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救急治療が受けられず亡くなる独居老人が急増中

2018年06月03日(日)

独居高齢者に対して、必要な救急搬送と不要な救急搬送をどう考えるのが
「在宅救急研究会」だと思って立ち上げたが救急専門医は「全部搬送」と。
それって自分で自分の首を絞める、ないし高齢者に不利益をきたすのでは。
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昨夜も、独居高齢者から電話がかかってきた。
「救急車を呼ぶか呼ばないか」の相談である。

週末が「不安」なのだ。

単に不安だからなんとなく119番する独居高齢者が
たくさんいることは在宅医や救急関係者は知っている。

しかしこんなことをしていたら、本当に必要な人の
救急治療が受けられずに亡くなるケースが増えるだけ。

そう思い。咋年「在宅救急研究会」を立ち上げて意見交換を
しようと張り切って出かけたのだが、内容は真反対であった。

日本救急医学会の横田理事長や大田理事は、
「リビングウイルは邪魔だ」と、公言した。

要は、日本救急医学会は
・素人(患者さん自身)は黙っていろ
・救急処置はすべて救急医が決める
・リビングウイルや平穏死なんてもってのほか
・救急搬送例は全例に心肺蘇生を行う、と主張。

この現代において、なんと時代遅れの医療かと呆れた。
しかし日本救急義学会のトップが大勢の前でそう発言。

なんだか「私へのあてつけ」のようにも感じたが、
救急医の万能感というか、ある種の奢りを感じた。

一方、下記の記事のような現実がある。
だから彼らの主張は矛盾していると感じる。

多くの救急医はリビングウイルや本人意思を忖度している。
救急隊員も心の底でそう願っていることも私は知っている。

しかしいかんせんトップの人達の見解は何故か真反対なのだ。
これって日大のタックル問題とどこか似ているように感じる。

もはや、日本救急医学会に期待するものは、何もない。
トップが良識がある日本臨床救急医学会に期待したい。


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救急治療が受けられず亡くなる独居老人が急増中
~65歳以上の独居老人7年後に700万人、急病に備え家族がすべきこと~
 
この原稿はJBPRESS(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53019 5月9日配信)からの転載です。
 
坂本諒
 
2018年5月30日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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●認知症のある独居高齢者の増加
 
独居高齢者をどのように支援するか――。我が国が抱える深刻な課題だ。
 
2015年の65歳以上の独居高齢者は、男性約192万人・女性約400万人だ。高齢者人口に占める割合は男性13.3%・女性21.1%。2025年には男性約229万人・女性約471万人、2035年には男性約260万人・女性約501万人と推定されている*1。
 
独居高齢者の中には、認知症を抱える人もいる。認知症の有病率推定値は15%であり、有病率が一定だとすると、認知症のある独居高齢者の推計は、2015年には約89万人、2025年には約105万人、2035年には約114万となる*2。
 
認知症のある独居高齢者の現状はどうなのか、そして、打開策はあるのだろうか。
 
 
●救急車の同乗者が居ない独居高齢者
 
週1回、入浴介助のサービスを受けていた80代の軽度認知症の方がいた。入浴介助や内服薬の管理などの支援を要していたが、それ以外は自立して生活していた。
 
ある日、買い物に出た時、路上で倒れた。頭部を強打したため、一刻を争う事態であった。直ぐに救急隊が到着したものの、救急車に同乗する身内がいない。
 
本人には、近くに住んでいる血縁のない親戚が1人だけいたが、救急車への同乗を拒否した。
 
遠方に住んでいる血縁のある親戚に連絡がつき、何十年も会っていなかったようだが、書類上で必要な手続きのみ協力を得られることになり、普段から関わっているヘルパーが救急車に同乗することになった。
 
対応困難事例は、搬送先の病院が見つかりにくい。いわゆる“たらい回し”も起こる。一刻を争う状態にもかかわらず、結局1時間以上放置された。
 
やっとのことで見つかった病院に搬送されたが、時は既に遅かった。大きな後遺症が残り、寝たきりとなってしまった。
 
急変の可能性がある持病をもち、普段からかかりつけの病院があり、いざという時に救急搬送や入院を引き受けると言ってくれている病院がある場合はまだいい。
 
しかし、そのような病院がない場合、認知症のある独居高齢者は対応困難事例として、搬送を断られることがある。
 
独居の場合は救急車の同乗者がいない。“断らない医療”を掲げ、身寄りのない独居高齢者でも受け入れる方針の病院が見つからない限り、搬送は難航する。
 
そのような病院以外は、遠方の家族や親類に連絡がつき、後から駆けつけるなどの条件がないと受け入れられにくい。個人情報の詳細が不明のまま搬送されたとしても、身寄りのない独居高齢者だと分かれば対応が手薄になることがある。
 
この事例からの教訓は、急変時の搬送先をあらかじめ確保できる場合は確保し、そうでない場合は、最低限のサポートをしてくれる家族や親類を確保しておく必要があることだ。
 
 
●体調不良時の自己管理が難しい認知症のある独居高齢者
 
認知症があっても、独居生活は可能だろうか。実際には、軽度の認知症があっても、食事の支度や入浴以外が自力で行えれば、独居生活が可能だ。
 
週1~2回の入浴介助、連日の食事準備は、訪問サービスや配食サービスなどでまかなえる。
 
問題は、体調不良時の対応だ。人知れず倒れていることもある。室内で倒れた場合は、援助者や隣人が来なければ見つからない。
 
ある日、週2回の入浴介助や連日の見守りを受けていた80代の認知症の方が、傷口からの感染で発熱して倒れた。
 
この方の場合、前日の訪問で微熱があり、感染の可能性があることから、念のため翌日にも訪問をした看護師に発見された。
 
直ぐに救急車で運ばれ、緊急入院となった。危機管理意識の高い援助者がいなければ、孤独死していてもおかしくない。
 
入院治療を受けて自宅に戻った後、同様の危機的な状態に陥るリスクがあってもいいから、自宅で暮らしたいと話していた。
 
リスクがあっても、自宅で過ごしたいという人がいる。対応の判断をする福祉職や医療職は、覚悟を持ってサポートしなければならない。
 
今後、在宅ケアにおけるIoT技術の活用が進む。
 
体温や血圧などのバイタルサインの自己測定結果が、インターネットを通して支援者に届けば、必要なサポートができる。
 
また、介護用人感センサーなどもある。
 
例えば、外出を感知するセンサーや、利用者が一定の時間以上動かなかった場合に作動する見守り型センサーがある。
 
コストはかかるが、IoT技術の発達は、“援助者が訪問しなければ利用者の状態が分からない状況”を部分的に変えることができる。
 
 
●家族がいても疎遠であれば事実上の独居高齢者
 
誤嚥性肺炎を発症した80代の認知症の方が、救急搬送されて来た。酸素をマスクから高流量で送り、やっとのところで生きていた。
 
この患者には娘がいたが、絶縁状態であった。入院を担当した看護師が、娘との接触を試みた。連絡がつき最低限の手続きには協力を得られた。
 
しかし、患者である父を見るなり、「どうなってもいいです」と話した。事実上、“身寄りのない独居”と同じだ。
 
看護師が娘に話しかけても反応は鈍く、せめて状態を見てもらおうと誘導しても、遠目に見るのみだった。結局、娘は最低限必要なオムツを購入し、帰っていった。
 
ある看護師は、「それなら、お看取りですね」と言った。医師も同じ意見を持っていたため、結局、治療をせずに翌日亡くなった。
 
救命における訴訟のリスクは大きいが、“身寄りのいない独居”は、そのリスクが実質的にゼロだ。死人に口なし。医療者の身構えも当然低くなりやすい。
 
他の看護師は、「(今回の対応は)あり得ない。倫理的にどうなのか」と言った。後日、医療チームで、この件について議論した。意見は割れた。
 
確かに、家族は「どうなっても構わない」と言っていた。それはすなわち、“看取る”との意思表示とも解釈できる。
 
看取りを考えた看護師と医師の意見は、家族の意思、患者の疾患・年齢や社会背景を根拠にしている。確かに、仮に治療をして生き長らえても、居場所を確保できるか分からない。
 
看取りまで対応する病院や施設は、どこも入院・入所待ちだった。仮に入れたとしても、絶縁状態の家族は、金銭面の援助をしない。
 
一方で、大部分のスタッフは、「(抗生剤投与などの)治療はすべきであった」と言う。誤嚥性肺炎は、抗生剤の点滴をすることによって一旦は落ち着き、治ることが多いからだ。
 
私も、一旦は治療するという意見に賛成する。一旦治療をすることで、今後の方針を考える時間的猶予を持つことができるからだ。
 
身体状態が悪化すると、精神状態も悪化してしまう。身体状態が悪い場面での認知機能は、本来の認知機能より低くなるうえ、せん妄(意識の障害)の可能性もある。
 
身体状態が悪い時には意思疎通が困難でも、治療によって身体の状態が落ち着けば、意思疎通が可能になることがある。そこから、本人の意思を確認することもできる。
 
どこまで治療し、どこから治療をしないのか、複数の医療関係者で治療方針を決められるようにしなければ、身寄りのない方への対応は疎かになりやすい。
 
 
●同じ患者背景でも、家族がいれば対応は異なる
 
同じような年齢・疾患でも、協力的な家族がいる場合はどうなるか。90代の認知症の方で、同じく誤嚥性肺炎を患っていた方がいた。本人は元政治家であり、家族関係は良好だった。
 
直ぐに家族に連絡がつき、一旦治療をすることとなった。誤嚥性肺炎に対して、抗生剤の点滴をした。その後、本人の身体状態は落ち着き、会話もできるようになった。
 
しかし、認知機能の低下により、予後に対する理解や意思決定は難しい状態であった。本人への意思確認が困難であるため、家族に本人の状態を説明し、意思を確認した。
 
家族は、本人の寿命を考慮し、DNR(延命拒否)を希望した。
 
家族は、本人の身体状態は年齢相応であり、無理はせずに看取りたいと希望した。その後、口から食べることは難しく、少量の点滴をしながら穏やかに亡くなった。
 
良好な家族関係は、看取りのプロセスも良好にさせる。たとえ何もせずに看取る場合でも、意思決定のための時間的猶予が十分に確保される。
 
 
●独居の認知症の方でも上手くいく場合がある
 
認知症のある方で、独居でも上手くいく例はないのだろうか。そう考えていた頃、ある80代の認知症の方が入院して来た。
 
体調不良を契機に、食事や水分の摂取量が減少した。脱水状態となり、せん妄(意識の障害)によって、意思疎通が困難な状態であった。
 
独居であったが隣人とのつき合いがよく、訪ねてきた隣人に発見され、受診に繋がった。遠方に家族がいたが、家族は隣人からの連絡で本人の状況を知ったそうだ。
 
家族関係は良好であり、家族は時間を置いて駆けつけた。医師は、患者の状態や治療方針などを家族に伝えた。
 
初め患者は治療内容やその必要性を理解できる状態ではなかった。点滴などの必要な管は自ら抜いてしまうし、ケアや処置は断られる。
 
しかし、この場合は、治療によって元の生活に戻れる可能性が高い。まずは、脱水に対して点滴をし、身体状態を整えた。
 
身体状態が整うと、少しずつ意思疎通ができるようになった。今後の生活についての希望を聞くと、患者は「家に帰りたい」と話した。
 
臥床に伴って筋力が落ちていたが、リハビリによって再び歩けるようになった。家族を交えて患者と医療者が話し、慢性期の病院に一旦転院してから家に戻ることになった。
 
また、家族だけではなく、退院までは隣人も見舞いに来た。隣人とのつき合いがよく、それが見守り機能も果たす場合、軽度の認知症であれば十分に自宅で生活できることを知った。
 
 
●インフォーマルサポートの事前確保
 
認知症のある独居高齢者が在宅で生活し、必要な医療を受け続けるには、インフォーマルなサポートが欠かせない。
 
普段から近隣との関わりを持ち、遠方に家族や親類がいる場合は、普段から連絡を取って緊急時のサポートを依頼しておく必要がある。
 
具体的には、救急隊到着時における緊急時連絡先として家族や親類を確保しておき、病院搬送後に時間を置いて駆けつけてもらえるようにしておくことだ。
 
また、近隣と常日頃から関わり、緊急時に助け合える関係を築いておくことだ。助けてもらえる人柄でいなくてはならない。
 
制度を整えても、限界はある。必ず漏れる人が出てくる。自分の身は、自分で守るしかないのだ。
 
*1 平成29年版高齢社会白書
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/zenbun/index.html
 
*2 認知症有病率等調査について
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=146270&name=2r98520000033t9m_1.pdf

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