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せん妄対策と終末期鎮静

2018年06月17日(日)

日本緩和医療学会に2日連続で参加した。
ポスター発表も一応、、全部見て回った。
「終末期鎮静」と「せん妄対策」が人気。

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終末期鎮静の適応ややり方や倫理は難しい。
これに関しては来週、東大でシンポをやる。→こちら

一方、「せん妄対策」も興味深い。
そもそも、「せん妄」とは。→こちら

まずは予測と予防が大切だという。

・高齢者
・認知症
・アルコール
・脳梗塞、などのせん妄リスクが高い人に注意。

薬剤性せん妄が多いので、H2ブロッカーなどに注意。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬もファーストチョイスとして望ましくない。

ハロペリドールを使うなら、0.2~0。3までで1Aは多い。
これは催眠作用は無い。

リスパだールも夜に寝てくれない。
昼間はぼんやりする。する。

セロクエルは糖尿病には禁忌。

頓服指示は、
・日中不穏時と
・夜間不穏時に分けて出すべき。

あるいは
・不眠時と
・不穏時を分けるべき。

夜間せん妄には、眠前ではなく夕食後に飲む
頓服を3回繰り返すことも。

せん妄に使える薬剤は、
・トラゾロン (デジレル) 0.5~1T 4TまでOK 
 不眠にもせん妄にも効く。高齢者にもOK

内服できない人には
・ヒベルナヒベルナim
・コントミンimも使う。希釈して30分で皮下注射も、

シクレスト5~10mg舌下が、とても良い。
・在宅向き
・糖尿病にも使える
・使い方はジプレキサに似ている

事前に家族に説明しておくことも大切。
83%の市民が「せん妄」を知らない。

山川先生のサイト →こちら
岡山大学のサイト →こちら
がとても役に立つ。
「せん妄」に関する大切なことは全部、ここに書いてある。


@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

ここからが、2日間を通じての勝手な感想。

まずは、緩和ケアはがんに限らず非がんにも大切なもの。
いや、3分の1ががんで、3分の2が非がんなのである。

あと、緩和=薬、になっていることがとても気になった。
なんだかんだ言って、薬を出す事が専門性になっている。

95%が「施設ホスピス」という緩和医療学会であるが、
在宅や施設の方が多いので「地域緩和ケア」の発想が必要。


いろんな発表を見て聴いて回ったが、あたり前のことが多かった。

延命治療でさんざん苦しめておいての「鎮静」はまさに本末転倒では。
これは虐待であるが、それに気がついてる人がいないコトが不思議!

あるいは「病の院」に「拉致」したら「せん妄」が起きるのは当たり前。
それを必死で管理しようと躍起になっているがこれも本末転倒に思えた。

拉致するからせん妄が起き易くなるので、
拉致から解放すればいいだけなのに、なんて思ってしまう。

いつもこんな発表があるのだが、「最期に一晩家に帰したら
ぐっすり眠れてとても良かった」という感性は笑ってしまう。

在宅でもせん妄は時々あるが、病院ほど多くない。
そんなに気にしないし軽い鎮静で済むことが多い。

そもそも「せん妄」は管理の対象なのだろうか。
夢の中で大切な人と会話しているなら放っておいてもいいのでは。

誰でも「夢のなかでうなされる」ことがあるが、特に治療しない。
監禁・拘束すればせん妄は必発なので、仕方がないのでは。

誰のためのせん妄対策や鎮静?
患者さんのため?それとも管理者のため?

医学会を聴いていていつも思うことは、最近の医学は
患者不在というか、医療職のための医学になっている。

緩和医療学会のパブコメによく書きこんでいたが、無反応だ。
病院の学会なので末端の町医者は、まったく相手にされない。

緩和医療には大きな可能性があるのに、足元でつまずいている。
しかし多くの関係者が集まることには、大きな意味があるはず。

この学会の今後の発展に期待したい。
来年は、6月21、22日、パシフコ横浜。

せん妄対策と終末期鎮静の「連続性」については、
来週の東大での第7回日本リビングウイル研究会で議論したい。

PS)

FBで「今日会えたらいいね」と書いた直後にその人の席の横に座った。
何千人もいる広大な会場の中でそんなことがあるのか?

あるいは、5月31日が一周忌だった西村元一先生の奥さまに出会った。
あるいは、スキルス胃がん患者会の轟さんにも声をかけて頂いた。

多くの人と意見交換できるのが医学会。
ありがとうございました。

























 



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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

私が母にアリセプト3mmgと、メマリーを飲ませたら、一晩中爛々と目を輝かせて、トイレや、納戸の掃除をしたときは、驚きました。2階のトイレと、下の階のトイレを掃除したから、二日間掃除をしたのだったのか。こちらも眠れないし、精神的に妙な疲労感があって、薬を飲ますのを忘れたら、母はケロッとお大人しく寝てしまいました。薬のせいで、あんなに興奮したのだと思うと、恐ろしい思いでした。
大阪のリーガロイヤルホテル国際会議場で開催された第28回日本老年学会総会の一環で日本ケアマネージメント学会第12回研究大会でフジメディカル出版の河野和彦先生の「ピック病の症状と治療」のご著作を見つけてp168第3章前頭側頭変性症の治療⑦アリセプト減量とメマリー中止が奏功。アリセプト中止で著名な運動常道消失などと言うケーススタディが目に飛び込んで来て、「あ、母と同じような症例報告がある!!」と驚きました。
あの時は、母もまだ元気だったので、どうして河野先生のクリニックに連れて行かなかったのかと、悔やまれます。
母の症状は「譫妄」と言えるかどうか分かりませんが、できるだけ多くの人に抗認知症による譫妄について、お話しています。
後から思い出しますと、アリセプト1.5mmgでも機嫌が悪かったり、一晩中大音量でテレビをつけていたり、父の悪口を言ったりおかしい事がありました。

Posted by にゃんにゃん at 2018年06月18日 07:13 | 返信

昨年の夏に父を在宅で看取りました。非がん(認知症と慢性腎臓病)で要介護5の父とは意思疎通もできません。枯れるように旅立たせたい。ひたすら平穏死を望んでいましたが思い通りにはいかないものですね。酸素や痰の吸引に悩まされるのは誤算でした。在宅での看取りは数字ではまだ少ないはずですが、機材の扱い方等丁寧なレクチャーも受けられず、結局本人につらい対応をしていたことが後からわかり、あまりに滑稽で泣き笑いの終末期。私が痰の吸引をした直後に息を引き取ったので、その光景がまざまざと色濃く記憶に刻まれてしまいました。苦しい呼吸が半月も続いた先の旅立ち。もう少し苦しまない鎮静方法があったのかなかったのか・・・シンポジウムに参加したいと思っています。

Posted by あんこ at 2018年06月20日 12:09 | 返信

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