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私のリビングウイル

2018年01月08日(月)

自分オリジナルのリビングウイル(LW)を書いてみた。
日本尊厳死協会の定型のLWとセットという意味である。
クリニックバンブーの企画の第1回である。→こちら

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クリニックバンブーの新年号の一部。
この雑誌には12月号にも巻頭で登場した。→こちら

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私のリビングウイル 第1回

治療の手立てがなくなったときに、延命治療を控えて終末期に望む医療行為について事前に書面を残しておく――。自らが望む最期を迎えるための意思表示であるリビングウイルは、非常に重要だ。しかし、日本での普及率はいまだ低い。本コーナーでは、医療関係者に自らのリビングウイルを語ってもらう。第1回は、日本尊厳死協会副理事長の長尾和宏氏のリビングウイルを読む。


・死がいつ訪れるか
・誰にもわからないからこそ
・自分の望む最期を形に残す


長尾和宏
医療法人社団裕和会理事長、長尾クリニック院長
一般財団法人日本尊厳死協会副理事長
 
<略歴>
ながお・かずひろ●1984年、東京医科大学卒業。大阪大学第二内科等を経て、95年、長尾クリニック開業。2006年、在宅療養支援診療所登録。複数の医師による連携で、年中無休の外来診療と24時間体制の在宅医療に従事。日本尊厳死協会副理事長も務める


・幼少期から死を意識
・望む対応をLWに託す



 私の家系は、代々突然死で早世する人が多かったので、高校生の頃から、自分が60歳まで生きることはあるまいと思ってきた。そこで、いつ突然死しても、自分が望む形で対応してもらえるように、50歳になったとき、一般財団法人日本尊厳死協会に入会し、リビングウイル(以下、LW)を作成した。現在は、同協会の定型の事前指示書と、より詳細な望みを書いたオリジナルの文書の2種類を用意している。
 ただ幸運にも、もうすぐ60歳を迎える。10年も経つと自分の望みや価値観、思考も変わってきており、LWも60歳の自分に合った内容に書き直そうと思っている。もし70歳まで生きることができたら、また考え方が変わっているはずで、その都度更新していくつもりだ。

 オリジナルのLWに書いている内容を、いくつか紹介する(表)。

①は、講演などで全国を飛び回っているとき、ホテルなどで1人突然死した場合を夢想している。私のことをよく知る兄弟や親しい医師であれば、私の死に不審な点がないことを証明してくれるだろう。なぜ解剖台に乗りたくないかと問われても、正直、自分でもよく分からない。後進が学ぶための検体であれば別にかまわないが、不審死として解剖されるのは、理由は不明だが生理的に嫌なのだ。

 ②は、脳損傷などで意識はないものの生きている場合、外傷性、非外傷性にかかわらず、1カ月で回復が見込めなければ、生命維持装置は中止するということだ。もちろん継続すれば、多少回復する可能性はあるが、完全に回復する望みは薄いだろう。そんな事態になれば私は延命治療を希望しない。

 ③と④については、がんになった場合を想定したものだ。がんの痛みに耐えられず私が所望したときには、モルヒネなどによる「緩和的鎮静」を実施してほしい。これは尊厳死であり安楽死ではない。そして、いよいよ最後を迎えるときは、医師ではなく、私が指名する訪問看護師にだけ来てもらって来春から施行される「遠隔看取り」で看取って欲しい。なぜ医師に家に来てもらいたくないかといえば、これも明確な理由はないが、同業者は何となく嫌なのだ。(笑)

 ⑤は認知症で、自己決定ができなくなったときに備えてのものだ。たとえばうまく箸やスプーンなどの食器を使えなくなっても、決して食事介助をしないでほしい。手づかみや、犬食いになったとしても、最期まで自分で食べたいのだ。
 日本では食事介助は美徳だが、海外では虐待とする国もあり、私はそれに賛成だ。生き物は皆、自力で食べられなくなったときが寿命であり、人間も同じはずである。無理に食べさせられてまで生きながらえたくはない。もちろん、胃ろうや生命維持装置も不要だ。

 ⑥は、死んだあとのことについてだ。私は50歳のときに生前葬をした、60歳になったときには、もう一度やろうと思っている。そのため死後の葬式は不要で、むしろ死んだことは向こう3年間くらいできるだけ公表しないで欲しい。

 家族には、「最近長尾先生見かけないね?」と誰かに聞かれれば、「インドに行っていますよ」とうそぶいてもらい、そうして少しずつ世間からフェードアウトしていきたい。


・死はいつ来るかわからない
・若いうちから準備を


 日本では、死を忌避すべきものとし、学ぶ機会も少ない。そのためほとんどの人は、何となく明日も自分が生きていると疑わない。ただ、そんな保証はどこにもない。疾患だけでなく、災害、交通事故と、いつ自分が突然死を迎えるかはわからない。だからどこでどう死にたいかを選ぶことはそもそもできないと思う。

 だからこそ、若いうちからLWを書くことをすすめたい。日本は先進国のなかで唯一、LWに法的拘束力がない。それでも、きちんと自分の意思を文書として残したほうがいいだろう。自分のLWを書くと言うことは、自分の死と向き合うことにもある。死と対峙している患者さんの気持ちを汲み取るためにも、医師は率先してLWを書き患者さんに見せて欲しい。LWは何度でも書き直していい。そのときの自分が一番望む対応をしてもらうためにも、定期的に見直し更新していくものである。

表 長尾和宏のリビングウイル

長尾和宏のリビングウイル
 
突然死した場合、すぐに兄弟と、友人の医師に連絡を取り、病理解剖されないようにすること
 
脳損傷等で一カ月意識が回復しない場合、生命維持装置を中止すること
 ③がんの痛みに対して、私が希望すればモルヒネ等による緩和的鎮静を行うこと
 
4もし認知症になれたら、食事介助や胃ろうや人工呼吸器は絶対に行わないこと
 
臨終の際には医師を呼ばず「遠隔看取り」で看取ること
 
死後葬式は挙げず、死亡した事実を公表しないこと
 

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