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糖尿病とがん
2018年06月24日(日)
これは先月開催された糖尿病学会での発表である。
働き盛りの糖尿病の人はがん検診も意識して欲しい。
第61回日本糖尿病学会年次学術集会(会長・宇都宮一典東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科主任教授)が
5月24~26日、東京都内で開かれた。
基礎系と臨床系を合わせ32のシンポジウムがあり、一般演題2455題が採択された。
24日に開催された日本医療情報学会との合同シンポジウム「世界最大級の医療Real World Data、NDBを用いた糖尿病研究」では、
大規模データベースの解析による糖尿病の病態解明について、4人の演者が登壇。
国立がん研究センター社会と健康研究センター疫学研究部代謝疫学研究室の後藤温室長は
「NDBからみた糖尿病とその併存疾患のパノラマビュー」と題して発表した。(MMJ編集長・吉川学)
後藤室長は最初に、国民健康・栄養調査はサンプル数に制約があり、地域別や経年的な推移を分析することは難しいが、
NDBは保険診療のレセプトが集積した大規模データベースで、処方・検査などの診療行為も収載されていることに加え、
疾病横断的な情報が得られるため、併存疾患の状況も分析可能で、地域特性や経年的な推移の分析にも適していると指摘した。
次に、糖尿病患者の死因トップで約40%を占めるがんについて、国内約34万人のデータ解析から、
糖尿病患者は大腸がん、肝臓がん、膵臓がんの発症リスクが1.5~3倍増えるという推計を紹介。
がん併存の有無は、糖尿病患者の診療で考慮すべき重要な因子だが、現時点では、
どの程度の糖尿病患者ががんを併存しているか不明なため、
NDBで糖尿病患者に占めるがん患者の割合を分析した。
年度ごとの集計では、2014年度に糖尿病と記載された約2500万のうち、
がん併存は約900万人と推計された。レセプト病名も含まれるため、実際より多く推計されていると分析。
都道府県ごとのばらつきも大きいという。
後藤室長は「NDB解析では、糖尿病有病率、がん併存率、診療行為実施率が都道府県で大きく異なる可能性がある。
より正確な推計を行うために、誤分類による情報バイアスを修正するため、バリデーションスタディが必要だ」と指摘した。
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糖尿病の人は
・胃カメラと便潜血
・腹部エコー
・胸部レントゲン、を年1回は受けて欲しい。
後悔しない、という人には無理にはお勧めしないが、
がんで死にたくない、と思う人は気に留めておいて。
ところで最近、がんの見落とし裁判が増えている。
がんを早期発見できず、死亡したい遺族が訴訟に。
裁判所は、国民的支持を受けた「がん放置療法」の
提唱者を証人として出廷させないのか不思議である。
世の中には
・放置しては勿体ないがん、と
・放置したほうがいいがん、がある。(要介護の後期高齢者のステージⅣ)
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この記事へのコメント
かつて、長尾先生が "中庸" を頻繁に
仰っていたことを思い出しました。
それを彷彿とさせる、今日のブログでした。
「見落とし裁判」について、ふと思いました。
ケースbyケースなので、一概に断言は
できませんが、それこそ4D,5D とか
8K とかの画像・映像の論理の発展の行く末に、
突き詰めた挙句に、「スケルトン」のような
技術が現れたならば、訴訟も無くて済む世に
なるのかも知れません。
けれど、現代の医療・情報量などをもってすれば
あながち、人のせいだけには出来ない気も
します。
場合によっては、予備軍でさえ見つけて頂ける
御時世ですし、セカンドオピニオンを得る権利も
ある訳です。
「癌」が身近かな時代になりました。
驚かない時代にもなりました。
病に掛かってしまったのは、
結局は自己なのです。
「自己責任」という表現は強過ぎるので
適格な表現が浮かびませんが、
生き方、死に方、病のしのぎ方、いずれにしても
「自分自身」なのだと思います。
Posted by もも at 2018年06月25日 09:07 | 返信
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