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余命1ケ月なのにインスリン4回打ちで低血糖
2018年02月09日(金)
余命1ケ月なのに、病院の糖尿病専門医からインスリン4回打ちのまま
自宅に帰ってきて、減量や中止を説明しても納得されないケースがある。
案の定、低血糖を繰り返しため緊急対応するようなケースは無いですか?
自宅に帰ってきて、減量や中止を説明しても納得されないケースがある。
案の定、低血糖を繰り返しため緊急対応するようなケースは無いですか?
4つの科からの紹介状を持たされて自宅に帰ってくる患者さん。
・がん専門医は、がん治療に関する紹介状
・循環器専門医は、高血圧や不整脈や心不全に関する紹介状
・整形外科専門医は、関節疾患に関する紹介状
・糖尿病専門医は、血糖管理に関する紹介状、を書くので4つの封筒がある。
でも、余命1ケ月なので、
ご本人はヘロヘロ状態だ。
ご飯も食べられないのに、20種類ものお薬を処方されて、どないすんねん???
インスリンの中止や減量を勧めても「病院の専門医の指示だから」と受け入れない。
それぞれの専門医は誰も、ACPをやっていない。
人生の終わりがすぐそこにあることを知っていても、ギアチェンジしないし、できない。
そして一番大切なはずの緩和ケアはゼロで
自宅に帰ってくるのが。悲しい現実である。
そりゃ、近藤誠先生の本が売れるだろう。
その気持ち、よく分かるよね。
臓器別縦割り医療による犠牲者は、
終末期医療において多く発生する。
私たちはたとえ余命1週間でも、いや1日であっても
帰宅後にしっかりACPをして、在宅平穏死を目指す。
終わり良ければ全て良し、とご家族の
熱い想いを、「昇華」させてあげたい。
ああ、また美談を書いてしまった。
「痛い在宅医」の家族に怒られる。
以下、谷田先生のレビューより転載。
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糖尿病に関する報告で、アメリカ退役軍人会で糖尿病患者がホスピスに入所した際に、
1/3以上の患者が低血糖を経験していたとのことです(JAMA Intern Med 2017 Dec 26; [e-pub])。
今は、低血糖を起こさないことが必須とされている中、信じがたい報告です。
ただし、2006年から2015年のデータですので、やむを得ないのかもしれません。
2017年の米国国防省退役軍人局の「2型糖尿病に対する外来及び入院治療の指針」
(Ann Intern Med2017 Oct 24)では、「余命が5年未満と予想される外来患者では
目標HbA1cは8%~9%とする」とあります。
医師が指針を守れば低血糖は生じないでしょう。
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とは、
簡単にならない。
抗がん剤、降圧剤、血糖降下剤、抗認知症薬の
”やめどき”を認めない医師や医学会がまだ多い。
まあ、今後数年で空気は変わるだろう。
市民はこのブログで、少しでも考えてほしい。
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この記事へのコメント
余命一ヶ月でインスリン4回打ちを継続する医師は、正にエビデンスバカとしか言いようが無いですね。エビデンスバカ=藪医者ですね。何のために血糖コントロールするのか、その意味を理解して居ないから、そう言う馬鹿な治療を、行ってしまうんですね。
血糖のコントロールは、長期に渡る血管合併症の抑制と高血糖によるアクシデントを防ぐのが、大きな目的です。前者と後者では、同じインスリン療法でも、薬剤の選択と投与法が大きく違いますよ。それを理解していない馬鹿医者が多すぎですね!
Posted by 小関 洋 at 2018年02月11日 11:49 | 返信
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