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行列のできる認知症フォーラム

2018年06月05日(火)

医療タイムス6月号は「行列のできる認知症フォーラム」で書いた。→こちら
5月11、12日は満席になってしまい、入れなかった人には申し訳ない。
「当事者の声」に耳を傾けることから全てが始まると感じた2日間だった。
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医療タイムス6月号  行列のできる認知症フォーラム
 
 去る5月11~12日に尼崎市で大規模な認知症フォーラムを開催した。多くの市民フォーラムをやってきたが今回は2日間連続の本格的な企画に徹した。「認知症事故」と「マニュアルのない認知症ケア」と「認知症当事者の発信」を3つの柱にした濃厚なプログラムを組んだ。海外でも評判になっている映画「ケアニン」の上映も行った。

 まずは愛知県大府市でおきた鉄道事故について議論した。偶然にも大府市は国家的な認知症の研究機関である国立長寿医療研究センターがある場所だ。誤って鉄道内に入り電車のはねられて亡くなった父親の息子さんである高井隆一氏が講演した。事故の半年後にJR東海から賠償命令が届き民事訴訟になった。一審では同居の妻と長男の高井氏に計720万円の、二審では高井氏に360万円の賠償命令が下った。「父親が認知症であるにも関わらず、専門医にかかっていなかった過失」、つまり「認知症を町医者が診ていたこと」が判決理由だった。しかし結局、最高裁で逆転勝訴となった。一連の経緯は近著「認知症鉄道事故裁判」に記されている。もしこの裁判が敗訴していたら「閉じ込め型介護」が加速したはずだ。施設によってはまだ三重、四重鍵のところがある。こうした牢屋型介護はどれほどの苦痛で尊厳を奪うか。そう考えると最高裁判決は本当に大きな意味があった。NHKはイベントの様子を3回も報じた。今後、認知症にかかわる事件や事故が増えるだろうから対策が急務である。最高裁判決を受けて大府市は「認知症に対する不安のないまちづくり推進条例」を、神戸市も「認知症の人にやさしいまちづくり条例」を制定した。認知症に関わる事故を何らかの形で社会が担保するという方向に流れが大きく変わりつつある。

 続いてあおいケアの加藤忠相氏が「マニュアルのない認知症ケア」について語った。とても衝撃的なお話と映像だった。ユマニチュード講座など認知症ケアがマニュアル化されている中、型破りの講演内容だった。認知症の人に何かをしてあげる、ではなく認知症の人が子供や市民に何かを提供するのかが大切。その喜びこそが進行を遅らせると彼はいう。

 最後に39歳で若年性認知症と診断されて5年が経過した仙台の丹野智文氏が講演した。演題は「僕、認知症です」。丹野氏は「認知症になってもできないことだけ手伝ってもらえば普通に暮らせるし仕事もできる」「できることを奪わないで」「認知症のことを自分たち抜きに決めないで」などと訴えた。沢山の人が感動の涙を流していた。2日間で延べ1000人もの市民や多職種らが参加し、アンケートは沢山の驚きの声で一杯であった。 

 世の中には沢山の認知症イベントがある。しかし中にはどこか上から目線の企画もある。一方、当事者の生の声を聞く機会は少ない。がん医療では必ず患者さんが語るのに、認知症ではそうではない。しかし当事者の声はとても重い。そこで今回のような当事者目線の企画は行政や大病院には難しいかもしれない。しかし町医者なら可能である。いや「かかりつけ医」や「在宅医」や「地域包括ケア診療料」を算定する町医者の仕事ではないか。そしてどうせやるならば「行列のできる認知症フォーラム」にしたいと願っていたが、本当にやって良かった。今回の生と死を考えるフォーラムは20回目の節目の会だったが、今後も街造りの市民啓発に微力ながら頑張りたい。

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高井さんは、NHKで3回放映された。

また、昨日の産経新聞の1面を飾った。→こちら

市民フォーラムがジャブのように効いて、
街が少しずつでも変わってくれたらいい。

 
 

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