア連合学会 海外家庭医療雑誌 表題翻訳プロジェクトとの連載企画。

『American Family Physician』『Annals of Family Medicine』の2誌よりピックアップした
内容に、コメントを添えて紹介されている。


「終末期を支える5つの薬剤」 佐々木隆史先生


終末期に関わる症状は、急性症状を治療するよりも予防するほうが容易であることが多いため、症状を予防する対策を立てるべきである。嚥下機能が低下してきたら、薬剤は舌下や皮下、直腸坐薬に切り替える。薬は少量から開始し、目的の効果が出るまで増量すべきである。適切な症状コントロールにより、終末期を安静にかつ尊厳を持って、快適に過ごすことができる。疼痛は、最期の1ヵ月頃に50%程度の人に現れる。身体的な痛みだけでなく、精神的、社会的、スピリチュアル面も考慮に入れるべきである。

オピオイドは終末期の呼吸困難感や痛みを緩和に用いられる(Evidence rating B:オピオイドを呼吸困難に使用すべき)。せん妄は治療しうる病態により起こることもあり、その病態を特定して治療可能なら治療すべきである。せん妄に対しては、ハロペリドールやリスペリドンが効果的である(Evidence rating C)。嘔気・嘔吐に対しては、原因に即した薬物治療が行われるべきである。予期できる嘔気に対してはベンゾジアゼピンが効果的で、とくにオンダンセトロンは化学療法や放射線治療に伴う嘔気に対し効果的であり、消化管通過障害による嘔気にはデキサメサゾンやハロペリドールを使用すべき(Evidence rating B)であるが、サンドスタチンの効果は限定的である。便秘は痛みや吐き気、不安感、せん妄を引き起こすので、便秘の予防は終末期ケアのとても大切な部分であり、緩下剤を大腸刺激性下剤と併用して使うのが望ましい。

熱を下げることは、患者の要望とケアの目標に基づいて行うべきである。口腔内の唾液分泌があると、呼吸する時に呼吸音が大きくなることがあり、死期喘鳴といわれる終末期によくみられる症状である。このことを事前に伝えておくと、家族や介護者の不安は軽減する。また、抗コリン薬は口腔内の分泌を緩やかにするといわれているが、質の高い研究はない。アトロピン点眼薬は、口腔気道分泌液を抑えることができる(Evidence rating C)。

終末期を支える代表的な5つの薬剤を以下に挙げる。

  • 焦燥感や嘔気を抑えるハロペリドールの舌下
  • 熱を下げるアセトアミノフェンの坐薬
  • 不安を抑えるロラゼパムの舌下
  • 痛みや呼吸困難を抑えるモルヒネの舌下
  • 口腔内分泌を抑えるアトロピン点眼薬の舌下

※Evidence rating B=inconsistent or limited quality patient-oriented evidence、Evidence rating C=consensus, disease-oriented evidence, usual practice, expert opinion, or case series.

※本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。

@@@@@@@@@@@@@@@@@


なるほど。
優秀なプライマリケア医ないし緩和ケア医なのだ。

これはあくまで医師が患者に投与する5種類だ。

でも医師が自分の終末期に用意したいものは?
となると、かなり違ってくるんじゃないかな。

私が自分ののために用意するなら

1 モルヒネ製剤
2 睡眠薬
3 自殺薬、かな。


以上は終末期のための薬であるが、
あまたある薬の中でたった10個選ぶなら。

・患者さんのため
・自分自身のため

有名医がそれぞれに答えた本がすでに出ている。→こちら
結構、笑える内容である。

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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

疼痛、呼吸困難のための液体モルヒネ(20mg/ml)、 不安、嘔気、などのためのロラゼパム錠(0.5mg)、不穏、嘔気、などのための液体ハロペリドール(2mg/ml)、口腔内分泌を抑えるヒオチアミン舌下錠(0.125mg)(2年ほど前まではアトロピン1%点眼薬を舌下)、解熱のためのアセトアミノフェン座薬(650mg)、嘔気、嘔吐のためのプロクロルペラジン錠(10mg)、便秘のためのビサゴジル座薬(10mg)は、アメリカの在宅ホスピス患者さんに渡されるcomfort packと呼ばれる箱に入っています。それぞれが数回分ずつ入っており、いつこうした症状がみられてもすぐに対応できるようになっています。これらを一度も使わないで亡くなる方もいらっしゃいますが、備えあれば憂いなし。夜中に薬局に走らなくてもよいのです。

Posted by ラプレツィオーサ伸子 at 2017年12月01日 12:17 | 返信

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