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「かかりつけ医」と「総合診療医」

2017年11月28日(火)

医療タイムス12月号には「かかりつけ医」と「総合診療医」で書いた。→こちら
両者はほぼ同じものなのか、果たしてまったく違う次元のものなのか。
長崎に行ってから「かなり違うのでは」という意味合いが強くなった。
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医療タイムス12月号  「かかりつけ医」と「総合診療医」    長尾和宏
 
日本医師会は、開業医が「かかりつけ医」になることを推進し広く市民に啓発している。生活習慣病の管理や認知症予防やフレイル対応だけでなく、在宅医医療や看取りまで広い範囲をカバーする医師が時代の要請である。私はこのコラムで「かかりつけ医科」という標語科目の新設を以前から提案している。いずれにせよ今後の診療所経営を考えるとこの「かかりつけ医」機能抜きでは考えられない。

一方、「総合診療」ないし「総合診療医」という言葉もある。さすがに「総合診療専門医」という言葉には違和感を覚えるが、その意図するところは「かかりつけ医」と重なる部分がかなりあると思う。「総合診療」という4文字を書くことは簡単であるが、自分でそう自認できるかはとても難しいと思う。まずは患者さんの病態を臓器別縦割りの枠を超えて心の状態まで含めて総合的に診れる能力が土台となる。そして外科や救急や麻酔科のような全身管理ができる技術と経験があってこそ、高価な医療機器が無くても的確な診断・治療が行えるのだろう。現行の新臨床医制度を終えたレベルで「総合診療医」を名乗るのは、早すぎるだろう。そうかと言って縦割り医療のなかに留まっていては、何年経っても「総合診療医」になるのは不可能だろう。

 つまり相当広範囲での厳しい修行を経ないと、とても総合診療医とは言えない気がする。もちろん人間力も磨かないといけない。しかし現在の研修医制度ではどう考えても不充分。また現行の生涯教育制度だけでも無理だろう。そのような状況のなかどうすれば真に実力がある総合診療医を充分数養成できるのだろうか。もちろんプライマリケア連合学会が強力な味方である。私のような町医者のもとにもいろんな病院から入れ替わり立ち替わり研修医がやってくるが、彼らと接している時間、ずっとそんなことばかり考えている。

 そんな中、先日講演のため長崎県の五島列島と長崎市を訪れる機会があった。上五島病院のスタッフや、あまりにも有名である長崎ドクターネットやあじさいネットのメンバーたちと長時間懇親させて頂いた。上五島病院で提供されている医療は果たして私が想像していたものとは全く違っていた。病院の医師や看護師は在宅医療も行い高い在宅看取り率を保っていた。一人一人の医師が高い専門性と総合性を両立させて、それを楽しんでいるように見えた。ひとことで言うならば、私が30数年間イメージし続けていた総合診療そのものと上五島で初めて出会うことができた。沢山の医師がこの離島に集まってくる仕組みとは、実は医学生の時から総合診療への誘いが開始されていた。アーリーエクスポージャーという言葉の重みを感じた。一方、連携型の在宅医療システムである「長崎ドクターネット」の本質は「在宅医療の質の担保」だけに留まらず「診療技術の向上」にあると見た。システムはあくまで外見であり「会員同士の切磋琢磨と互助」が中身ではないのか。

「かかりつけ医」を本当に「総合診療医」と呼べるのであろうか、という疑問が常にある。診療所経営を考えた時、総合診療能力が高い医師の育成と評価が欠かせない。つまり「かかりつけ医」制度をもう少し厳しくして、質の高いものに練り直すべきではないのか。長崎方式を見てからそんな意がさらに強くなった。

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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

"かかりつけ医" は "信頼される窓口" で、よいのでは
ないでしょうか。世のシステムの中で、顧客廻りを
行いながら信頼関係を築く営業マンが居て、具体的な
対処を施すエンジニアが居る。
そんな構図と同じく、病気を発見して、又は疑いあり
の段階でも、専門的などこかへ、信頼できる病院へと
繋いで頂ければ、それで、掛かり付け医としての役割
は果たして下さった、と納得できると思います。
多岐に渡る病気を、総合診療医師として明確に診断し
対処する、それも端的な道のりで、ありがたいとは
思いますが、信頼できる場所で思いの丈を述べる事が
できて、病気のバックボーンにある生活から、病気の
発端を想像することができる、そういった信頼関係が
大事なのであって、掛かり付け医に全てを望むのは
医師への負担も増すのではないか、と思いました。
餅は餅屋へ。

Posted by もも at 2017年11月28日 09:21 | 返信

総合診療医…イメージするのは ドラマでジャニーズの東くんが演じていたお医者さまです
人間まるごと 関連づけて診断して治療をする=治してくださる
今、女性外来があるように ひとつの科のように思えます

でも かかりつけ医は まるごと診ますではなくて
とりあえず 診ますよ
でも わからないから 大きな病院で診てもらってね…という感じですよね
だから
地域連携…連携というホントに連携ができているのか疑問な点が多々ありますが
(もちろん 一概には言えませんが)
地域連携が大事ということでしょうか

Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2017年11月29日 11:25 | 返信

難しいテーマです。私はタダの鍼灸師で、ケアマネジャーでしかないので、よくわかりません。
内科のお医者さんは、大変でしょうね。ゼネラルである事が前提なのでしょうか。
ヘルパー3級の資格を取るために、西宮コープで研修を受けた時、西宮医師会副会長の、菊池内科の菊池先生が「内科は、患者さんを耳鼻科や整形外科や肺がん専門のお医者さんに紹介するのが仕事なのです。ですから、色んな病気について知っておかなければいけないのです」と仰っていたので、大変だなあと思いました。中国には「一専多能」という言葉があると東大全共闘から聞きました。なんでも知っておかねばいけないと言っても、限りがある。それぞれ専門分野で研究して、それでいて、他の分野も研究会にもできたら参加したり、お互いに意見交換して仲良くなっておくと、患者さんのことや、よく分からない分野で、気軽に意見を聞くことができると思うのです。
例えば失礼とは存じますけれど長尾先生は、どちらかと申しますと、あらゆる癌についてよくご存じで○○holicと申し上げても良いくらいですし、河野和彦先生は「認知症」について○○holicみたいに研究なさっているので、お互いに専門分野で意見交換なさっていらっしゃるのでより多能になり、よりゼネラルドクターになっていらっしゃるのでは等と考えます。お医者さんの世界の事はあんまりわかりませんけれど、私達鍼灸師やケアマネジャーの仕事も、夫々の専門分野の人に、胸襟を開いて、聞いてみると、「なるほど」と思うような世界が広がるそのような事をコツコツしていくしかないと思います。偉そうに申し上げて済みません。

Posted by にゃんにゃん at 2017年12月01日 05:50 | 返信

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