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末期がんへのブドウ糖、亜鉛、酸素、過剰な水分
2018年07月29日(日)
今日は、第9回阪神在宅NST研究会を楽しませて頂いた。
大人気の阪大の野原先生による脳梗塞や認知症の嚥下評価、
そして武庫川女子大の福尾先生のがん栄養の話を拝聴した。
大人気の阪大の野原先生による脳梗塞や認知症の嚥下評価、
そして武庫川女子大の福尾先生のがん栄養の話を拝聴した。
野原先生は摂食嚥下で大人気の先生。
超カッコイイし、近著も素晴らしい。→こちら
嚥下内視鏡で多少の誤嚥所見があっても
好きな物を食べさせるのが高齢者は一番。
そもそも、摂食嚥下に関する私の持論は
・人間はすべて誤嚥する動物である
・誤嚥と誤嚥性肺炎を区別する
・誤嚥性肺炎は何もしなくても治るものは治るけど、
治らないものは、何をしても治らない
・誤嚥性肺炎で死ねたら最高
野原先生の話しは、私の考えと100%一緒だったので嬉しかった。
しかし阪大病院で野原先生の考えが分かる医師はほとんど居ないと。
福尾先生はがん細胞のワールブルグ効果の話をされた。
がん細胞は、正常細胞より先にブドウ糖を取り込むと。
高血糖環境下は、がんが発生しやすく、成長や転移に有利。
免疫チェックポイント阻害薬も高血糖があると効かないと。
おまけに、亜鉛が多いとがん増殖には有利。
末期がんの人への亜鉛の投与は癌を利するだけ。
末期がんの人への
・高カロリー栄養
・亜鉛投与
・水分の過剰投与
・酸素投与、はがん細胞を利するだけで、苦しみを増して死期を早める。
(水分と酸素は長尾が付け足したものだが)
まとめると
野原先生は、認知症終末期の摂食嚥下の誤り
福尾先生は、末期がん患者の栄養療法の誤り、を指摘したことになる。
つまり、認知症終末期も末期がんも、現在多くの病院で行われている
栄養療法は間違いであることを、間接的に説明された記念すべき日だ。
私が普段、全国のみなさまにお伝えしていることを2人の大学のエライ
先生が豊富な画像やデータで示して頂いた日であり、大変元気を頂いた。
栄養療法という観点からも臨床的な観点からも
平穏死という思想が間違っていないことを確認。
まだまだやるべき仕事が沢山あるなあ、と実感した。
患者を助け、助けられない患者さんは、尊厳を守る。
今日は長く看ていた在宅患者さんのお看取りが2人あったが
7月から赴任して頂いた先生に走って頂いたので、助かった。
夜は、腹水パンパンの患者さんの往診があり、その後は
カテーテルトラブルでの呼び出しがあり、雨の中、往診。
帰宅はまた深夜。
完全に昼夜逆転した毎日。
今、兵庫県も暴風雨圏に入ったようだ。
岡山、広島、愛媛のみなさまのご無事を祈りながら寝る。
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この記事へのコメント
突然のコメントを失礼いたします。
現在、92歳の祖母を母と共に自宅で看取る介護をしているものです。
育児と介護との両立を5年間してきましたが、5月下旬に入院をし、慢性心不全、腎機能障害、大腸憩室炎などあらゆる内臓機能が悪くなり、ADLの低下もあり、だれがみてもいわゆる「その時」がきた。という中、中心静脈カテーテルを1週間し、
苦しむ姿をこれ以上みたくないと悩みに悩んだ末、6月23日に退院をいたしました。
退院時の主治医をはじめ、ケアマネを中心にした在宅介護のスタッフ、すべての人が「栄養点滴を外したら、1週間はもたない。まあ3,4日であろう」といわれ、家族も覚悟し、病院では上げられなかった水をスプーンで少量ずつあげることができ、自宅に帰ってきた喜びに本人、家族、幸せに思えていた介護生活が、訪問医師も看護師も誰もが予想していない現在介護生活34日を過ぎている生活に「死ねない」老衰に直面しております。
まさに少量の水を摂取するだけの生活。
普通なら傾眠時間が長くなり、頭もボーとしているらしいが、この2日前まで頭がしっかりしており、肉体の衰えと完全に分離し、頭がしっかりしていることに医師や看護師、介護スタッフすべての人から前例がなく、考えられない。という日々を送っております。
ここ3日間は、嚥下機能がさすがに悪くなり、水も飲めなくなり、身体にあった少量の脂肪はすべて心臓を動かすエネルギーに変えられ、がりがり、身体の関節も硬くなりと「どうして心臓がとまってくれないのか」と看取り介護の苦しさをこれでもかというほど味わう毎日です。
長尾先生の著書をバイブルとして、この1か月なんとかがんばってきていましたが、本人の自然死を待つ前に何度、家族の心が死んだか。
それでも本当に心臓が止まったときは、「ようやく終わった」という解放感と同時に「喪失感」に襲われるのであろう。と介護の厳しさを痛感しております。
Posted by 後藤田 真実 at 2018年07月29日 08:44 | 返信
それで気になってるのは 砂糖なしのブドウ糖なしの食品を簡単に見つけて購入することができる日がくるのでしょうか?内容は大変興味があります。癌患者は 介護側の協力も得て 家で料理するのが一番よいという結論しかないですよ。それにはゲルソンさんや済陽さんのレシピがとても参考になります。まあコップ一杯のリンゴ人参ジュースが精一杯の嚥下障害避けながらということになりましたが これおいしいですね。豆乳バナナジュースにゴマかオリーブオイルを入れて 高カロリーのゼリーを作ることでどこまで生命維持できるのか知りたいとも知りたくないとも。実は(発芽)玄米も加えてですが つまみ食いやためし食いの介護側の私の健康への変化にはつながりましたよ。回復力があるからでしょうか。
Posted by W000Y at 2018年08月02日 10:48 | 返信
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