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認知症高齢者への人工透析の意思決定

2018年05月08日(火)

慢性腎不全で人工透析が必要になる人が、年々増加している。
そしてそんな対象者は年々高齢化して認知症を合併している。
ACPを行おうにも家族から経済的虐待を受けている場合は・・・

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クレアチニンが6台の90歳台の要介護2の中等度認知症の人。

年金は子供たちに搾取されていたので保護されている身である。
年金は現在、行政側の人に管理されているが、後見人はいない。

ACPを行おうにも本人は理解不能だし、介護職員のみしかいない。
せめて法定後見人をつけることをまず提案するが、申立人がいない。

必要な20万円を払うのが申立人であるが、誰もそんなお金がない。
法定後見をつけるためには家庭裁判所を通すがそれが不可能である。

もし子供たちに相談すれば(しないが)、なんて言うのか。
「年金が入るのなら透析をして」ということは間違いない。

「親食い」の子供が意思決定をするのがACP、なのか。
介護職員はあくまで第3者で、家族でも後見人でもない。

保護施設にはそんな高齢者が何人かいる。
蛇足だが刑務所も要介護高齢者だらけだ。


で結局、透析をするのかしないのか。
それを誰がどのように決定するのか。

英国では2005年にそんなケースのために法律を造った。
Mental Capasity Actは、関係者によるBest Interestを認めた。

日本は、成年後見人制度止まりで医療後見の法律はない。
本人意思も法的担保しないままACP万能主義で通す国。

以上は人工透析の開始の判断に関する話だが、
人工透析の「やめどき」は医学会のタブーだ。


家族無しの独居の認知症の人や
家族が居ても「親食い」の家族。

彼らが意思決定するのか、しないのか。

ACPだけで2040年問題を、到底乗り切ることはできない。
しかし国策としてどこもかしこもACP一色の美談に酔える国。


もっとも医療保険や介護保険が2040年までもつのかな。
いや、国家が存続できるのか・・・

TOKIOの顛末を観ていると、タレントもファンもアナウンサーも真摯だ。
「誰のために何をすべきか」自分の頭で考え、自分の言葉で話している。

ある意味、まとも。
機能している姿だ。

芸能界が、それなりにちゃんとしている一方で
医療界や政界や行政は現実を認識しているのか。

在宅患者さんの家家で、一番時間がかかるのは意思決定支援ではない。
ファイナンシャルプランナーではないが、お金の話が半分以上になる。

70歳前後の人は、年金が無かったりごく少額の人がいる。
真面目に仕事をしていても、「下流老人」と呼ばれる人だ。

経済格差がそのまま健康格差→介護格差→死体格差、となる国に生きている。
「早く死にたい」という声には、「未来が見えない」という意味も含まれる。

以上のようなことは、そろそろ真面目に議論しないといけないのでは。
こんなことを真剣に考えても意味無いので、酒でも飲んで早く寝よう。

PS)
ごめんね。
今夜も暗くて。

ずっと暗いので。

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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

おカネの話を、なぜ役人に振らないのかな?
たとえば手術が必要だけれど、たとえ一割負担でも手術費も入院費も無い、となると、
それが江戸時代なら親の医者代を稼ぐために娘が吉原に身売りするのだろうけど、
まあ、現代日本でも親の借金のためにソープ嬢やってる人もいるけど、それは騙されているわけで、親の借金の責任は子供には無い。
病気に関しては基本的には現代日本では、役所に言えば、
特に「主治医様」が役所に、これこれしかじかの医療費が必要だが患者にはカネがないので医療を受けられずに死にますよ、と言えば、
役所は生活保護を勧めるのではないですか? 生活保護なら医療費は本人は出さなくてイイから。
そうすると長尾クリニックの患者は生活保護だらけになるからイヤなのかな?
でもそうやって、役所に「現状を自覚させて対応を迫る」ことが必要なのではないですか?

Posted by 匿名 at 2018年05月08日 04:05 | 返信

成年後見人は市長が申し立てて税金で鑑定費用や手続き費用を出して税金で後見費用を出すことができます。
しかしながら独居認知症患者に必要なのは「医療介護を担う成年後見人」であるので、特養や老人ホームに勤務している社会福祉師が成年後見人になってその施設で生活させるか、自宅ならケアマネが成年後見人になって医療介護の意思決定に助言するというような妥協策にになるのでしょうけど、
いずれにしても本人が事理弁識能力欠如となると、周りの人たちの良いようにされる危険性は大きいですよね。

Posted by 匿名 at 2018年05月08日 04:13 | 返信

親の年金で生活している子供というのは程度問題だろうけど、
引きこもりのまま40代50代突入で親が自分たちの死後、その子供がどうやって食べていくかを心配しているという記事を何度か目にしました。
以前、子供たちが共働きだから孫の面倒を看ていてしんどいと愚痴る団塊の世代と話した時、独身の私を揶揄するように「ちょっとは若い人たちにお金を回してほしい」と言っていました。私は黙っていたけれど。
心の中では、私が一所懸命ケチってためたお金、なんであんたの孫にあげなくちゃいけないの? とつぶやいていた。あんたの子供たちが勝手に子供を作ったんだろう? この世知辛い世の中に、よく平気で子供を作れるよね!!! 自分で責任持てよ!!! 私は一人で死ぬからさ。 あんたの子供世代の世話にはならないよ!!!

世代間ギャップもどんどん広がっていくし、どこもかしこもギスギスしています。
私は本気で、今の若い人たちに介護されたくありません。何にもわかってない意思疎通不可能なアニメ世代に、私の身体を預けるのは嫌です。
・・・私の親も、きっとイヤだったのだろうな・・・
やっぱり、安楽死は必要ですよ。

Posted by 匿名 at 2018年05月08日 04:29 | 返信

先生おはようございます。ちょっと暗い気分の時は、西本 喜美子さんの写真をみてちょっとだけ笑顔になってください。わたしは夫も両親もいないので「親食い」が理解できないんですが、息子さんが「うつ病」とかで親の介護を理由に働かない、看護師や介護職にクレームをつける、親の介護を仕事にしてしまうんです。短時間で5万でいいから働いて欲しい、そしたら親は医療も介護を受けられるのに。死ぬまで親を苦しめるのか、わたしならもう早く死んじゃいたいって思います。子どもたちの自立の支援がもっと必要なのに、入っていけない。甥っ子が介護してくれてると喜ぶおばあちゃんの年金も、亡くなった夫の友人が家に入り込んでる場合も、みんなお金を詐取されていますから。泥棒のような男に、寂しいからとコロッと騙されないで。

Posted by ふーちゃん at 2018年05月08日 07:03 | 返信

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