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追悼朝丘雪路さん「アルツハイマー型認知症で死ぬということ」

2018年05月21日(月)

朝丘雪路さんが、アルツハイマー型認知症で亡くなられた。
昨日、夫の津川雅彦さんの記者会見も聞き、切なくなった。
そして、「アルツハイマー病で死ぬということ」を考えた。


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ネットの反応をみると
・アルツハイマーって死ぬんだ!?
・怖い病気だなあ、といった呟きが多かった。

おいおい、今頃なにを言っているんだ!
そんなことも知らなかったの?と思ったが、その前に・・・


もしかしたら朝丘さんはアルツハイマー型認知症で
亡くなった日本初の芸能人ではないのだろうか??

あくまで「死亡病名」としての話だ。

私は、これまで、2000枚以上の死亡診断書を書いてきたが、
死因欄に「アルツハイマー型認知症」と書いたことが一度も無い。

私は、「肺炎」や「心不全」や「老衰」で書いてきた。


もちろん「アルツハイマー型認知症」で亡くなる人は沢山いるのだが
家族に相談すると「その病名はやめて欲しい」と言われてしまうから。

朝丘さんの場合は主治医が家族の意向を聞かずにこの病名を書いたようだ。
津川さんの会見では、「診断書をみたらそう書いていた」と説明していた。

しかし実際には珍しいのではないか。

「3人に1人はがんで死ぬ」ので、「○○がん」は珍しくない。
一方、認知症700万人時代なのに、「認知症」と書いたことが無いのは何故か。

要は、認知症には世間ではまだまだ偏見があるのではないか。
朝丘さんがそのタブーを、一気に突き破ってくれた気がする。

丹野さんは、先週、尼崎で自分が認知症であることをカミングアウトした。
朝丘さんは、「アルツハイマー型認知症で死ぬということ」を知らしめた。

アメリカでは「アルツハイマー型認知症」は、死因の第6位である。
一方、日本では「アルツハイマー型認知症」は、番外である。

やはり、日本ではまだ認知されていない!!

それが今回、はっきりした。
病名は知っていても「アルツハイマー型認知症で死ぬということ」は知らない。

徐徐に食事量が減り、痩せて、車椅子生活になり
最後には言葉も失い、肺炎を併発して亡くなる病。

これは私たちには当たり前でも、一般市民にはまだ充分に知られていない。

那覇で「独居の認知症でも在宅看取りは可能」と講演したばかりだが、
そもそも認知症が「死ぬ病気」であること自体、まだ知られていない。

それは「認知症」という造語が出来てまだ10数年と歴史が浅いことや
「認知症=加齢現象であり病気ではない」という意識が強すぎるのかも。


「認知症患者」が禁句とされ「認知症の人と呼びましょう」とか
「病気ではなく障害だ」、という啓発が強すぎるのかもしれない。

朝丘さんと津川さんのメッセージが、「アルツハイマー型認知症」
の啓発に役に立って欲しいなあなんて思いながらTVを観ていた。

朝丘さんのご冥福をお祈りする。


以下、日米の死因統計に関する資料。

・NEWSWEEK
アルツハイマー病による死亡率がアメリカで急増
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/05/post-7692.php
アメリカでアルツハイマー病による死亡率が1999年から2014年の15年間で55%増加したことが分かった。
 
 
 
・米疾病予防管理センターが2015年の死因トップ10を発表。アルツハイマー病が6位に 
https://ansinkaigo.jp/press/archives/8399
(*ちなみにレーガンは2004年に死去していますが、死因は肺炎です)
 
 
日本人の死亡原因厚生労働省のHPより。
http://qq3q.biz/K7Mk
 
(PDF P18参照)
 平成28年の主な死因別の死亡率(人口10万対)をみると、がん298.3、心臓病158.4、肺炎95.4、脳卒中87.4、老衰 74.2などとなった。年次推移をみると、がんは一貫して上昇を続け、昭和56年以降死因順位の第1位となっている。 心臓病は昭和60年に第2位となり、その後も上昇していたが、平成6、7年には急激に低下した。9年からは再び上 昇傾向となっている。  肺炎は昭和22年以降低下傾向であったが、48年以降は上昇傾向に転じ、平成23年には脳卒中を抜いて第3位となっ た。  脳卒中は昭和45年から低下、平成3年以降は横ばいで推移し、7年に急激に上昇したものの、その後は低下傾向と なっている。
*1  平成6、7年の心臓病の低下は、新しい死亡診断書(死体検案書)(平成7年1月施行)における「死亡の死因欄には、疾患の終末期の状態として の心不全、呼吸不全等は書かないでください。」という注意書きの、事前周知の影響によるものと考えられる。
*2 平成7年の脳卒中の上昇の主な要因は、ICD-10(平成7年1月適用)による原死因選択ルールの明確化によるものと考えられる。
 
 
 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@

結局、今日も深夜まで緊急往診で往診まで走り回っていた。
そしてご家族に「認知症で死ぬということ」を話していた。
 
★2016/12/21
女性の死因、アルツハイマーが初めて10- 厚労省、2015年版の人口動態統計
 ↓CBニュース 2016年12月
https://kango.mynavi.jp/contents/nurseplus/industry_news/女性の死因、アルツハイマーが初めて10位-厚労省/
 
 

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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

津川雅彦さんの義姉の南田洋子さんも50歳くらいからアルツハイマー型認知症でした。夫の長門裕之さんが闘病を支えていることを『徹子の部屋』で話されていたと思います。長門さんがその2年後に亡くなられたことを思うと、津川さんの心身とも支えていかないといけない。周囲の方々から少しでも力をもらってほしいです。


Posted by 匿名 at 2018年05月21日 01:57 | 返信

服薬副作用による認知症症状もあります。
≪その医療 ホントに要りますか? 2018年5月21日  山ほど出る薬は副作用リスク 高齢者はお酒同様、薬にも弱くなります≫
と題するコラムがyomiDr.のネット記事で読めます。
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180510-OYTET50034/2/
読売がこれだけの記事を載せるようになったのも、長尾先生始め週刊誌の編集者さんのご尽力のおかげですが、記事が出回るようになっても肝心のお役所がちっとも動かない。よっぽど製薬企業とアヘお抱え医者からの「ハナグスリ」が効いているんでしょうね。・・・・文末に、クスリを止めるのは医者に相談せよ、と書いてあるのでクスクス笑いしました・・・結局医者次第??? クスリについて質問するだけで激高する医者もいます。クスリを止めたいなんて言うと「どうぞ。どうなっても知りませんからね。」と脅す医者は当たり前にいる。・・・・・医者が「クスリ依存医療」から脱却しないと、どうしようもないのですがね。
以下抜粋
高齢になると、ふらつき・転倒、記憶障害など認知症の症状、意識がもうろうとする「せん妄」、抑うつ、食欲低下、便秘、排尿障害・尿失禁などの症状が起きやすくなります。こうした症状は「老年症候群」と呼ばれます。
 ところが、これらの症状は、薬の副作用によって起きることも多いのです。これを「薬剤性老年症候群」と言います。薬が原因なのに、そうとは気づかず「年のせい」で済まされ、原因である薬を飲み続けてしまう場合が少なくありません。
抜粋ここまで
続いてベンゾと抗コリン剤の副作用について書いてあります。
長尾ブログの読者の皆様、ぜひご一読を。
そして安易に医者のクスリを飲まないように。医者を怖がらないでどんどんしつこく「笑顔で」医者に質問しましょう、どんどん疑問をぶつけましょう、医者が嫌がって質問に答えなければ消費者相談センターへ相談するのも一つの方法です。自分の身を守るのは自分です。

Posted by 匿名 at 2018年05月21日 05:08 | 返信

一つ目のコメントの追記です
長門さんが亡くなられたのは、妻の死の二年後ということです。曖昧な書き方ですみません。

Posted by 匿名 at 2018年05月21日 10:40 | 返信

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