このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
僕は薬を出すために医者になったのではない
2018年07月07日(土)
医療=薬だけ、となっている現状を強く憂う。
僕は薬を出すために医者になったのではない。
そもそも、どうしてこんな事態になったのか?
製薬会社が、大学教授や大病院のエラい医者に多額のお金を渡す。
→ 彼らは全国の開業医などにそのお薬をヨイショする洗脳セミナーをして回る。
→ 洗脳された開業医や勤務医は、エラいお医者さんの言うことを信じて薬を出す。
→ 先生に逆らえない患者さんは、与えられた薬を”一生”と思って、飲み続ける。
→ 製薬会社は儲かるので、その利益をまたエラいお医者さんに投資・還元する。
このような構図は、僕が医者になった35年前も、あった。
しかし果たして35年後にはその傾向は何10倍に膨らむ。
医療=薬、でしょ?
薬を出すほどほどいい医療でしょ?、と信じてやまない医師が多い。
ただし多くの患者さんが誤解している事実がある。
「医者が薬で儲けている」というのは誤解だ。
処方箋を1枚書くことに対する対価は680円。
それも7種類以上の薬を処方箋に書けば、400円に減額される。
だから「出せば出すほど儲かる」というのは、まったくの誤解だ。
出せば出すほど儲かるのは、「製薬会社だけ」である。
まあ、調剤薬局や院内処方の開業医も少しは儲かるが。
一番問題なのは、医者を育てる医学部の教授が金まみれになっていること。
お金に汚染させたエラい医者が、開業医を「洗脳」していることが問題だ。
いまの医学部には、医の倫理を教える医者がいない。
お薬教のお医者さんがお薬教の医者を養成している。
それを管理しているお役所のトップが息子を裏口入学させることができる国。
医学・医療を管理する側と管理される側のエラい医者が、裏で結託している。
本当に情けない。
自分ができるこことはなんでもしたい。
だから、薬害は減るどころか、反対に増える一方である。
たとえば抗認知症薬の副作用を一般に説くと罰せられる世界が、医療界。
2000年以上前に目覚めたお釈迦様は、この現状をなんと思うのか。
京都・高台寺の釈迦涅槃像には、お母さまが仏陀に薬を投げる図がある。
2000年前のインドでも、急性胃腸炎に苦しむ我が子に「薬を投げた」母がいた。
しかしそれは、あくまで「愛情」であって、「お金」でも、「洗脳」でもない。
本来、薬は愛情表現なのなのだ。
しかし現状では、洗脳表現になっている。
被害者は患者。
しかし加害者はその自覚が無い。
多くの医者が、自分が洗脳状態になっていることに気づかずに死んでいく。
あたかも平穏死を知らない医者が、自分も延命で苦しみながら死ぬように。
釈迦は、こんな現状をなんと嘆くのだろうか。
「末法の世じゃのう。だから言ったじゃないか」
そう今の医療は「末法医療」と認識すべきだ。
だから患者さんが賢くなるしかない。
医療のいいとこ取りをできる「智慧」を持たないといけない。
それができない人は、安易に医療に近ずかないことだ。
もしくはあまり洗脳されていない良医を探す事である。
名医図鑑やメデイアに載っている名医の多くは、洗脳する側にいる。
本当の名医・良医はメデイアには載らないが、きっとお近くにいる。
その割合は?と聞かれたら、とても困るが
「まあ1割程度かなあ」と答えておこう。
間違いなくいるのだが目立たない。
だから患者さんが、探すしかない。
エラい世の中、になったもんや。
エラい人が犯罪を犯しても「記憶にない」で免罪される国だもの。
自分の身は、自分で守ろう。
結局は、自助努力に尽きる。
http://maki.press/report.html
**************************
薬の値段の「算定組織」委員長ら3人が製薬会社から1,000万円超の副収入
厚労大臣、委員と製薬会社との利害関係は「不開示」
【特集】製薬マネーと医師(2)
この原稿はワセダクロニクル(6月15日配信)からの転載です。
http://www.wasedachronicle.org/articles/docyens/e3/
ワセダクロニクル
2018年7月5日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
——————————————————————————————————-
薬の値段(1)を決める中央社会保険医療協議会(中医協)(2)の「薬価算定組織」の委員11人のうち、2016年度に製薬会社から講師謝金やコンサルタント料などを得ていた9人の平均受領額が502万円だった。委員長の秋下雅弘・東京大学教授(老年病科)ら3人の委員が受け取った金額は、それぞれ1,000万円を超えていた。
薬の値段は、製薬会社の売り上げを左右する。その決定に影響力を持つ委員たちが、製薬会社から多額の副収入を得ていた。 受け取った金額によっては、委員は審議そのものにも参加できない。ところが厚生労働省は、各委員がどの製薬会社からいくら金銭を受け取っているのかを示す文書を公開していない。製薬会社と医師の利害関係を透明化するために欠かせないものだ。
(「シリーズ『製薬マネーと医師』を始めます」もお読みください)
◆受領委員の平均は502万円 / 歯科の専門家2人は受領なし
薬価算定組織の委員名簿は、厚労省のホームページ上では公開されていない。このため、ワセダクロニクルは情報開示請求を厚労省にかけ、委員名簿を入手した。薬価算定組織の委員は、本委員の11人と、医学や薬学など分野別専門委員の42人で構成される。
今回ワセダクロニクルは、本委員11人が2016年度に製薬会社から受領した講師謝金やコンサルタント料などを調べた。もとになったのは、ワセダクロニクルと特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所が作成したデータベースだ。
薬価算定組織では、委員に対して規制がある。過去3年度のうち、審議に関係する製薬会社から50万円を超える金銭を受け取った年度があれば議決に参加できないほか、500万円超なら審議にも参加できない。
製薬会社から受け取った金額が最も多かったのは、倉林正彦・群馬大教授(循環器内科)の1171万円。次いで、委員長の秋下・東大教授の1157万円、弦間昭彦・日本医科大学学長(呼吸器内科)の1043万円。平均は502万円だった。
歯科の専門家2人は受領していなかった。
以下の表になる。
http://expres.umin.jp/mric/seiyaku2-1.pdf
◆製薬会社が「列をなす審議会」
薬価算定組織とはどんな組織なのだろうか。
医師が処方する医療用医薬品については、新しい医薬品の製造販売が許可された後、中医協が価格を決める。
この中医協の下部組織に薬価算定組織がある。ここで具体的な価格の算定作業を行っている。年に4回程度、算定組織の委員長が中医協の総会に報告、承認を得るという手続きを踏む(3)。算定組織が薬の値付けに大きな影響力を持っている。
中医協が開催されると、会場の受付には製薬会社の関係者が列をなしている。ワセダクロニクルでは実際に確認している。『行列のできる審議会~中医協の真実』(4)という本まで出版されているほどだ。
製薬会社の関心が高いのは、薬価が企業の業績を大きく左右するためだ。
例えば、2014年8月に中医協で保険の適用が決まったがん治療薬オプジーボ。算定組織は100mgの1瓶あたり約73万円の値を付けた。画期的な薬と判断されたからだ(5)。
「オプジーボ効果」で、販売元の小野薬品工業は2017年3月期決算で売上が前年比53%増の2448億円に上った。最終利益は2倍増の558億円。いずれも過去最高だった(*6)。
◆厚労大臣、委員の利害関係を「不開示」 / 「個人の権利権益を害するおそれ」
厚労省は、薬価算定組織の委員が製薬会社から多額の副収入を得ていることを把握しているのだろうか。
ワセダクロニクルは、厚労省に対して、薬価算定組織の委員が製薬会社から得た金銭について情報開示請求をした。
加藤勝信・厚労大臣が出した決定は「不開示」。理由は以下のようなものだった。
●公開することで、個人の権利権益を害するおそれがある
●人の生命や健康を保護するために公開することが必要な情報ではない
ところが、厚労省は、新薬の審査や薬の副作用の調査などをする別の薬事・食品衛生審議会では、その委員が審議に関係する製薬会社から受け取った金額について、委員の申告書をホームページに掲載している。
その審議会では、製薬会社と委員との金銭が絡む関係が適切かどうか、私たちもチェックすることができる。
薬価算定組織は違う。
委員の申告書が公開されていないので、製薬会社と委員との関係について、外部から確認しようがない。情報開示請求をしても「不開示」の決定になった。
製薬会社から得た金額により委員を退席させるなど、利害関係に関する規制通りに審議を運営しているのだろうか。ワセダクロニクルは、薬価算定組織の秋下委員長に話を聞いた。
http://expres.umin.jp/mric/seiyaku2-2.pdf
薬価算定組織の名簿
=つづく
◆ご寄付のお願い◆私たちは独立した取材と報道を維持するため、広告ではなく市民からの寄付で運営する非営利型のジャーナリズムNGOです。世界の非営利型ニュース組織でつくるジャーナリズムネットワークに加盟しています。今回のデータベース作成では膨大な作業時間と費用がかかっています。私たちは広告収入に頼りません。みなさんからのご寄付で取材と報道を続けさせてください。寄付のページはこちらから簡単に手続きできます。みなさんの温かいご支援、よろしくお願いいたします。
(C) Waseda Chronicle, All Rights Reserved.
*1 薬の値段 保険医療に使用できる医薬品の品目とその価格は厚生労働大臣が定めることになっている。製薬会社が自由にその価格を決められないということだ。出典:?橋未明「日本の薬価制度について」2016年、厚労省ウェブページ(2018年6月11日取得
*2 中央社会保険医療協議会(中医協) 厚労大臣の諮問機関。医療行為の対価として医療機関や薬局が受け取る「診療報酬」や「薬価」を決めている。42兆円の医療費を差配する大きな権限を持っている。健康保険組合など支払い側7人、日本医師会など診療側7人、公益代表6人の計20人で構成。社会保険医療協議会法などに基づく組織で、委員の人事は国会の同意が必要。2004年、日本歯科医師連盟(日歯連)幹部が中医協支払い側委員に、歯科医の診療報酬引き上げに賛成するよう依頼し賄賂を贈った贈収賄事件が起こり、日歯連幹部5人と支払い側委員の元社会保険庁長官や元連合副会長が逮捕・起訴された。出典:厚労省「中医協を巡る贈収賄事件(概要)」2005年、厚労省ウェブサイト(2018年6月13日取得、
*3 厚生労働省「現行の薬価基準制度について」2016年、厚労省ウェブページ(2018年6月13日取得、
*4 新井裕充『行列のできる審議会~中医協の真実 』2010年、ロハスメディア。他にも、医療ジャーナリストの牧潤二は「私など『フリー』の者、記者クラブ非加盟社の人たちは、早朝から順番取り(席取り)のために並ぶことになります。実際、そこに並んでいる人たちの半分以上は製薬会社の人たちでしょう。特に、中医協の総会と併せて薬価専門部会が開かれる日は、製薬会社の人たちが目立ちます」と記述している。出典:牧潤二「取材風景/中医協を巡る取材合戦」、牧事務所ウェブページ(2018年6月14日取得
*5 薬価算定組織は2014年8月27日の中医協総会で、オプジーボの価格設定について「本剤と同一の効能・効果を有する既収載品はなく」「世界に先駆けて我が国で初めて薬事承認を取得した」などと説明した資料を提出し、中医協の承認を得た。その後、英国の約5倍、米国の約2.5倍という価格に批判が高まり、2017年2月に100mg1瓶約36.5万円へと半額に引き下げられた。出典:厚労省ウェブサイト(2018年6月13日取得
*6 小野薬品工業「平成29年3月期決算概要」、同社ウェブページ(2018年6月13日取得
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
この記事へのコメント
おはようございます。
本日のイベントのご成功をお祈りいたしております
不祥な身分身柄で出席できずに誠に申し訳ありません。
Posted by 尾崎 友宏 at 2018年07月07日 09:47 | 返信
医者から、「薬の処方権」を取り上げると、どうなるのかな。
医者が出す処方箋がなければ手に入らない薬がたくさんある。
最近、それら「処方薬」の「ほんの一部」が薬局でも買えるようになったらしいけど。
「効き目が強い(と同時に副作用も強い?)薬を処方することができるのは医者だけである」ゆえに、
悪徳医療がはびこるのではないかしら?
全部の薬を、購入者の自己責任にするとどうなるのかな。
事故も多発するだろうけど「自己責任」。
医者の「お薬処方権」を無くして自由購入にすると、
薬の種類が減るのではないかしら。
同じような目的の薬をあちこちの製薬会社が競い合って作って
ちょっとだけ変更してまた「新薬」として値段上げて売るような行為は無駄になるのではないかしら。
Posted by 匿名 at 2018年07月08日 02:33 | 返信
ナイチンゲール誓詞の中に…
「……われはすべて毒あるもの、害あるものを絶ち、
悪しき薬を用いることなく、また知りつつこれをすすめざるべし。……」とあります
口にするもの すべて副作用があると言っても過言ではないと思っています
病院看護師時代
すべてを医師に報告し 指示によっての投薬、またはルーチンになっている異常指示を用いての投薬を当然のごとくやっていました
看護じゃない!医者の手先だったのか?
今は 訪問の仕事をさせていただいて
先生に報告するってことをは 先生に何かをして欲しい=投薬?検査?点滴?…ということになる
お医者さまには申し訳ないですが…(長尾先生のことではないですよ)
医者は 薬を出す係だと思っています
お医者さまに報告すると必ず薬が増えます
伝え方を間違えると とんでもないことになります
報告の義務はあります その前に患者さま、利用さま、ご家族が何を望んでいるのかをキャッチして
その想いをお医者さまに伝えます
その中で 様子みていただくことにしました 何かあったら助けてください…と先生を頼っていますという想いは忘れていません
わたしは 看護師です
ナイチンゲール誓詞を心の中に しっかり置いて 看護をし続けていきたいです
Posted by 宮ちゃん at 2018年07月08日 09:42 | 返信
薬は正しく使えば短期的には非常に役に立つものです。しかし多くの患者に間違った使われ方をされているのが現実です。特に長期に服用する薬に関しては効果が怪しいものが多いです。特に薬の代謝ができない高齢者に山盛り処方というのはとても治療とはいえません。「医者=薬」という価値観が定着したこの国では、薬を処方しない医者は悪者のように思われます。患者が訴えをすべて薬で対応するのが良い医者だという価値観が国民レベルで根ついているので、もはやどうしようもないのではないかと思います。診察料単価が安いので、患者を大量に短時間にできるだけ多く診るためには、薬を次々と出すのが患者を納得させる手段ですから。他国のように、薬をすべて保険対象外にすれば、薬漬け医療はおそらく激減できるはずだと思いますが、今のままだと医療崩壊しかないでしょう。
Posted by マッドネス at 2018年07月10日 10:15 | 返信
依存心なのだと思います。
家庭や地域等の人と人との繋がり、
心の寄り所が顕在だった時代には
人は、それ程までに病院通いをせずに
過ごすことが出来ていたのだと思います。
経済が発展して、庶民でも医者に掛かる
ことを躊躇せずに(お金が掛かる事を気に
せずに)医者通いをするという。医療が
万人のものになった時代には、
人が元来、必要としていた「愛情」=人との繋がり
が得られにくくなった(忙しい)という代償に
「医療」というシステム頼りに、鞍替えせざるを
得なくなった変遷があったのではないか?と思っています。
成人病であっても、元は「心」が起因するような側面もあり
ますし、「うつ」は心の風邪、なんてキャッチフレーズ
もありましたけど、心を建て直せば善処することが
できるような事態であっても、人間関係が希薄になって、
人が心を置き去りにしてきた代償と変遷が背景にあるのではないか、
と漠然と思っています。
「誰かに頼りたい」という思いは、本来は医者に向けられる
ものではなくて、それは家族であり、地域であり、育つ環境や
過ごす環境の中での、人と人によって果たされるべきもの
と思います。
愛の形を求めて彷徨う気持ちが「依存」になり、
それが医療への傾倒になってしまい、形としての
投薬になってしまう、そういう構図を思い浮かべます。
理屈っぽいですね..でも、根底はその部分では?
と思っています。
Posted by もも at 2018年07月11日 09:57 | 返信
コメントする
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: