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製薬マネーと医師

2018年06月07日(木)

医療=お薬、になっていることを憂う。
医者の勉強会では、ほぼ全てに薬のの宣伝が入る。
臨床研究も薬屋さんのためで、患者さんは利用されるだけ。
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何が本業なのか、きっと自分も分からないのだろう。


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シリーズ「製薬マネーと医師」を始めます
 
http://www.wasedachronicle.org/articles/docyens/e1/
この原稿はワセダクロニクル(2018年6月1日配信からの転載です。)
 
2018年6月4日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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日本には現在、30万人を超える医師がいます(*1)。講演料やコンサルタント料などで製薬会社から年間1,000万円を超える金銭を受け取っている医師たちがいました。その数は90人程度です。そうしたケースを含め、医師個人に直接支払われる金額は2016年度の1年間で総額250億円を超えていました。私たちの取材でわかりました。
 
医師には薬を処方する権限があります。製薬会社から多額の金銭を受け取ることで、薬の処方に偏りが生まれることはないのでしょうか。特定の製薬会社の医薬品を優先した処方になってしまうことはないのでしょうか。だとしたら、患者さんは金銭で左右された処方による医薬品を使われることになるのです。
 
ドラッグストアなどで市販されている薬と違い、処方箋が必要な薬のことを「医療用医薬品」といいます。その医療用医薬品は製薬会社の売り上げの約9割を占め(*2)、年間10兆円にもなります(*3)。
 
日本は国民皆保険です。このため、税金や公的医療保険の保険料が薬の代金には含まれていることになります。製薬会社が医師に支払う金銭は、それらの薬の売り上げ代金が元になっています。製薬会社から医師への支払いをチェックすることは、私たちの税金や保険料の使い道をチェックするということでもあります。
 
ワセダクロニクルはシリーズ「製薬マネーと医師」を始めます。
 
シリーズを開始するために、私たちはデータベースを作りました。これが私たちの取材のベースになります。
 
製薬会社は、医師に支払った金額を、毎年自社のホームページで公表しています。私たちは会社ごとのデータを整理し、一つに統合しました。医師名をデータベースで検索すると、どの製薬会社からいくら受領したかがすぐに出てきます。特定非営利活動法人の医療ガバナンス研究所との共同研究として作成し、公開に向けた準備を進めています。
 
◆ゲルシンガー事件で「透明化」が加速、「10ドル以上」公開に
製薬会社から医師への金銭支払いを「透明化」しようという試みが本格化したのはアメリカからでした。
 
1999年、ペンシルベニア大学で実施していた新薬の実験で、被験者である18歳の少年が死亡しました。担当医は新薬を開発する会社の大株主で、少年に新薬の副作用などリスクをしっかり伝えていませんでした。この事件は、亡くなった少年の名をとってゲルシンガー事件と呼ばれています。
 
この事件以降、製薬会社と医師との金銭が絡む関係を透明化しようとする動きが加速し、オバマ大統領が進めた医療保険改革法のもとサンシャイン条項ができました。この条項によって、製薬会社から医師への10ドル以上の金品は、医師の個人名とともに情報公開することが2013年から義務付けられました。
 
ところが日本ではまだまだ「透明化」とは言い難い状況です。
 
◆日本学術会議は「データベース化」提言
アメリカでの動きを受け、日本でも大手製薬会社が加盟する業界団体・日本製薬工業協会(製薬協)が2011年に「透明性ガイドライン」(*4)をつくりました。ほぼ同時に日本医学会も指針をつくり、「多額の金銭が提供されると研究成果の解釈や発表でバイアスがかかる」と、情報公開の動きに歩調を合わせました。2013年から毎年、製薬各社は自社のホームページで医師への金銭の支払い情報の公開を始めました。
 
しかし、製薬会社と医師との利害関係を正確に把握するには、どの製薬会社から、どの医師が多く金銭の支払いを受けているのか、それを比較することが必要です。特定の製薬会社から1,000万円をもらっているのと、10社から100万円ずつもらっている場合では、前者の方の利害関係が濃くなり、偏りが生まれる可能性はより高くなるからです。
 
比較するためには、医師名を入力すればどの製薬会社からいくら支払われているか分かるデータベースが必要です。
 
日本学術会議の臨床試験制度検討分科会は2014年3月27日、次のように提言しています。
 
「製薬協は、各企業が開示する医療施設・機関等、医師への支払額などの情報を、全てデータベース化する。また、各企業は、公表した全ての項目について社会から疑義等が指摘された場合、迅速に調査を行い、疑義等を払拭する説明責任を適切に果たさなければならない」(*5)
 
ところが、製薬協はデータベースをつくっていません。このため、ワセダクロニクルは、医療ガバナンス研究所とともにデータベースをつくることにしました。
 
製薬各社はデータをPDF化できないようしたり、1件ずつデータを申請させたりして、データベースの作成に際しては様々な障壁がありました。それを何とかクリアし、数十万件のデータを処理しました。データベースの作成作業にはこれまで延べ2000時間以上がかかりました。
 
◆米国とドイツの非営利型ニュース組織がデータベースを公開
こうしたデータベースづくりは、アメリカとドイツが先行しています。
 
いずれも、ワセダクロニクルと同様、非営利型の探査報道ニュース組織が作成しました。
 
そしてそのデータベースは、患者さんが自分の医師と製薬会社との利害関係をチェックできるよう、一般に公開されました。現在、誰でも簡単に利用することができます。
 
アメリカでは、探査報道の非営利型ニュース組織プロパブリカ です。このデータベースの名称は「Dollars for Docs(医師へのカネ)」。医師の名前などを検索窓に入れると、その医師が製薬会社からどのくらいの金銭を受け取ったのかが簡単にわかります。
 
ドイツでは、探査報道の非営利型ニュース組織コレクティブが「Finde Deinen Arzt(あなたの医者を見つけよう)」というデータベースを一般公開しています。「あなたの医者は製薬会社からお金をもらったか?」と読者に問いかけ、医師の名前、市町村名または郵便番号を入力して検索できる仕組みです。
 
ワセダクロニクルと医療ガバナンス研究所も一般公開に向けた作業を進めています。
 
◆「医師が『産業の歯車』になったら」
薬害HIVの被害者である花井十伍さんに話をうかがったことがあります。
 
血友病患者に投与された非加熱製剤が問題になる前のことです。血友病の子どもたち、親、医師らが、その非加熱製剤を扱っている製薬会社のサポートで、治療法を学ぶキャンプがありました。参加者の中にはその後、エイズで亡くなった少年もいました。
 
一緒に参加した医師は「医師も製薬会社も頑張ったのに、なんでこんなことになったんだろう」と振り返ったそうです。
 
花井さんはこう思ったそうです。
 
ーー「みんな頑張った」じゃなくて、薬害エイズは防げたんだ。誰かが処方したから薬害になったんだ。「国が薬を安全だと言った」と言い訳する医者がいるが、それなら処方権を放棄しろといいたい。
 
サイエンティストが自然と産業の歯車になってしまっている。構造の問題だ。医療が産業化してしまっている。薬学部の学生に授業をする時は、産業の立場に立つか、命を守るサイエンティストになるか、選択を迫られる時が来ると言っている。
 
確かに血友病は製薬会社の薬で改善された。そこは彼らの成果だ。だが製薬会社は有効性を証明する研究には熱心でも、副作用の研究には熱心ではない。それが産業の論理だ。薬害被害者にしたら、医者は有効性を証明している間よりも、問題が起きた時への対処で製薬会社との利害関係が効いてくる。対処が遅れ、被害が大きくなる。
 
国民皆保険であることは肝中の肝。適切に国民の命のために使ってるか、チェックしなければならない。ーー
 
医師は、患者のことを第一に考える存在であってほしい。製薬会社は医師との利害関係を透明化した上で、患者さんの命と健康を守る薬を処方してほしい。
 
ワセダクロニクルは、そういう思いで新シリーズ「製薬マネーと医師」を始めます。
 
=つづく
 
◆ご寄付のお願い◆データベース作成では膨大な作業時間と費用がかかっています。みなさんからのご寄付で取材と報道を続けさせてください。寄付のページはこちらから簡単に手続きできます。みなさんの温かいご支援、よろしくお願いいたします。
 
 (C) Waseda Chronicle, All Rights Reserved.
 
[脚注]
 
*1 厚生労働省「2016年 医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」2016年、厚労省ウェブサイト(2018年5月29日取得、http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/16/index.html)。
 
*2 厚労省「平成27年薬事工業生産動態統計年報の概要」2015年、厚労省ウェブページ(2018年5月31日取得、http://www.mhlw.go.jp/topics/yakuji/2015/nenpo/)。
 
*3 2017年の医療用医薬品の市場規模は10兆5149億円。出典:IQVIA医薬品市場統計、IQVIAホームページ(2018年5月27日取得、https://www.iqvia.com/-/media/iqvia/pdfs/ap-location-site/japan/thought-leadership/top-line-market-data/toplinedata-cy-2017.pdf?la=ja-jp&hash=ED830A46FC2F2CA7B9AC502C5A00AE92231C638B&_=1527484029108)。
 
*4 正式名称は「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」。出典:日本製薬工業協会(製薬協)ウェブページ(2018年5月27日取得、http://www.jpma.or.jp/tomeisei/)。
 
*5  日本学術会議科学研究における健全性の向上に関する検討委員会臨床試験制度検討分科会「提言 我が国の研究者主導臨床試験に係る問題点と今後の対応策 」2014年、12頁、日本学術会議ウェブページ(2018年5月31日取得、http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-t140327.pdf)。
 
 
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この記事へのコメント

6月6日の「もしカルテを改ざんしたら・・」の「通りすがりさん」への返信にも書いたのですが、
古今東西を問わず、時の政権と医者は常に二人三脚、がっちり密着している。製薬会社はこの「悪しき伝統」をよく理解しているからまず医者を抱き込むのだろうけど、厚労省の職員が製薬会社へ天下りしているのは有名なハナシ。リストまである。
アヘ様は医療産業発展を国策として過剰医療過剰投薬を推進し近隣諸国への「医療産業輸出」を目論んでいる。
そのうち、アジア諸国民が「日本医療の被害者連盟」を作るだろう。日本はまた「負の遺産」を作ることになる。

アヘご本人様が医者とクスリに頼って生存できるカラダであるというのも理由かもしれないが、アヘ様の後援会には多剤大量処方大好きなブラック医師がたくさんいるのだ。・・・アヘ様には「ほんとに必要な」クスリしか処方してないのだろうけど、ね。

Posted by 匿名 at 2018年06月10日 04:08 | 返信

東洋経済の6月16日号に「製薬大再編、タケダショックが呼ぶ嵐」と題して特集が組まれています。
内容を写そうとしたのですけど、アッという間に消去してしまったので、¥680購入してくださることをお願いします。
特にp46の「認知症薬の開発は死屍累々。心血注ぐエーザイは大丈夫??」は興味深い内容です。
エーザイや、ファイザーが「アミロイドベーター仮説」に基づいて新薬開発に乗り出したが、臨床試験が次々失敗で相次いだ失望売り株価暴落になった。アミロイドベーターで躓いたのはえーざいだけではない。医療用薬品で世界トップの米ファイザーも12年にジョンソン&ジョンソンと共同開発品「パピネオズマブ」の臨床試験を打ち切った。米イーライリーも、世界4位の米メルクも臨床試験を打ち切った。世界総崩れとなった。
世界最大手も白旗、極めて高い開発難度。
直近ではファイザーもとうとう音を上げ、認知症の開発から撤退すると発表した。認知症薬は高血圧症薬などと異なり、効果の有無を示す明確な指標が無い。他にも臨床試験の参加者を集めつらいなど、開発難度を極めて高いと言える。
それでもエーザイは「認知症薬のパイオニア企業」(内藤CEO)よいう自負のもと、開発の成功を前提に我が道を突き進む。
現在の主戦場である日本では、認知症患者を地域で支える「まちづくり」協定を、80以上の自治体と締結。17年には患者の位置情報を確認できる外出支援ツールを発売したほか、認知症への理解を促す小中高生向け教材の販売にも乗り出し、認知症に備える保険まで共同開発した。
かっての黄金期を支えたアリセプトは米国での特許切れを境に大失速。直近の売上高は443億円と、ピークの7分の1まで縮小している。エーザイは新たな認知症薬を世に送り出し、往時の輝きを取り戻せるのか。発売目標としている20~25年まで、残された時間はそう長くない。
~~~~~~~~~
と、東洋経済6月16日号は伝える。
医療特に製薬業界と、世界経済の関係が、垣間見えて眩暈がする思いです。
まさに自治会でも「見守り」が始まっています。
是非購読お願いします。

Posted by にゃんにゃん at 2018年06月13日 02:13 | 返信

ある教育関係者に、コウノメソッドを何げなく、お貸ししたら、ゼンゼン返えしてくれないので、何故だろうと思ったら、真剣に読んでいらっしゃるみたいです。
お年寄りの認知症は、お年寄りだけの問題では無くなって来ています。
北朝鮮みたいな国にならないように、いろいろな考えを出して、皆で考えて行きたいものです。

Posted by にゃんにゃん at 2018年06月14日 09:45 | 返信

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