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日本が壊れないために

2018年05月20日(日)

驚いたことに出張中に、往診依頼も看取りも、一件も無かった。
しかし何故か帰阪した途端に電話が10本くらいかかってきた。
いつもそうなのだが、なぜなんだろう・・・

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伊丹空港で1本、新大阪で1本、帰宅するまでに2本。
そしてやっと寝入って1時間後にお看取りの電話が鳴った・・・

ノンレム睡眠の最中の電話は辛い。
電話に反応して出るのが精一杯だ。

不摂生が続き疲れ果てやっと深い眠りについたばかりなのに
また着替えて、深夜3時の看取り往診に出る時は、正直辛い。

こんな時「もう還暦やし在宅なんてやめようかなあ」と思う。
こんなヤクザな仕事から足を洗ったほうがいいのかなあ、と。

しかしご自宅に到着すると、ご家族が待っていてくれる。
死後処置や死亡診断書を書き、帰る時に見送ってくれる。

「深夜にありがとうございました」と言われたら眠気も吹っ飛ぶ。
「ありがとうは魔法の言葉やなあ」と思う単細胞である。

深夜のTVを観ていると関西テレビの桑原征平アナの
定年退職記念特別番組を朝まで生放送でやっていた。

桑原さんは個人的に知っている人なので見てしまった。
後ろに並んでいるアナの中に、片山アナも発見した。

10年前に知り、1ケ月前に関西テレビに伺った時は
会えなかったけどその後、メールで会話している人だ。

看取り往診のおかげで、桑原さんや片山アナと画面を
通じてナマで会えることができた。午前3時の出来事。

深夜の看取り往診には必ずなんかご褒美がついてくる。
神様が「まあまあ」と気を配ってくれていると感じる。

午前3時すぎに帰宅しても今度は目が冴えてしまい眠れない。
なぜこんなに眠たくならないのだ?と1時間以上悶々とする。

そしてやっと眠りについたと思った時にまた別の電話が鳴り対応。
これを2~3回繰り返すと、寝たのか寝ていないのか分からない。

昔、年に350日くらい当直をしていた時代があったが、
その時と同じような生活を還暦のオヤジがまだやってる。

今、頭はボーっとしているが、今週の出来事を回顧している。


沖縄で出会ったみなさん、タクシーの運転手さんも、ホテルの人も
ライブハウスやスナックの人もみなさん真面目に働いていて安心だ。

日本は安全で平和でいい国だと思う。
だから欧米に行くよりも沖縄がいい。

でもそんな日本が今壊れかけている。
いろんな不正や暴力が横行している。

日大アメフト部の悪質タックルには全国民が驚愕した。
しかし日大の対応や責任の所在は、まさに曖昧である。→こちら

その元凶は国会における「記憶にない」ごっこにあると思う。
犯罪を犯しても「記憶にないで免罪される国」は日本だけだ。

高齢者が「記憶にない」となれば、運転免許は取り上げられ、薬を盛られ、
施設や精神病院に閉じ込められるのに、国会内だけでは許容される症状だ。

国民の税金を友人のためにジャブジャブ使う人による独裁政権だ。
それを糾弾する人は監視されているのに国民はそれに気づかない。

こんな国が健全に発展できるはずはない。
少子化や地方消滅を止めるのはモラルだ。

モラルが崩壊した社会に待っているものは「破綻」である。
私たちはそれが分かっているのにどうすることもできない。

この1週間、いろんなことがあった。

高井さんのお父上の認知症事故裁判が最高裁で逆転勝訴。

そしてもうひとつ大きなことがあった。
ここからが今日のブログの本題である。

今週は、純粋に個人的に最高裁で逆転勝訴した週。



3年前、ある犯罪者(常習犯)の決定的瞬間をビデオに捕えた。
犯罪の様子がビデオにバッチリ映っているので警察に通報した。

当然、法に照らして適正に裁かれる、と誰でも思うだろう。
ところがまったくその反対で、逆に訴えられ返される始末。

その犯罪者の父親や兄など身内が兵庫県警の警察官だったのだ。
彼らが尼崎南警察署の副所長に娘の犯罪のもみ消しを依頼した。

副所長(当時)は私に「お父さんに頼まれて困っている」と話した。
その結果だろう、尼崎検察庁は信じられないことに「無罪放免」とした。

絵にかいたような身内の犯罪のもみ消し。

いくら犯罪者を捕まえても、身内の「忖度」でもみ消して、無罪放免に。
しかも逆に訴え返されるという事態に発展・・・

尼崎検察庁の担当検事に話を聞きに行った。
その検事は「私は有罪だと思うが、上司からの圧力でもみ消しに」と。

弁護士さんに相談すると検察庁が一旦下した判断を覆すためには
検察審査会というところにかけるしかない、ということを知った。

しかし検察審査会で逆転する確率は、1%くらいであるとも。
しかし納得できない判決なので、警察審査会に賭けることに。

そしてその結果、半年くらい時間はかかるも「無罪は無効」との判決を得た。
警察や検察は完全に腐っているが、検察審査会は機能していることを知った。

しかし、ここからが長かった。

ようやく尼崎裁判所での裁判になった。
打ち合わせや出廷は大きな負担になる。

そもそも犯罪者を捕まえたのに、なぜこちらが被害者みたいになるのか。
捜査情報は全く知らされないまま、被害者を執拗に捜査するが逆じゃないか?


警察や検察とは、犯罪者は取り調べずに、
被害者を取り調べる組織であると知った。

そもそも警察官や検察官は、ひとりひとりが「絶対神」である、そうだ。
冤罪事件に詳しいという東京赤坂の弁護士さんにそう聞いて愕然とした。

彼らは国民の治安や幸福や正義のために働いているのではない!
国家システム、つまり総理大臣に忠誠を誓うために働いていると。

トップ官僚が「記憶に無い」と言えば出世できる仕組みが理解できるだろう。
私は超個人的な経験を通じて、この国の統治システムの大きな欠陥を知った。

日本国には警察や検察官を取り締まる法律が存在しないのである。
これは致命的欠陥だと思う。

韓国の歴代大統領の逮捕劇だけでなく米国のトランプ大統領でも
大統領命令が通らないという「ブレーキシステム」を有している。

しかし日本は、そうした「権力のブレーキ」が無い国である。

だから権力者(政治家、警察、検察官)の犯罪が、後をたたない。
それは犯罪を犯しても断罪されないという欠陥構造に原因がある。

話を戻そう。

2年後に尼崎地裁でやっと「有罪」の判決が出た。
しかし大阪高裁に上告され、また半年が経過した。

高裁でも「有罪」判決が出たが、警察官一家は最高裁まで持ち込んだ。
しかし、先週、最高裁でもやっと「有罪」判決が出て、罪が確定した。

結局、泥棒さんを捕まえてから3年を要した。
弁護士費用だけでも300万円以上かかった。

私は、泥棒さんは恨んでいない。
なぜならそれは「病気」だから。

前科があり再犯を繰り返していることも、最近知った。
毎回、黙秘と身内のもみ消しで切り抜けてきたことも。

許せないのは、警察と検察の犯罪常習性である。
治安を守る立場の人達が結託して身内の犯罪をもみ消すという犯罪を繰り返す国。

日本という国がそんな状態にあることを身を持って知らされた。
だから国会での「記憶にない」騒動も裏側が容易に想像できる。

野党がやるべきは「権力を取り締まることができる法律」を造ることだ。
しかし野党である限り永遠にそれは実現せず、権力者やりたい放題が続く。



99%の国民はまともに生きている。
日本人としてのモラルや美徳がある。

しかし1%の権力者は、犯罪をやりたい放題の現状にある。
犯罪を犯しても絶対に捕まらないことを知っているので犯罪ができる国。

恐ろしいのは、そんな国家の行く末である。
事実、私の身の周りでもそんな事件が起きた。

奇跡的に最高裁で勝ったが、もし負けたら日本国籍を捨てようと思ってきた。
しかし勝ったので、この国が壊れないことを願い、今後もしばらく発信する。


まさに夢のような、信じかたい3年間だったが、学んだことが沢山あった。

このブログに警察や検察の批判を書くのは、この国が壊れて欲しくないから。

先週最高裁判決が下ったので今日初めて3年間闘ってきた経緯を書いた。
鉄道事故裁判の高井さんもそうだったが、私自身も感無量の週であった。

超個人的な話に、ここまでお付き合い頂いた皆さまに心からお礼を申し上げます。

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この記事へのコメント

勝訴!!! 心からおめでとうございます。
二つのクリックしかできませんが、60歳を過ぎても頑張ってください。

Posted by K36 at 2018年05月20日 02:31 | 返信

凄いな!!
鳥肌が立つような、感動というか
激震が心の中を走ります。
自分を信じ、正義を心の芯に据えて
そう生きることの "生き辛さ" を
長尾先生の何十分の一、位は分かって
いるような気持ちではいたのですが、でも
真理を追究する=真実を貫き通す生き方は
本当は、誰にも真似できない位な、
桁違いな程の "真っすぐ" な..
長尾先生の "芯" を読ませて頂いた
そんな心境になりました。

Posted by もも at 2018年05月20日 09:18 | 返信

「日本が壊れないために」
「善」を求めていくには、
個人の時代なんだな、と思う昨今です。

>泥棒さんを捕まえてから3年を要した。
>弁護士費用だけでも300万円以上かかった。
と、お金と時間を費やしながら、気持ちの波風に
煽られながらも追究するのは、自分の被害額や
被害者意識だけでなく、むしろ権力への挑戦に
意味があってのことだったと拝察します。

今日、日大アメフト部所属の、いわゆる加害者と
なった青年が開いた 記者会見=謝罪会見 を見て
歪んだ組織に埋没することなく、我に返って
真実を述べて、真摯に謝罪し、誠実に生きる道を
選んだ若者の勇姿に、拍手を送りたい気持ちに
なりました。
「組織」というものは、人に何かを強要する、
圧力を持って当たり前な、そんな日本に成り下がって
しまった、と思う場面が現代には幾多もあって、それは
かつての、「いつか来た道」へと後戻りしそうな程の
脅迫的な風潮=空気感 を醸し出すような「危険な香り」
漂う 日本、JAPN, です。
「正義」とまでは言わなくても、「人として」を第一に
考えて行動する事ができた、世界に誇ることができる
善良な日本魂を、個人個人が取り戻し、行動していかなければ
本来の古き良き「日本」を取り戻すことは出来ないと
思いました。「日本が壊れないために」それは、
個人(一人ひとり)が心して、良心を取り戻すこと
ではないでしょうか。

Posted by もも at 2018年05月22日 10:36 | 返信

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