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高齢者の多剤投与に厚労省が指針
2018年02月28日(水)
多剤投与の現状は凄まじく私も警鐘を鳴らしてきた。
患者さんにも多剤投与に、是非関心を持って欲しい。
高齢者の過剰処方見直しへ
転倒、記憶障害の副作用
厚労省が初の指針
何種類もの薬を併せて飲むことが多い65歳以上の高齢者に副作用などのトラブルが出るのを防ぐため、
厚生労働省は21日、医師や薬剤師らに薬の適正使用を求めた初の指針案をまとめた。
転倒や記憶障害など特徴的な症状や原因薬を例示。かかりつけ医らが連携して
患者の服薬状況を把握し、問題がある場合は処方を見直すよう促している。
同省は「患者は自己判断で薬の服用を中止せずに、必ず医師に相談してほしい」と呼び掛けている。
指針では、複数の病院や薬局を利用する患者は、服用の実態が把握しにくいと指摘。
入院時や介護施設の入所時、在宅医療の開始時などの機会を捉えてかかりつけ医が薬の処方状況を把握し、
必要性を見直すよう求めた。薬局を一元化する取り組みも有効だとした。
また、降圧薬の服用で転倒や記憶障害、抑うつなどの症状が出やすくなったり、
抗炎症薬で食欲低下が起きたりするなど、高齢者に多い副作用と原因薬を具体的に示した。
副作用とみられる症状が出れば、処方の中止や減量などを検討するよう求めた。
健康食品や市販薬も他の薬との併用で影響が出ることがあるという。
75歳以上の4割超が5種類以上の薬を処方されているという調査があるなど、
高齢者は持病で服用する薬が増加する傾向がある。
6種類以上の服用で、転倒などにより要介護と認定されるリスクが2倍以上高まるなど、
薬の数に応じて副作用の発生リスクが高まる問題も指摘されている。
このため同省は医療現場で高齢者に適切に薬を処方するための指針作りを進めていた。
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拙書「薬のやめどき」を参考にして欲しい。
しかし現状は凄まじいものがある。
余命1ケ月で紹介された患者さんが20種類もの投薬。
4つの診療科からそれぞれ紹介状が4通書かれている。
専門医の数だけ、処方数が増える。
そして副作用や有害事象も増える。
臓器別縦割りの医療の弊害を誰も是正できない。
総合診療医に一元化するしかないのが、現状だ。
高齢者の薬は5つまで。
6つ以上は転倒や認知症のリスクが高まる。
町医者の毎日とは「減薬」との闘いだ。
難しい作業だが粘り強くやるしかない。
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この記事へのコメント
厚生労働省が始めて「減薬」の必要性を議論してくれたこの記事にはとても勇気を貰えます。但し、実際の病院現場では、そんな事全く理解していない!縦割り診療科の医師達が、今日も大量の薬を平然と処方し、夕方には、製薬会社のMRと「宜しくお願いします」相談を繰り返している。先ずは、長尾先生と中坂先生の著書を、何とか厚生労働省のお偉い方々に手にとって読んで頂いたり、先生方の生の声を聞いて頂ける場が必要だと思います。それでも、実際の病院現場まで本当に必要な事が伝わるのには、まだまだ時間が掛かると思いますが・・・。日本の医療が崩壊する前に、気付いてくれる医者を一人でも増やして欲しいと願っています。
Posted by 松原アーバン小澤です at 2018年03月02日 11:39 | 返信
高齢者にとって、ポリファーマシーは、非常に有害なことを理解して欲しい。私は、20年ほど前に、出来高からまるめに移行した病棟で仕事をしていた。出来高の時は、ポリファーマシーの本当の怖さを知らなかったことと、経営陣からの売り上げ増の圧力の為それなりに薬剤を使用していた。
まるめになったら、経営陣より使用が許された薬剤を著しくしく制限された。この為ポリファーマシーを解消するしかなかった。その結果、驚くべき現象が起こった。寝たきりと思っていたケースの中に歩ける方が居たのである。その後ポリファーマシーの解消に勢力を注いできたが、それにより認知機能が改善するケースが少なく無いことを確認できている。ADLが回復する事も珍しく無い。
その薬が、どの様な薬理学的な効果と、改善したい病態を考えていけば、ポリファーマシーの克服は難しいことでは無い。
Posted by 小関 洋 at 2018年03月02日 05:24 | 返信
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