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「蘇生拒否」に消防の6割が遭遇
2018年04月01日(日)
「蘇生拒否」に消防の6割が遭遇している、と今朝の毎日新聞が報じた。
「最期は自宅」が増えるなか高齢者の蘇生には重い判断を迫られている。
中止容認との提言もあるが、終末期の本人意思の法的担保は完全停止だ。
「最期は自宅」が増えるなか高齢者の蘇生には重い判断を迫られている。
中止容認との提言もあるが、終末期の本人意思の法的担保は完全停止だ。
「蘇生拒否」消防6割遭遇 全国74機関 対応に苦慮8割
毎日新聞2018年4月1日 大阪朝刊1面
https://mainichi.jp/articles/20180401/ddm/001/040/176000c
クローズアップ2018
高齢者蘇生、重い判断 「最期は自宅」増え
中止容認の提言も
毎日新聞2018年4月1日 大阪朝刊3面
https://mainichi.jp/articles/20180401/ddm/003/040/056000c#cxrecs_s
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日本救急医学会は、これに消極的である。
「LWや平穏死は悪で不要」と理事長が公言している。
一方、臨床救急医学会は、これに積極的である。
同じ救急医の団体でも、見解が真反対であることは既に述べた。
私は市民の声が大切だと思う。
簡単な話、国民投票をしたほうがいい。
民間調査では尊厳死に9割の市民が賛成、安楽死に8割が賛成という
のが現実だから、消防法の改正に賛成多数であることは間違いない。
そして「消防法」よりも「LW法」が上位であることを患者法として
法律で謳えばいいのだが、票にならない仕事をする国会議員はいない。
せめて、救急医学会のエライ先生にしっかり頑張って欲しいのだが、
残念ながら真反対を向いているのが現状である。
あるいは、内閣府も「LWがあると医師の訴訟リスクが高まる」と
国際的には笑いもの理屈に固執したままの国が、ニッポンなのだ。
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以下、尊敬申し上げる、前・日ホス理事長の谷田先生のご見解。
分かり易い解説であると思うので、MLから転載させてい頂く。
救急業務実施基準に、(搬送を拒んだ者の取扱い)として、「第十七条 隊員及び准隊員は、救急業務の実施に際し、傷病者又はその関係者が搬送を拒んだ場合は、これを搬送しないものとする」とあります。かりに、誰かが慌てて救急隊を呼んでしまっても、家族が救急隊に帰ってもらえばいいのです。それがルールに基づいた救急隊の仕事です。救急隊は、「帰れ」と言われたら、帰らなければ違法です。それなら、心肺蘇生術をする間もありませんし。
また、(死亡者の取扱い)として、「第十九条 隊員及び准隊員は、傷病者が明らかに死亡している場合又は医師が死亡していると診断した場合は、これを搬送しないものとする」とあります。老衰死や致死的疾患末期での死は死なので蘇生術の対象になりません。心肺蘇生術をしながら搬送するのは、「死んだ」としたら規則で救急車に乗せられないからでしょう。
以上、現行の規則どおりで問題は生じないはずですが、規則破りが多すぎて、誤解が誤解を生んで人々を苦しめる日本文化の典型のように思います。「改善しなければ」と活動している人々も、こういった理解が足りないので、余計に混乱を生じさせているのが実情でしょう。在宅療養を広げることが解決に向かう近道のように思います。
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この記事へのコメント
『「本人の(蘇生不要の)希望や医師の指示があっても、家族を説得し心肺蘇生を継続する」が21機関と最も多く・・・』
???
「医師の指示があっても」???「家族を説得し」???「心肺蘇生を継続する」???
ほんとに???「医師の指示」は水戸黄門の印籠みたいなものだと思うけど、救急隊員はそれにも屈しない???
つまりは、救急車を呼ぶと、こうなるってことですか。
Posted by 匿名 at 2018年04月02日 02:22 | 返信
ちょっとテーマが「本人の意志」と言うテーマから外れるのですけど、「救急車を呼ぶという事」で、すっかり忘れていた事を思い出しました。豊能町の市民ホールで長尾先生が講演なさった時、帰りに、大勢の人がぞろぞろと能勢電の豊能町駅まで歩いて行きました。駅に着いたら、阪急川西能勢口行の電車が行ってしまった直後でしたので、優しい感じの50~60代の主婦とお話をしました。その方は定年退職後の夫が、お酒を飲む事だけを楽しみにしていたら、ある日脳梗塞の発作を起こして倒れてしまった。ついつい救急車を呼んで救急病院に搬入されたが、夫はそこで植物人間状態で管を何本も入れられて生きている。国民健康保険にしか入っていないので、月々の治療費が物凄くかかる。年金も少ないか、全く入って無かったというお話でした。それで老骨に鞭打って、夫の治療費を稼がなければいけないのでパートの仕事をしている。娘は二人いるが、小さな子供達の世話で動けない。「私はいつまで、夫の治療費を稼ぐ為に働かなくてはいけないのだろう」と嘆いていました。私の母は、あっけなく死んで、直ぐに「心肺停止」と診断されて、もうちょっとで警察で死体解剖すると言われたけれど、CTスキャンで「大動脈解離による心タンポナーデ」と診断されてラッキーでしたけれど、こんな不幸な主婦もいらっしゃるのだなあとゾッとしました。ずっと忘れていたのですけど、季語報酬改定のお話で「こんな救急病院もまだまだあるんだった」と思いだしました。その主婦は「長尾先生のお話をもっと早く聞いておけば良かった」と仰っていました。難しい話です。ご主人がお金持ちで年金もいっぱいあるのなら、奥様も、こんなに苦労しないのでしょうけど。では金の話かと言われると困るのですけど。
Posted by にゃんにゃん at 2018年04月04日 11:51 | 返信
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